就活でボランティア経験をアピールしたい学生は、たくさんいますよね。伝え方次第では大きく評価されるため、効果的なアピール方法を理解しておきましょう。
本記事では就活でボランティア経験をアピールするときのポイントや注意点を詳しく解説します。ぜひ、就活対策の参考にしてみてくださいね。
ボランティア経験は工夫すれば就活でアピールできる

ボランティア活動をする大学生は多いので、ただ参加したと話すだけでは、効果的なアピールにはなりません。
就活に活かすためには、活動内容や経験だけでなく、プロセスや学んだことを伝えるのが重要です。
ボランティア活動を目的や目標もなく、ただやったと思われないように、アピールの内容を工夫しましょう。
ただし、就活の際にボランティア経験は必須ではないため、ボランティア活動の経験がないだけでは、不利にはならないでしょう。
企業が見ているボランティア経験を評価する基準

目的意識があり、経験で成長できた場合でも、肝心のアピール方法を失敗すれば、評価が悪くなってしまいます。
ボランティア経験で企業が見ている評価ポイントは3つあります。魅力的な経験を台無しにしないように、印象が良くなる方法を確認しましょう。
①ビジネスに活かせるか
面接官は企業で活躍できる人材を探しているため、ボランティア経験によって得たものが、仕事に役立つかどうかは大切です。
したがって、どのように仕事に活かせるか、具体的に述べることが重要になるでしょう。
ただし、ボランティアは非営利の活動で、企業は営利活動なので、完全にイコールで結ぶのはNGです。
ボランティアと仕事で目指すものは違うので、区別ができていないと思われるでしょう。必ずビジネスとしての視野を含めて話す必要があります。
②人柄が企業とマッチするか
ボランティアは自発的に行う慈善活動であり、面接官はボランティアを始めた理由を聞くことで、就活生の人柄を判断しています。
周囲への思いやりや使命感を、自分の性格と関連させて話せば、企業から評価されるでしょう。
自分自身が納得して積極的に活動に参加した主体性のほか、団体の中で人間関係を構築できる社交性とコミュニケーション能力も示せます。
物事に対しての問題意識の持ち方や自身で感じた疑問を解決する力もアピールできるでしょう。
③社交性や積極性が感じられるか
ボランティア活動では、初対面の人々と協力して活動を進める場面が多く、企業はここでの行動から応募者の社交性や積極性を評価します。
特に、見知らぬ人々と円滑にコミュニケーションを取り、自ら進んで行動できているかどうかは重要な評価ポイントですよ。
例えば、ボランティア活動中に参加者同士で積極的に意見を出し合い議論した経験や、初めて会う地域住民の方々と打ち解けて活動を進めた経験などは、高く評価されるでしょう。
企業は、このような経験を通じて培われた協調性やコミュニケーション能力が、実際の職場でも活かせると考えているのです。
【3ステップ】就活でボランティア経験をアピールする方法

ボランティア経験を面接で活かすためには、どうアピールするかを考えることが大切です。
伝え方が少し違うだけでも印象が変わるので、評価にも大きく影響するでしょう。それでは、順番に3つのポイントを解説します。
- 独自性のある動機・目的を述べる
- 具体的エピソードでオリジナリティを出す
- 学んだことを仕事とつなげてアピールする
①独自性のある動機・目的を述べる
ボランティア活動をしようと思った動機は人によって違うので、正直な気持ちを話しても構いません。ただし、「就活での話題作りのためにボランティア活動を始めた」と、あまりにも本音を出し過ぎれば、印象が悪くなるでしょう。
ボランティアの理念や社会通念に共感するのも悪くはないですが、そのまま使っても単なる他人の言葉です。
面接官は就活生の人柄や考えを知りたいと思っているので、述べた目的や理由が一般論であれば、採用担当者からの印象も薄くなってしまいます。
独自性のある理由を考え、こだわりを持っていることを伝えて下さいね。
②具体的エピソードでオリジナリティを出す
ボランティア経験を通して、「何が得られたか」「どう成長したか」をアピールしましょう。ただし得たものとは、成果や実績ではなく、能力・価値観・考え方です。
もし活動がスムーズに終わったのだとしても、必ず得られたものを提示する必要があります。
全力で活動を行ったのなら、ちょっとした問題が生じたり、自身が成長できるような体験を何かしたはずです。
経験によって自分に生じた変化に着目して、どのような人柄なのかを詳しく伝えましょう。
③学んだことを仕事とつなげてアピールする
企業は自社で活躍できる人を求めているので、能力を活かして仕事を進めていける人材を探しています。
ボランティアで得られた経験がどのように仕事に活かせて、再現性があるのかを提示しましょう。習得した能力を示すだけではなく、能力や人柄がその会社に合っているとアピールする必要があります。
ボランティアによって得たものがあったとしても、それが会社の仕事と全く関係しないと、良い評価が得られないでしょう。
就活でボランティア経験をアピールする時の5つの注意点

ボランティア経験を伝えるときに、気をつけるべきポイントを知らないと、アピールが逆効果になる可能性もあります。
注意点は以下の5つです。アピール文を考える前に確認しておきましょう。
- ボランティア経験の自慢に終始しない
- ボランティアへの参加理由が就活のためはNG
- 嘘は絶対につかない
- ボランティアとビジネスを混同しない
- 専門用語を使いすぎない
①ボランティア経験の自慢に終始しない
ボランティアの経験自体をアピールの軸にすると、ただ体験を伝えるのみになってしまいます。
単に素晴らしい体験を話しても、昔話をするだけで終わるので、自慢話になってしまい、評価が悪くなるでしょう。
アピールすべきポイントは「活動内容から得たもの」「会社の利益に繋がるもの」であり、活動経験自体ではありません。
ボランティアを始めた動機と経験を活かせるポイントを話に盛り込んで、魅力的な自己PRを作ってみましょう。
②ボランティアへの参加理由が就活のためはNG
ボランティア活動を始めたきっかけが、「就活での話題作りのため」では、目的や意志がない行動だと見なされるでしょう。
もし参加した経緯や活動で得た価値観を自分の言葉で伝えられないなら、そもそもアピールポイントをボランティア経験にするべきなのか、もう一回考え直す必要が出てきます。
企業による評価ポイントは、結果よりもプロセスです。「昔からボランティアに興味があった」「人の役に立ちたかった」のような理由だったり、独自性やこだわりをアピールできる理由にするのが無難でしょう。
③嘘は絶対につかない
ボランティア経験に限りませんが、嘘の内容でアピールするのはNGです。嘘がバレれば評価を一気に下げられて、そのまま不合格になるかもしれません。
ボランティア活動には証明書がないので、嘘をつくこと自体はできますが、詳しく聞かれるとどうしてもボロが出やすいです。
面接官は就活生が嘘をつく可能性もあると考えているため、疑わしいと思われた時点で評価が下がる可能性があるでしょう。話を盛り過ぎたり、誇張しすぎるのも控えて下さい。
④ボランティアとビジネスを混同しない
ボランティアは社会貢献や互助の精神に基づいた、金銭的な見返りを求めない純粋な奉仕活動であり、ビジネスとは一見似ているようで異なる活動です。
面接でボランティア経験をアピールする際は、この本質的な違いを理解した上で話をすることが重要になるでしょう。
例えば、「ボランティアで培った経験を活かしてビジネスで成果を出せます」といった安易な結びつけ方は避けてください。
代わりに、「ボランティアで学んだ他者への思いやりの心や、社会課題への気づきを、仕事を通じて還元していきたい」といった表現の方が適切です。
また、ボランティアで得た経験を企業の利益追求と直接結びつけるのではなく、チームワークやコミュニケーション能力、問題解決能力といった汎用的なスキルの観点から語ることをお勧めします。
⑤専門用語を使いすぎない
ボランティア活動では専門的な用語が多く使われることがありますが、面接官や採用担当者は必ずしもその分野に詳しいとは限りません。
そのため、専門用語を使う場合でも、平易な言葉で説明を加えるようにしましょう。
例えば、「児童養護施設でのボランティアで、ケースワーカーと連携し、要保護児童の自立支援を行いました」だと少し伝わりづらいです。
代わりに「児童養護施設で、施設職員と協力して、家庭環境に恵まれない子供たちの自立を助ける活動をしました」と言った方が伝わりやすいでしょう。
ボランティア経験のアピール例文

ボランティア活動を履歴書に書く時の例文を紹介します。ベースにして、より濃い内容にしていってくださいね。
①国内の地域ボランティアの例文
例文
大学時代にはボランティア活動に取り組んで、台風の被災地の支援活動に精を出しました。テレビで復興に向けたボランティアの様子を見て、私にも何かできないかと考えたのがきっかけです。
現地では主に、暴風によって飛散したゴミの片づけをしました。しかし、テレビで見るよりも大変で、実際に現地まで足を運ばないとわからないことも多かったです。
被災地の方々から「ありがとう」と声をかけられ、感謝する気持ちの大切さを学びました。今後はボランティア活動の経験を活かして、御社では顧客を大切にした営業活動を行い、目標の達成を目指したいです。
ボランティア活動で学んだ感謝の気持ちを常に意識して、何でも果敢に挑戦したいと考えています。
②海外ボランティアの例文
例文
私は大学2年生の時に、イギリスの孤児院で子どもたちのケアを行うボランティアに2度参加した経験があります。
現地では子どもたちの着替えや食事のサポートを担当し、英語でのコミュニケーションを行いました。
初回の参加時、日本の文化や時事問題について質問されても答えられず悔しかったです。
この経験から、2度目の参加時には事前に日本文化や社会情勢について学習し、より深い交流を実現することができました。
異文化コミュニケーションの重要性と、課題に対して主体的に取り組む姿勢を学びました。
ボランティア経験のNG例文
ボランティア経験は就職活動において強力なアピールポイントとなりますが、その表現方法を誤ると逆効果になってしまう可能性があります。
ここでは、面接官や人事担当者に良い印象を与えられない代表的なNG例文について解説していきます。
NG例文①:目的が曖昧
ボランティアのPRを作る場合、目的が曖昧になってしまったり、主体性がなかったりすると高い評価にはなりづらいでしょう。
以下がそのNG例文です。
NG例文
私は大学2年生の時、被災地支援のボランティアに参加しました。
友人から誘われて参加を決めましたが、被災地の方々の役に立てればと思い、がれき撤去や物資の仕分けなどの作業を行いました。
現地の方々から「ありがとう」と言われ、とても嬉しく感じました。この経験を通じて、人の役に立つことの大切さを学びました。
NG例文②:専門用語が多い
ボランティアでは専門用語が多く飛びかうこともありますが、専門用語が多すぎると面接官に伝わりにくく、実際の経験が見えづらくなります。
以下がそのNG例文です。
NG例文
私は難民支援NGOでボランティアコーディネーターとして活動し、プロジェクトマネジメントを担当しました。
SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」の達成に向けて、リソースアロケーションの最適化やステークホルダーマネジメントを実施。
KPIを設定し、PDCAサイクルを回しながら、プロジェクトのアウトプットとアウトカムの向上に貢献しました。
就活でボランティア経験を効果的にアピールしよう

今回は就活でボランティア経験をアピールする際のポイントと注意点を紹介しました。
ボランティアにただ参加しただけでは、選考で有利になる可能性は低いでしょう。
ボランティア活動から何を得て、どう自分が成長したのか、そして企業にどんなメリットを与えるのかを示すことが、高評価を獲得するポイントです。
貴重な体験を無駄にしないためにも、ポイントをしっかり押さえて、効果的なアピールができるように、内容を整理して就活に役立てましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。