海外ではどういった採用活動や就職活動が行われているか、気になっている人もおそらくたくさんいるはずです。実際にアメリカの就活事情ってどうなのでしょうか?
そこで、本記事ではアメリカと日本での就活の違いから、アメリカの就活の流れや特徴まで詳しく解説します。ぜひ、今後の参考にしてみてくださいね。
アメリカと日本の就活の違い

キャリアの考え方は、国によって大きく違います。では、日本とアメリカの就活事情は、具体的にどのように違うのでしょうか?
日本人から見ると意外に感じる違いを3つ紹介します。
- 学歴がより重視される
- 学部の成績や研究内容が評価される
- 通年採用を行っている
①学歴がより重視される
「日本は学歴社会」と言われることもありますが、意外にもアメリカでは日本以上に卒業した大学や専攻に重点が置かれています。
場合によっては、企業が定めているレベル以上の大学を卒業していないと、採用試験を受けられないケースも少なくありません。
アメリカは実力社会であるため、即戦力になる人材が求められ、面接でも「レベルの高い大学や大学院=能力が高い」と思われるでしょう。
大企業に就職したいなら、できれば博士号、少なくとも修士号を取得しないと難しいでしょう。
②学部の成績や研究内容が評価される
日本でも「有名大学出身=優秀」と判断される傾向があり、採用面接では入社後に「どんなことがしたいのか」と聞かれます。
アメリカでは大学が有名なだけでなく、在学中の成績や学部に加えて、専攻していた内容が重要視されます。入社後には「何ができるのか」に焦点が当てられるでしょう。
古くからアメリカでは、バックグラウンドの異なる多種多様な人種の人々が暮らしています。
そのため出身地や信教による差別がなく、実力があれば誰でも平等に成功できるシステムが作られていています。面接では即戦力として企業の利益になる人材を探しているのです。
③通年採用を行っている
通常の日本の企業では新卒一括採用を行っており、人事部が採用をすべて担当しているケースがほとんどです。
しかし、アメリカでは社内で部門別に採用活動を行うことが一般的で、ポジションが空いたときに募集するシステムが作られています。
そのため、就活を行う時期やタイミングも、人によってバラバラです。
アメリカでは転職して当たり前の社会であり、いつ優秀な人材が転職市場に出てくるのかわかりません。常に対応できる状態にしておく必要があり、自ずと通年採用になります。
アメリカの就活の特徴3つ

アメリカでの就活の特徴を3つ紹介します。
アメリカの就活は、日本の就活とは状況が大きく違うので、日本人なら戸惑うかもしれませんね。
- 実務経験が非常に重要
- 長期インターンが大切
- ほとんどがオンラインで行われる
①実務経験が非常に重要
日本の新卒採用では、今後の成長を予想して、活躍できる期待も込めて内定を出しています。
それに対してアメリカの企業では、新卒であっても即戦力が求められるでしょう。
すでに実力を十分持っていて、すぐに会社で活躍できる人材を採用する傾向があり、「自社で育てていく」のような考え方はあまりしません。
したがって、今までの経験や現在の能力から判断されます。特に、過去に同じ職種で働いた経験が実際にあれば採用が有利に働くでしょう。
②長期インターンが大切
実力主義ですぐに活躍できる人材を必要とするアメリカでは、実務経験がとても大切ですが、新卒では経験がないのが一般的です。
アメリカではほとんどの学生が長期インターンシップに参加して、実務の経験後に就職活動を開始します。
高校生のときから長期休暇を使って、インターンで経験を積む学生も中にはいますが、勉強の成果も重要になります。「学校で学んだ内容を実践で活かせるか」が鍵になるでしょう。
インターンによって内定が出るパターンも多く、日本と比較して長期インターンの普及率は非常に高い傾向があります。
③ほとんどがオンラインで行われる
未だに日本では紙媒体の履歴書を企業に送付するスタイルが主流ですが、アメリカでは多くの会社がオンライン採用を実施しています。
単にアメリカが進んでいるわけではなく、アメリカは国土が広いため、移動に時間やコストがかかり、わざわざ対面面接をするのは効率が悪いためです。
アメリカ国内でも時差があるので、応募する側と採用する側の両方の負担やリスクを考慮して、全部オンラインで実施しています。
具体的には、webへのアップロードやメールによってエントリーして、面接はSkypeやZoomを用いるケースが多いようです。
アメリカの就活の流れ

アメリカの就活では、一般的にどういった流れになっているのでしょうか?日本と同じ点もありますが、異なる点もあります。
アメリカでの就活の流れに関して、以下の2点を解説します。
- オンラインで応募する
- 必要な書類は全てパソコンで作る
①オンラインで応募する
アメリカでの就活の流れは、企業へのエントリー、履歴書の提出、面接の順であり、プロセスは日本とあまり変わりません。
日本の就活との違いは、多くのプロセスをオンラインで行うことです。電話やビデオチャットを使って、オンライン上で面接をします。
さらに、世界中から優秀な人材を集めたい会社なら、海外に住んでいる人の面接をするケースも少なくないです。
就活を効率的に行えるので、企業と就活生の双方にメリットが多いと言えるでしょう。
②必要な書類は全てパソコンで作る
就活では日本と同じくアメリカでも履歴書が必須ですが、手書きはNGです。パソコンで履歴書を作るので、丁寧に手書きで作成する日本とは大きく違いますね。
インターネット上にあるテンプレートを参考にして、オリジナルの履歴書を作成しますが、日本での書き方とは違うため気をつけましょう。
さらに、日本では学歴や職歴を古いものから新しいものの順に書きますが、アメリカでは逆です。つまり、最も新しいものから古いものの順に書いていきます。
アメリカでは新卒枠がない

アメリカの大学では卒業が近づいても、就職活動を多くの学生が行いません。なぜなら、アメリカの大学生は課題が多いため、勉強が大変だからです。
在学中は学業に専念するので、大学を卒業するときに、何をするか決まっていない人も少なくありません。
基本的には働きたいと思ったタイミングで就活を始めるので、卒業後に就活を開始する人がほとんどです。したがって企業も、「新卒採用枠」を設けて求人をしません。
アメリカと日本では就職に必要とされるものが異なる

今回はアメリカと日本の就活の違いを紹介しました。
国によって就職に対する考え方が違いますが、最近では日本でも雇用の流動性が高まっており、通年採用を行う会社が増加して、環境は変化しています。
今後は日本の就活も、変わっていくのかもしれませんね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。