就活では履歴書・エントリーシートの他にも書類の提出を求められる場合があります。その代表格が成績証明書です。
なぜ就活で成績証明書が必要になってくるのでしょうか。理由を発行方法や提出方法などと合わせてお届けしていきます。
成績証明書とは
そもそも成績証明書とはどのようなものなのでしょうか。もらったことがない方は身近に感じづらいですよね。
成績証明書とは大学の成績を証明する書類のことです。大学で履修した単位や履修年度、評価などが記載されています。
就活において成績証明書の提出が求められるタイミングは、最終面接前のことが多いです。企業からの要求があって初めて提出する形になります。
就活で成績証明書の提出が求められる3つの理由
成績証明書がどのようなものかイメージできたのではないでしょうか。
そこで気になるのが、なぜ就活で成績証明書の提出を求められるのかですよね。3つの理由がありました。
- 卒業できるか確認するため
- 履歴書・エントリーシートに嘘がないか確認するため
- 就活生の人柄を見るため
①卒業できるか確認するため
まず、卒業できるのかを確認するためです。企業は成績証明書の取得単位数を見れば学生が卒業できるのかがわかります。
大学生の場合、大卒区分の新卒採用選考を受けていると思います。多くの企業の新卒採用では入社条件に「大学卒業」があります。そのため、大学を卒業できないとせっかくもらった内定が取り消しになってしまいます。
内定取り消しは学生だけの問題ではありません。企業にとって内定者が減るのは問題になります。企業は1年間の採用目標人数を決めて内定を出しているためです。
取得単位数が極端に少なかった場合、企業は「この学生に内定を出しても卒業できず、内定取り消しになるのではないか」と考えるのです。
②履歴書・エントリーシートに嘘がないか確認するため
続いて、履歴書・エントリーシートに嘘がないかを確認するためです。成績証明書には正確な情報が載っているので、履歴書・エントリーシートと照合できます。
企業によっては提出を求める履歴書・エントリーシートに成績について記入する欄があります。
履歴書・エントリーシートなら本人が自由に記載できます。そのため、虚偽の申告をしている場合があるかもしれません。そこで企業は虚偽の申告がないかを事実のみが載っている成績証明書で確認するのです。
③就活生の人柄を見るため
成績証明書を確認すると就活生の人柄を見ることもできます。
成績評価を見れば、物事に対する取り組み方がわかるはずです。取得単位数が多い学生は試験の準備をしっかりとするタイプだったり、授業に毎回必ず参加するタイプですよね。逆に取得単位数が少ない学生は不真面目な可能性があります。
また、履修科目を見れば、どのようなことに興味を持って学んできたのかを知ることができるのです。
成績は就活にほぼ影響しないため単位を落とした人も大丈夫

成績証明書からは様々なことが確認できるとわかり、単位を落としている方など提出に不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。
しかし、成績証明書は卒業できるかの確認が主な目的です。そのため、単位を落としていても大丈夫だと言えます。
- 成績はほとんど影響しない
- 卒業が危うい場合は影響することもある
成績はほとんど影響しない
成績が良ければ真面目さや勤勉さをアピールでき、選考で好評価を得られるはずです。そのため、成績は良いことに越したことはありません。
しかし、成績証明書で見られているのは卒業単位数に対する取得単位数です。学生が卒業できるかの確認が主な目的なので、成績評価自体はあまり見られていません。
成績の評価基準が大学によって、あるいは教授によって異なってくることも企業は理解しています。良い成績に企業は注目しますが、単位を落としていることに企業が着目することはないのです。
卒業が危うい場合は影響することもある
単位を落としていても大丈夫とは言えど、成績証明書から取得単位数が極端に少ないことがわかる場合は注意が必要です。
新卒採用では卒業前提で内定を出します。取得単位数が少ないと卒業見込みなしと判断され、採用を躊躇される可能性があります。
企業が安心できるように、最低限の単位は取っておきましょう。
成績証明書の入手する3つの方法

それでは成績証明書はどうやって入手するのでしょうか。
大学によって受け取り方は異なりますが、主に3つの方法が考えられます。
- 学校の専用窓口で申請する
- 証明書の自動発行機で発行する
- オンラインで申請する
①学校の専用窓口で申請する
まず、大学の成績証明書専用窓口で申請し、その場で入手する方法です。
窓口に行って成績証明書がほしい旨を伝えると発行してもらえる場合や、発行願書に必要事項を記入し窓口に持って行くと発行してもらえる場合などがあります。
発行時には本人確認のために学生証の提示を求められることが考えられるため、窓口に行く際には学生証を忘れずに持って行きましょう。
②証明書の自動発行機で発行する
続いて、自動発行機で成績証明書を発行する方法です。
自動発行機の利用方法は大学によって異なりますが、事前にオンラインで成績証明書の発行申請をし、発行予約番号を取得しなければ発行できない場合もあるため、注意が必要です。
③オンラインで申請する
オンラインで成績証明書の発行を申請し、自宅に郵送してもらう方法もあります。
他2つの方法と比べると、直接大学に行かなくても入手できるというメリットがありますね。帰省中に成績証明書が必要になった場合には便利な方法なのではないでしょうか。
証明書の申請は早めにしよう
成績証明書の発行には時間がかかる場合もあります。普段は可能なその場での発行ですが、感染症が流行している時や災害発生時などは難しいかもしれません。
イレギュラーが生じることも踏まえて、提出が必要だとわかった段階で、必要な手続きを行いましょう。
成績証明書を提出する3つの方法

成績証明書はどうやって企業に提出するのでしょうか。3つの提出方法が存在します。
- 手渡し
- 郵送
- データで提出
①手渡し
まず、成績証明書を面接の際に手渡しする方法が考えられます。
手渡しの場合は、面接に向かう途中で成績証明書が折れたり、汚れたりするのを防ぐためにクリアファイルや書類ケースに入れて持ち歩きましょう。
面接会場に着き、担当者に提出を求められたら、クリアファイルや書類ケースから出して渡します。その際に担当者が成績証明書を読める向きにして、両手で渡すようにしてください。
発行時から成績証明書が封筒に入っている場合は、開封せずにそのまま渡せば大丈夫です。
②郵送
次に、企業に成績証明書を郵送する場合があります。
郵送の場合も、成績証明書が既に封筒に入っている場合は開封する必要はありませんので、クリアファイルに入れ、添え状を同封してください。
添え状が同封されていると、誰がどこからどのような書類を送ってきたかを企業が瞬時に把握することができます。添え状には投函日・宛先・差出人情報・題名・挨拶・要件・結語・記し書きを記入してください。
成績証明書は基本的にはA4サイズで、角形A4号の封筒に全て入ります。封筒の色は清潔感がある白色を選びましょう。
封筒の表面にはまず宛先(企業の郵便番号・住所・企業名・部署名・いれば担当者名)を書きます。部署名もしくは担当者名の下には「御中」と付けてください。そして宛先の左側に赤字で「成績証明書在中」と書きましょう。
封筒の裏面には自身の郵便番号・住所・氏名・大学名・学部学科名・投函日を書きます。
③データで提出
企業によっては成績証明書をデータで提出する場合もあります。
その場合は成績証明書を発行し、原本をスキャナーでスキャンしてPDFで提出してください。PDFのファイル名を企業から指定されていない場合は、「成績証明書_氏名」のようにわかりやすくしましょう。
成績証明書を提出する際の4つの注意点
成績証明書を提出する際には必ず注意してほしい点が4つあります。
- 厳封したまま提出する
- 折り目をつけずに提出する
- コピーではなく原本を提出する
①厳封したまま提出する
成績証明書は大学によっては赤字で「開封厳禁」「開封無効」と書かれた封筒に入っている場合があります。これは厳封と言って、重要書類の書き換え防止が目的です。
このように封留めされている場合は開封せずに提出してください。
②折り目をつけずに提出する
成績証明書は発行時から封筒に入っている場合を除き、折り目をつけずに提出してください。
不要な折り目はない方が印象が良いです。そのため、カバンやクリアファイルに入らないからといって半分に折ろうとしてはいけません。
③コピーではなく原本を提出する
成績証明書は原本を提出してください。コピーが提出されている場合、企業が原本を修正してコピーを取ったのではないかと疑ってもおかしくはありません。
また、就活という大事な場面で原本ではなくコピーを提出すると、企業に誠実さに欠けるという印象を与える可能性もあります。
大学によっては、成績証明書の発行に手数料がかかるため、企業ごとに用意していると手数料の負担が大きいと感じるでしょう。
しかし、成績証明書の提出を求められた企業数分発行をし、コピーの提出はしないでください。
成績証明書の提出が間に合わない場合の対応

大学によっては成績証明書の発行に時間がかかります。そのため、成績証明書の提出が期限に間に合わないという事態が発生するかもしれません。
その場合はどのような対応をすれば良いのでしょうか。2つの方法をお伝えします。
- 電話で担当者にその旨を伝える
- 事前対策として予備を発行しておく
電話で担当者にその旨を伝える
成績証明書の提出が期限に間に合わないことが発覚したら、すぐに電話で採用担当者に相談してください。提出期限を発行日に合わせて延ばしてもらえます。
メールでの報告でも大丈夫ですが、気付かれない場合もあります。電話で連絡した方が確実です。
事前対策として予備を発行しておく
成績証明書の提出が期限に間に合わないという事態を完全に防ぎたい場合は、事前に発行しておくことをおすすめします。手元に成績証明書がある状態なら、いつ企業から提出を求められても大丈夫です。
ただし、成績証明書の年度には注意が必要です。企業は取得単位数を見て学生の卒業見込みを確認します。そのため、最新年度のものである必要があります。
成績証明書のストックを提出する場合は、必ず最新年度であるかを確認してから提出しましょう。
成績証明書は就活で必須!早めに入手しておこう
成績証明書は就活において必須な証明書の1つであることがわかったのではないでしょうか。
企業から成績証明書の提出を求められた際には、この記事でお届けした取得に関する注意事項や発行方法などを今一度確認し、間違いのないように提出しましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。