歯科技工士は、歯科医師の指示にしたがって義歯(入れ歯)や被せ物などを製作する仕事です。ですが、歯科技工士の詳しい仕事内容や平均年収についてはあまり知られていません。
そこで本記事では、歯科技工士の仕事内容や平均年収・将来性などを解説します。歯科技工士に関心がある方はぜひ参考にしてください。
歯科技工士の平均年収と年齢別の年収

歯科技工士の給与面で恵まれた仕事なのでしょうか。はじめに、歯科技工士の平均年収と年齢別の年収を紹介します。
- 歯科技工士の平均年収は429万円
- 歯科技工士の年齢別の年収
①歯科技工士の平均年収は429万円
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))によると、歯科技工士の平均年収は429万円です。
主な就業先は歯科医院、病院、歯科技工所などで、作業は個室で座ったまま行います。粉塵や騒音が発生するため、マスクを着用するなどの防護も必要です。
引用元:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均給与は458万円です。歯科技工士の平均収入は、給与所得者の平均給与をわずかに下回っています。
②歯科技工士の年齢別の年収
歯科技工士の年齢別の年収は以下のとおりです。
年齢 | 平均年収 |
20〜24歳 | 297万円 |
25歳〜29歳 | 331万円 |
30歳〜34歳 | 378万円 |
40歳〜44歳 | 401万円 |
50歳〜54歳 | 480万円 |
60歳〜64歳 | 566万円 |
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、歯科技工士の平均年収は多くの年齢層において給与所得者の平均給与を下回っています。
給与所得者の平均年収は60歳以降に大幅に減りますが、歯科技工士は60歳以降に年収がピークに達するのが特徴です。
歯科技工士に関する基本情報

「歯科技工士の具体的な仕事内容を知りたい」「資格は必要?」などの疑問を抱えている方もいるでしょう。歯科技工士に関する基本情報を以下の2つの面から解説します。
- 歯科技工士の仕事内容
- 歯科技工士になるには
①歯科技工士の仕事内容
歯科技工士の仕事内容は、歯科医師の指示にしたがって義歯(入れ歯)や被せ物などを製作します。
乳歯の場合を除いて歯は二度と生え変わることがないため、事故や歯科疾患によって歯を失った場合は義歯や被せ物でカバーします。
歯科技工士が作る技工物は、総義歯、局部義歯、クラウン、ブリッジ、インプラント、矯正装置などです。
歯科技工士には細かい作業が求められますが、最近は一部業務にCAD・CAMや3Dプリンターなども導入されています。
②歯科技工士になるには
歯科技工士になるためには、歯科技工士国家試験に合格して資格を取得する必要があります。
高校卒業後に専門学校や大学などの歯科技工士教育機関に入学し、2年以上学んで必要な知識を習得することで国家試験の受験が可能です。
歯科技工士国家試験に合格し、一般財団法人歯科医療振興財団に申請することで歯科技工士免許が交付されます。その後、歯科医院や歯科技工所に就職します。
歯科技工士の将来性は?

結論からいうと、歯科技工士の将来性は明るいといわれています。
歯科業界でも機械化が進んでおり、すでに設計・加工の一部でCAD・CAMや3Dプリンターなどが導入されています。今後はますます業務の簡略化が可能となるでしょう。
ただし、機械にできない複雑な作業を補うために人間の力が求められます。今後さらに機械化が進んでも、歯科技工士の仕事がなくなる可能性は低いです。
また、歯科技工士のなり手は年々減っており、将来的に歯科技工士は人手不足が予想されます。若い世代の歯科技工士はとくに重宝され、就職先に困る可能性は低いでしょう。
歯科技工士に向いている人の特徴3つ

歯科技工士に向いている方の特徴は以下の3つです。
- 手先が器用な人
- 根気強さや忍耐力がある人
- 向上心がある人
①手先が器用な人
手先が器用な方や細かい作業が好きな方は、歯科技工士の適性があります。歯科技工士が作る技工物は、いずれも口腔内に入る細かいパーツだからです。
製作工程の多くは手作業なので、歯科技工士には細かい指先の作業が求められます。技工物にはミリ単位での精密さが必要なため、手先が不器用な方には難しいかもしれません。
また、単に手先が器用なだけではなく、細かい作業を苦痛に感じないことも重要な要素です。
②根気強さや忍耐力がある人
根気強さや忍耐力がある方は、歯科技工士の適性があります。精巧で複雑な技工物を作るためには、集中力はもちろん、根気強さや忍耐力も求められるためです。
どんなに手先が器用な方でも、細かい作業を長時間続けていると心身ともに疲弊します。仕事として毎日続けていくためには、想像以上の根気強さや忍耐力が必要です。
➂向上心がある人
向上心のある方は歯科技工士に向いています。歯科技工士の資格を取った後も、常に技術を磨き続ける必要があるためです。
歯科技工士として一人前になるには、数年の実務経験が必要といわれています。資格を取ったら終わりではなく、日々上を目指していく姿勢が必要です。
資格取得後は歯科医院や歯科技工所などに就職し、実務経験を積むのが一般的です。実務経験を積んだ後は、独立して歯科技工所を開く方も少なくありません。
歯科技工士の仕事は年収以上にやりがいがある

歯科技工士の平均年収は429万円で、多くの年齢層において給与所得者の平均給与を下回っています。ただし、独立して歯科技工所を開く方も多く、60歳以降は平均年収が高くなるのが特徴です。
本記事を参考に、歯科技工士の仕事について理解を深めていきましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。