新卒採用で取り入れられるイメージが強いSPIですが、実は中途採用にも使われています。そのため、中途採用に申し込む際にも入念に対策しておくことが重要です。
しかし「中途採用のSPIではどのような問題が出されるの?どうやって対策すればいいんだろう?」と悩みますよね。
そこで本記事では、中途採用のSPIの対策方法や出題内容をわかりやすく解説します。主な受験方法も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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中途採用時に使用する「SPI-G」の概要

まず前提として、中途採用のSPI試験では「SPI-G」が用いられます。
同じSPI試験でも新卒向けは「SPI-U」が用いられており、2つの種類や試験内容の特徴は以下の通りです。
SPI試験の種類 | 対象者 | 試験内容の特徴 |
SPI-G | 中途採用者 | ・言語分野(国語) ・非言語分野(数学) ・英語 ・構造的把握 ・地図および方角 ・性格検査 |
SPI-U | 新卒者 | ・言語分野(国語) ・非言語分野(数学) ・英語 ・構造的把握 ・性格検査 |
SPI-Gでは社会人として必要な能力検査と性格検査の2つの試験が出題され、企業によっては「地図と方角」の問題が出題される場合もあります。
また、どちらの試験も出題される問題数・制限時間・受験方法は変わりません。
ただし、SPI-GはSPI-Uと比較してやや難易度が高いため、しっかりとした準備が必須です。
企業が中途採用でSPI-Gを導入する4つの目的

次に、企業が中途採用でSPI-Gを導入する目的について4つ解説します。
- 選考を効率よく進めるため
- 応募者の性格特性を把握してミスマッチを防ぐため
- 入社後のフォローアップに活用するため
- 応募者を深く理解するため
SPI-Gの目的は、履歴書や職務経歴書などの書類情報以外から応募者のことを把握することです。
SPI-Gの検査を通して、応募者がどんな組織に合うか適性判断を行う資料として活用されています。
また、人事担当者が入社後の配属先を考える際の参考や、上司が部下のことを知るために活用するためともいわれているようです。
①選考を効率よく進めるため
1つ目の目的は、企業が応募者との直接面接するまでの選考を効率よく進めるためです。
転職者が多く集まる大企業ともなると、一定のボーダーラインをクリアした人を、次の面接まで選考通過するよう設定し、できる限り選考プロセスを省略したいと考えています。
人事採用担当者の立場で考えると、SPI-G試験で得点化された採用基準は、足切りの方法として採択している可能性があるといえるでしょう。
しかし、企業によっても考え方は異なるので、一概にSPI-Gの結果が全ての中途採用の内定の合否に関係するものではないので安心してください。
②応募者の性格特性を把握してミスマッチを防ぐため
2つ目の目的は、応募者の性格特性を把握して社会人として即戦力となる人材か確認し、入社後に周りとのコミュニケーションに難がないかなど、ミスマッチを防ぐためになります。
中途採用者に求められるのは、自社の即戦力として資格や高い基礎能力を発揮することはもちろんですが、周りとの協調性やコミュニケーションを活かした働き方にも着目していることでしょう。
応募者の性格や自社への適応しやすいかなどグラフ化された分析結果が送られるため、既に在職している人との相性を確認するために役立てることができます。
SPI-G試験の性格検査のコツは、質問数も多いのでスピーディーに直観で答えることです。
面接でもSPI-G試験の性格検査の結果と一貫した考えを述べる必要があるため、選択肢の中から率直な考え方を選んで答えるようにしましょう。
③入社後のフォローアップに活用するため
SPI-Gの試験結果は、人事採用者だけでなく、配属部署の上司や同僚にも情報共有し、入社後のフォローアップに活用されます。
あらかじめ応募者の基礎能力や性格特性の理解をし、可能な限り最短で同じスピード感で仕事を任せられるようにするためです。
そのためにも、新しく入社する応募者に対し、先にどのようなフォローアップをしながら進めていくべきか計画を立て、仕事を割り振るために情報共有されていることでしょう。
④応募者を深く理解するため
SPI-G試験の性格検査の結果は、仕事や業務内容の適性として活用するだけでなく、応募者自身の人となりを理解するための一助にもなっています。
職場の人間関係や、雰囲気とマッチするかどうか、応募者の様子を事前に知っておくと円滑なコミュニケーションを図ることに役立つからです。
実際に働く前に、周りの人の理解を得られている職場であれば、自分自身も転職する際の人間関係の不安も少なくてすみますね。
中途採用のSPIの受験方法4つ

中途採用のSPIの受験方法は、主に下記の4つです。
- テストセンター
- WEBテスティング
- インハウスCBT
- ペーパーテスティング
①テストセンター
テストセンターとは、SPIの開発元であるリクルートが用意した会場に設置されたパソコンで受験する方法です。
テストセンターは、全国主要7都市(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡)に常設の会場があり、新卒採用がピークを迎える時期には、全国47都道府県に臨時会場が設置されます。
受験期限は企業ごとに設定されており、その期限内で自分の都合の良い日時を選んで受験します。予約や変更は受験開始の1時間前までであれば可能です。
②WEBテスティング
WEBテスティングは、自宅や学校などのインターネット環境がある場所で、パソコンを使って受験する方法です。企業が指定する期間内であれば、自分の都合の良い日時や場所で受験できます。
また、テストセンターがテスト会社の用意した会場に出向いて受ける従来の方法とは異なり、自分の都合のよい場所で受験できることも大きなメリットです。
WEBテスティングには、入力式の問題が多い、回答の制限時間が短い、電卓が使用できるなどの特徴があります。また、受験者のレベルや解答状況によって難易度が変化することも大きな特徴です。
➂インハウスCBT
インハウスCBTとは、応募先の企業が用意したパソコンで受験する方式です。出題傾向は、WEBテスティングとほぼ同じです。
インハウスCBTは、Webテスティングに比べて不正をしにくいという企業にとってのメリットがあります。また、SPI実施・結果の確認・面接を1日で完了できることも特徴です。
ただ、インハウスCBTは会場やPCの手配に労力がかかるため、この形式を導入する企業はそれほど多くありません。
④ペーパーテスティング
ペーパーテスティングは、応募先の企業が用意した会場に赴き、マークシート方式で受験するSPIの受験形式です。他の受験方式の倍ほどの受験時間が設けられているため、高い集中力が必要になります。
他の受験方法と大きく異なる点は、試験開始時に問題文の冊子が配布されることです。問題数や出題内容を把握することで、時間をかけるべき問題が明確になり、効率よく時間を配分できます。
テストセンター形式に比べると採用企業は多くありません。ただ、説明会と同時にSPIを実施したい企業や、替え玉受験などの不正を徹底的に防ぎたい企業では使われることがあります。
中途採用のSPIの出題内容5つ

続いて、中途採用のSPIの出題内容を5つ紹介します。
【能力検査①】言語
【能力検査②】非言語
【能力検査➂】英語
【能力検査①】言語
言語分野では、国語のスキルや理解力が重視されます。具体的には、文章を理解し、論理的に考える能力が必要です。出題内容は下記のとおりです。
・二語の関係 ・語句の意味 ・複数の意味 ・文の並び替え ・空欄補充 ・長文読解 |
言語分野は既存の知識だけで解ける問題が多いものの、非常に幅広い分野から問題が出題されるほか、時間の制約も厳しいため、問題に慣れておくことが必須と言えます。
【能力検査②】非言語
非言語分野では、数学の力を試す問題が出題されます。出題内容は下記のとおりです。
・鶴亀算 ・年齢算 ・割合と比 ・速度算 ・損益算 ・仕事算 ・料金割引 ・代金精算 ・集合・ベン図 ・図表の読み取り ・推論 ・場合の数・確率 ・物の流れ ・グラフの領域 ・条件と領域 |
出題される問題は中学〜高校レベルで、文系・理系問わず学習している「高校数学I・Aまで」の学習範囲の中から選出されます。応用力を必要とするような複雑な数学問題は出題されません。
【能力検査➂】英語
英語は、テストセンターとペーパーテスティングでのみ出題されます。出題内容は中学から大学受験レベルの範囲です。出題内容は下記のとおりです。
・同意語 ・反意語 ・英英辞典 ・空欄補充 ・整序問題 ・誤文訂正 ・英訳 ・長文読解 |
出題内容の傾向を掴むことができれば、英語力に自信がなくても問題なく点数を取れます。
【能力検査④】構造的把握力
構造的把握力検査は、複雑な文章をその性質ごとに分類するテストです。情報を俯瞰的に捉え、自分なりに分類・整理して解答を導き出していく力が求められます。
問題解決力や論理的思考力が重要となる企業で実施されやすく、総合商社、コンサルティングファーム、広告業界、不動産業界の企業でよく実施されています。
他の分野と比べて難易度がやや高く、問題数に対して制限時間も短いため、苦戦する人が多いと言われています。また、何が出題されるのかわかりにくいため、対策も困難です。
⑤性格検査
性格検査は、企業が採用するにあたって受験者の性格や人となりを見る試験です。どんな仕事・社風に合っているかの判断基準になるため、多くの企業が採用しています。
性格検査は、能力検査の後に30分ほどかけて行われます。問題数は300問ほどあり、それらの回答から受験者の傾向を見ているのです。
問題数に対して制限時間が短いため、時間配分に注意しなければなりません。また、一問ごとの回答時間も短いため、直感で解答することが求められます。
中途採用のSPIの対策方法3つ

ここからは、中途採用のSPI攻略に向けたおすすめの対策方法を3つ紹介します。
- 時間を図って練習問題に取り組む
- アプリを使って隙間時間に練習問題に取り組む
- 性格検査はありのまま答える
SPI試験の難しさは、短時間で多量の問題数をこなさなければならない点といえるでしょう。
また試験の正答率が上がるに連れ、問題のレベルが上がるので、ますます1問にかける時間が短く感じるようになるはずです。
効率よく試験対策をする心得も紹介しているので、参考にしてください。
①時間を図って練習問題に取り組む
SPIの試験対策では、時間を図って練習問題に取り組むことが重要です。なぜなら、SPIはどの分野も時間制限がシビアであり、対策しなければ解ききれない可能性が高いからです。
時間配分の目安は、1問当たり約1分です。これを頭に入れた上で、難しい問題は後回しにするなど、時間内に解き切る訓練をしましょう。
スマホのアラーム機能を使って、1分以内に解く、30秒単位で複数の問題を解くといった練習がおすすめです。これを繰り返していくことで、短時間で解答できるようになるでしょう。
②アプリを使って隙間時間に練習問題に取り組む
SPI試験対策として、アプリの活用もおすすめです。
普段からよく使用するスマートフォンなどのデバイスにSPI試験のアプリをダウンロードしておけば、隙間時間に練習問題に取り組むことができます。
自動採点機能や学習内容を記録して、苦手科目の反復練習ができるアプリもあるので、自分に合ったものを利用しましょう。
転職活動は、現在の仕事と同時並行で、忙しい合間を縫っているため、少しでも効率よく試験対策をするよう心がけて時間を有効活用してくださいね。
③性格検査はありのまま答える
性格検査は、ありのまま正直に回答しましょう。なぜなら、企業が求める人物像に合わせて回答すると、本来の自分の性格や特徴と異なる回答をしてしまう可能性があるからです。
性格検査は、入社後も長期的に活躍できるよう、自分に適した職務・組織で働けるかどうかを見るためのものです。仮に希望する企業に入社できても、入社後に苦労する可能性もあります。
また、性格検査での回答は、面接時の回答と一貫していることも重要です。面接と同じ心構えで受けるようにし、面接官からの質問に答える意識で回答するとよいでしょう。
中途採用でSPIを受ける際の注意点3つ

ここからは、中途採用でSPIを受ける際の注意点3つ説明します。
- SPI対策に取り掛かる時期を決めておく
- 企業先のSPIの受験方法や出題傾向を把握しておく
- 面接対策も忘れないようにする
中途採用者の転職活動の主な理由は、年収やポジションのステップアップが目的といえるでしょう。日頃は仕事をしているので、まとめて休日に試験対策をすればいいと考えているかもしれません。
しかし、どんな理由であれ普段からコツコツと時間を決めて試験対策勉強をすることが大切です。自分のライフワークの中に、うまくスケジュールを組み込み試験対策を行うようにしましょう。
①SPI対策に取り掛かる時期を決めておく
SPI試験の勉強は、少なくとも3ヵ月前には始めるようにしましょう。
新卒の際に受験経験があったとしても、企業が指定する科目は当日までどの科目があるのか分かりません。
また、SPI試験の本番形式に慣れておく意味でも、普段からの練習は大事です。
したがって、どんなに忙しいといえども、まとめて学習するのではなく試験内容の問題傾向を思い出したり、操作感覚に慣れたりする意味でも日頃から取り組んでいきましょう。
②企業先のSPIの受験方法や出題傾向を把握しておく
企業が指定するSPI試験の受検方法や、これまでのSPI試験に関する情報から、およその出題科目を掴んでおくと安心です。
たとえばグローバル化を重視する企業では「英語科目」が、大手ゼネコンでは「非言語(推論)」「構造的把握力」を重視する傾向があるといわれています。
このような企業に転職を考えているのであれば、より重点的に科目を絞って効率よく試験対策を行い、自分の苦手科目をなくしていきましょう。
③面接対策も忘れないようにする
転職活動で1番大切なのは、面接対策です。
また、中途採用者は履歴書や職務経歴書も重要視されているので、しっかりとアピールポイントを考えておかないといけません。
特に、実績や成果などは具体的な数をアピールしていくと良いでしょう。
念入りな書類作成の準備も合わせて、SPI試験対策の勉強も行うようにしてください。
中途採用のSPI試験によくある質問

ここでは、中途採用で転職者がSPI試験を受験する際によくある質問を3つ解説します。
- SPI対策にどのくらい時間をかけるべきですか?
- SPI試験のボーダーラインはどのくらいですか?
- 中途採用や転職活動のSPI試験で落ちることはありますか?
①SPI対策にどのくらい時間をかけるべきですか?
SPI試験対策にかける時間は、約30時間~60時間といわれています。
この目安時間は、新卒採用の就活生も同様で、シビアに得点化されるため問題慣れをするまで数をこなす必要があるからだと考えているからです。
そのため、問題集やアプリ、さらにWebで無料で受験できる模擬試験もあるので、できる限り全て試しておくと気持ちに余裕ができるでしょう。
②SPI試験のボーダーラインはどのくらいですか?
SPI試験のボーダーラインは企業によって異なりますが、外資企業や大手企業などの能力検査は7割~8割といわれています。
企業の中には、正答率が3割〜4割を超えていればOKという企業もありますが、少なくとも半分の5割は目指すようにしましょう。
中途採用者の転職活動では、新卒採用の就活生と同じく、あくまでも面接通過の参考情報としての意味や足切りとして活用されています。
とは言え、業界や職種によって参考の度合いが異なるので、高得点を獲得するためにも徹底的に試験対策を行い、制限時間までに全問解答できるように練習してください。
③中途採用や転職活動のSPI試験で落ちることはありますか?
SPI試験の結果が直ちに内定の合否に関係することはありませんが、能力検査の結果を元に、企業とマッチするかの判断材料として活用されることはあるかもしれません。
そこで重要となるのが、企業がどのような人材を求めているかをよく考えることです。
企業が求める人材、すなわち最低限の能力はないと面接通過は難しいといえるでしょう。
中途採用や転職活動は、これまでの実績や取得した資格もアピールポイントとして加味されますが、基礎能力の高さも非常に重要となるので、高得点を目指すように対策してください。
中途採用のSPIの受験方法・出題内容を理解しよう
本記事では、中途採用のSPIの対策方法や出題内容を解説しました。紹介したとおり、中途採用では「SPI-G」が用いられます。新卒向けの「SPI-U」とは内容が異なり、難易度は高い傾向にあります。
対策方法としては、問題集や参考書を活用しながら、問題傾向に慣れることが重要です。その際、時間を測ることで本番に近い環境で対策できるためおすすめです。
ぜひこの記事を参考に、中途採用におけるSPIの受験方法・出題内容を理解し、対策に役立ててみてくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。