応募企業から内定が出た際に、自宅に内定通知書が送付されるケースがあります。しかし、「具体的に何が書いてあるの?」「他の書類との違いは?」などと疑問感じている方もいるでしょう。
そこで本記事では、内定通知書の内容について徹底解説します。その他の書類との違いについても解説するため、ぜひ参考にしてください。
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内定通知書とは何かを解説

応募企業から送られてくる内定通知書とは、一体どのような書類なのでしょうか。以下の3つの面から解説します。
- 内定通知書とは
- 採用通知書との違い
- 労働条件通知書との違い
①内定通知書とは
内定通知書とは、応募企業から就活生に送付される内定を通知する書類です。つまり、就活生に対して「貴方を正式に弊社に採用します」という意思表示をする書類となります。
就活における内定とは、「解約権留保付労働契約」の状態を指します。解約権留保付労働契約とは、企業側が解雇の権利を留保した労働契約です。
内定者が内定承諾書に署名・捺印をして送り返すことで、労働契約が成立します。内定承諾書は、内定通知書と同時に送付されるのが一般的です。
②採用通知書との違い
採用通知書とは、企業が就活生に対して採用意思を通知する書類です。まとめると以下のようになります。
- 内定通知書:「内定」を知らせる書類
- 採用通知書:「採用の意思」を知らせる書類
採用通知書に決まった形式はなく、取り扱いも企業によって異なります。企業側が内定者から内定承諾書を受け取り、正式に雇用関係が結ばれたことの証として送付するケースもあります。
ただし、2つの書類を同じ意味で使っている企業もあるため注意しましょう。
③労働条件通知書との違い
労働条件通知書とは、採用後の労働条件をくわしく記した書類です。労働条件通知書は、労働基準法で必ず提示する必要があるとされています。
労働条件通知書には、以下の3点を記すことが義務づけられています。
- 労働契約期間
- 始業・終業時刻
- 賃金の計算方法および支払い方法
労働条件通知書は、内定通知書や採用通知書と一緒に送付されるケースが大半です。
内定通知書の内容を解説

企業によって内定通知書の内容は異なりますが、大体のテンプレートは決まっています。一般的には以下の10項目が記載されているケースが多いです。
- 日付
- 企業名と代表者の氏名
- 応募に対してのお礼文
- 採用内定の通知
- 入社日
- 労働条件
- 同封する書類の案内
- 入社までに提出が必要な書類の内容
- 書類の返送期限
- 人事担当者の氏名・連絡先
それぞれの項目についてくわしく見ていきましょう。
①日付
まずは日付です。書類の右上には「内定が確定した日付」か「内定通知書を作成した日付」が記されています。
右上に記載されている日付は、それほど重要なものではありません。どちらが書かれていても間違いではないため、深く考えすぎなくてもOKです。
②企業名と代表者の氏名
日付の下には、企業名と代表者の役職・氏名(フルネーム)を記すのが一般的です。「株式会社〇〇 代表取締役〇〇〇〇」のように書かれています。
企業名と代表者の役職・氏名を記す理由は、送付した書類が企業の代表者からの通知であることを示すためです。
ここに記されている代表者は、必ずしも代表取締役であるとは限りません。中には人事部長などの名前が書かれているケースもあります。
③応募に対してのお礼文
本文では簡単な挨拶の後に、応募に対してのお例文が記載されるのが一般的です。自社に応募してくれたことに対する感謝の気持ちが込められています。
企業によっても異なりますが、「この度は、当社の社員採用試験にご応募賜り誠にありがとうございました」というように書かれているケースが多いでしょう。
④採用内定の通知
お例文の後には、採用内定の通知について記載されています。内定通知書のメインの内容となります。
「慎重な選考の結果、○○様の採用を内定いたしましたので、ここに通知申し上げます」というようなシンプルな文面を用いるケースが大半です。
⑤入社日
挨拶・お例文・採用内定の通知以外の内容は、「記書き」としてまとめられているケースが多いでしょう。「記書き」に書かれることが多い項目の1つ目は、入社日です。
「令和◯年◯月◯日」というように、具体的な入社日が記されています。また、入社日とともに具体的な勤務地も記載されてるのが一般的です。
入社日を間違えないように、スケジュール帳やスマートフォンに記録しておくとよいでしょう。
⑥労働条件
労働条件に関する書類である労働条件通知書は、別紙に記載されているケースが一般的です。
よって、内定通知書には記書きとして「雇用条件 別紙記載」というように書かれているケースが多いでしょう。労働条件通知書も必ず確認してください。
先ほども解説したように、労働条件通知書には「労働契約期間」「始業・終業時刻」「賃金の計算方法および支払い方法」の3点を記すことが義務づけられています。
⑦同封する書類の案内
同封する書類一覧は、箇条書きで記載されてるケースが大半です。具体的には、以下のような書類が同封されています。
- 内定承諾書
- 労働条件通知書
- 返信用封筒
内定承諾書は、内定者が署名・捺印をして送り返すことで労働契約が成立する重要な書類です。労働条件通知書は、解説したように労働条件について書かれた書類となります。
いずれも「内定承諾書 1通」のように、書類の正式名称と部数が記されています。すぐに同封書類を確認し、間違いがないかを確認してください。
もし一覧にある書類が入っていなかった場合は、最後に記載されている問い合わせ先に連絡してください。
⑧入社までに提出が必要な書類の内容
記書きには、入社までに提出が必要な書類の内容についても記載されています。入社までに必ず提出しなくてはいけない書類は「内定承諾書」です。
内定承諾書は必要事項を記入し押印したうえで、同封の返信用封筒にて返送する必要があります。
企業によっては、内定承諾書以外にも提出が必要な書類があるかもしれません。よって、提出が必要な書類については必ず確認しましょう。
⑨書類の返送期限
内定通知書には「返送期限 令和○年○月○日」のように、書類の返送期限が書いてあるケースがあります。返送期限については、1〜2週間以内に設定している企業が多いようです。
返送期限が設定されている場合は、必ずその期日までに余裕を持って返送しましょう。郵送トラブルが起こる可能性もあるため、ギリギリに返送するのはNGです。
期限が決められていない場合は、到着から1週間以内には返送するようにしてください。
⑩人事担当者の氏名・連絡先
書類の最後には、人事担当者の氏名・連絡先が書かれています。連絡先には、電話番号とメールアドレスが記載されているのが一般的です。
何か不明な点がある場合は、人事担当者の電話番号もしくはメールアドレスに問い合わせましょう。
内定通知書の内容に関してはもちろん、入社にあたって疑問点がある場合もこちらの連絡先に問い合わせてください。
内定通知書の法的効力を解説

企業側に内定通知書の発行義務はなく、法的効力もありません。しかし、内定という行為は「労働契約の成立」を意味し、成立した労働契約には法的効力が発生します。
「内定」の法的効力を以下の2つの面から解説します。
- 発行後の内定取り消しは不可能
- 承諾後の内定辞退は可能
①発行後の内定取り消しは不可能
内定通知書の発行後、企業側の勝手な理由で内定を取り消すことは不可能です。先ほども解説したように、企業側は必ずしも内定通知を発行する必要はありません。
ですが、発行した時点で「貴方を正式に弊社に採用します」という意思表示をしたことになります。つまり、労働契約が成立した証拠となるのです。
解約権留保付労働契約の状態とはいえ、内定を取り消すことは解雇にあたるとされています。よって、企業側は発行後に気軽に内定取り消しをすることはできません。
②承諾後の内定辞退は可能
内定者側が承諾後に内定辞退することは可能です。民法第627条では、期間の定めのない雇用の解約の申し入れについて、いつでも解約の申入れが可能としています。
「雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」とあるため、入社の2週間前までであればいつでも内定辞退可能ということになります。承諾後(内定承諾書を提出した後)であっても同様です。
内定通知書に関するよくある質問

最後に、内定通知書に関するよくある質問について解説します。ぜひ参考にしてください。
- 内定通知書がメールで発行されることはある?
- 内々定の場合も内定通知書は発行される?
①内定通知書がメールで発行されることはある?
内定通知書がメールで発行されるケースもあります。
その場合は、企業側から事前にメールで送信される旨を伝えられる場合が多いでしょう。重要な書類を事前予告なしでメール送信すると、見逃しが発生するためです。
メールで発行する旨を伝えられた場合は、見逃さないようにこまめにメールチェックをすることをおすすめします。
企業側でも、見逃しを防ぐために対策を取っているケースが見られます。例えば、メール送付後に電話連絡をする、メールソフトの開封確認機能を利用するなどです。
②内々定の場合も内定通知書は発行される?
内々定の場合は、内定通知書は発行されないケースが多いです。内定と内々定の大きな違いは、労働契約が成立しているか否かになります。
内々定は、内定とは異なりまだ労働契約は成立していません。内々定はあくまでも企業からの「口約束」のようなものと考えましょう。
内々定で書面を交わすケースは少なく、口頭もしくはメールなどで伝えるのが一般的です。よって、多くの場合で内定通知書は発行されません。
内定通知書の内容について理解を深めよう

内定通知書は、応募企業から就活生に送付される内定を通知する書類です。書類そのものに法的効力はありませんが、内定という行為自体には法的効力があります。
採用通知書や労働条件通知書と混同されがちですが、違いや内容についてしっかりと理解を深めましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。