面接ではどのようなタイミングで挨拶すればいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。挨拶は社会人としてのマナーであり、面接での第一印象を決める重要な部分です。
そこで今回は、面接での挨拶の仕方を解説します。状況ごとで異なるマナーも紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
面接は挨拶で大きく印象が決まる!
面接において、挨拶は第一印象を決める大事な役割です。就活生として節度のある挨拶をすると、面接全体の印象が良くなります。
まずは、挨拶が重要な理由を2つのポイントで見ていきましょう。
面接に挨拶が必要な理由
挨拶は、面接での第一印象を決める重要な部分です。
初対面の状態では出会って3秒で第一印象が決まる「初頭効果」と呼ばれる心理が働くからです。初頭効果の影響で、人は最初に感じた印象が強く残り続けます。
出会ってすぐ印象の良い挨拶ができると、その後の面接も好意的な雰囲気で進みます。
印象の良い挨拶をするためには、以下の項目に注意を払いましょう。
- 相手に伝わる声量
- 笑顔
- 目線
- 状況に合わせたお辞儀
- 聞き取れるスピード
挨拶せずに面接を受けるとどうなる?
挨拶せずに面接を受けてしまうと、面接官からの印象が悪くなる可能性があります。挨拶は社会人として当然のマナーだと考える方が多いからです。
挨拶しなかったり、適当に済ませたりすると「常識がない人だ」と悪い印象になり、面接結果に響いてしまいます。
仮に採用されたとしても、「挨拶を適当に済ませた新卒」と不名誉なレッテルを貼られる可能性もあるため、挨拶は丁寧に実施しましょう。
面接入室時の挨拶マナー5ステップ
面接では入室前の挨拶から気を配りましょう。
ここでは、入室時の挨拶マナーを5ステップで解説します。一つずつ確認していきましょう。
①ドアのノックを3回する
面接の順番が来て、呼ばれたら面接の部屋に入る際は扉を3回ノックしましょう。
ノックは部屋の中に人がいるか確認したり、入室の確認をとったりするために必要な動作です。もし、扉が開いている場合でも入室確認のためノックは必ず実施しましょう。
また、ノックの回数によって意味が変わります。
世界標準の公式マナーである「プロトコール・マナー」では、ノックが2回の場合はお手洗いに使用すると決められているため、面接で使うと失礼にあたるとされています。
面接でのノックは強すぎても弱すぎても印象が良くないため、スムーズに実施できるよう事前に練習しておきましょう。
②合図の後に部屋に入り、扉を閉める
ノックをすると面接官から「どうぞ」などと合図をもらえるので、扉の前で「失礼いたします」と挨拶して、入室しましょう。
入室後は、扉の方を向いてゆっくり閉めます。この時に面接官の方を向きながら背中に手を回して、扉を閉めるのは失礼にあたるため、扉の方を向いてから閉めましょう。
③担当面接官に対して、お辞儀をする
扉を閉めたら面接官の方を向き直し、お辞儀をします。ここで再度「よろしくお願いします」と扉の前で挨拶しても問題ないです。
お辞儀する時は姿勢を正して30度ほどの角度を意識しましょう。
猫背や手を前後に組むなど姿勢が悪いと、「態度が悪い就活生」と思われてしまうため、細部まで注意を払いましょう。
④椅子の横に立ち、挨拶する
挨拶を済ませたら、用意されている椅子まで向かい隣に立ちます。この時点ではまだ座らないので注意してください。
もし、会議室などで場所を指定されなかった場合は、部屋の下座を選びましょう。下座とは、部屋の出入口に最も近い場所の席を指します。
椅子の横に立ったら、面接官に聞こえる声で「〇〇大学〇〇学部の〇〇です。本日はお時間をいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。」と挨拶します。言い終わった後にもう一度お辞儀します。お辞儀の目安は45度です。
⑤面接官の合図で着席する
挨拶の後に、面接官から「どうぞ」と合図がきたら「失礼します」の一言と一礼してから着席します。
バッグなどを持っている場合は指定の場所に置くか、椅子の付近に置きます。座る際は以下の項目に注意しましょう。
- 深く腰をかけすぎない
- 姿勢を正す
- 背もたれに体重を預けない
とくに姿勢の悪さは目立つため、面接終了まで気を抜かないよう注意しましょう。
面接受付時の挨拶のマナー【例文付きで紹介】
面接会場に遅刻は厳禁です。5〜10分前には受付を済ませているのがベストです。面接受付の際の挨拶にはさまざまなマナーがあります。
ここでは合わせて例文もご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
①インターホンの場合
面接の受付では、人がいない場合も多くあります。人がいない受付では、会社の入り口などにあるインターホンを利用して担当者を呼び出します。案内されている該当の番号に内線をかけましょう。
インターホンでは、以下5つの内容を受付に伝えます。
- 挨拶
- 自分の名前
- 約束している時間
- 今日の目的
- 担当者の名前
用件が済んだあとは、担当者が切るまでこちら側のインターホンを切らないよう注意してください。
【例文】おはようございます(挨拶)〇〇時から、〇〇様(担当者の名前)と面接の約束している〇〇(自分の名前)と申します。〇〇様をお願いできますでしょうか。 |
②受付に人がいる場合
有人受付の場合は、まず受付の人に挨拶をします。話しかける時は「すみません」「あの」から入るのではなく「こんにちは」「失礼します」と挨拶するようにしましょう。
受付の人に挨拶をした後にあらためて以下の項目を伝えます。
- 自分の名前
- 約束している時間
- 今日の目的
- 担当者の名前
面接の場所によっては、自社ビルではなくいくつも会社が入っているビルの場合もあります。そのような場所では、挨拶の際に会社名も伝えるように注意してください。
【例文:自社ビルの場合】「こんにちは。〇〇時より面接のお約束している〇〇(自分の名前)と申します。〇〇様(担当者の名前)にお取次をいただけますでしょうか。」 |
【例文:自社ビルではない場合】「失礼します。本日〇〇社で、〇〇時より面接の予定をしております〇〇と申します。人事部の〇〇様(担当者の部署や名前)にお取次をお願いいたします。」 |
入室時の挨拶マナー【番外編】
挨拶のマナーは、面接の部屋に入る時によっても違いがあります。それぞれの状況別マナーを知っておけば、慌てずに済みます。1つずつしっかり確認しておきましょう。
①先に部屋に入っている場合
面接部屋に先に入って待機する場合もあります。このように先に部屋に通された時は、ウロウロせずに担当者がくるまで静かに待ちましょう。
スマートフォンを見るなどの行為はしないように注意してください。待機の時間から面接は始まっています。椅子に座る姿勢に気を付けて待つのが基本です。
面接官が来たら、立ち上がって「〇〇と申します。本日はよろしくお願いします」と挨拶して一礼します。座る際は担当者より先に座らず、声をかけられてから座るように注意してください。
②オンライン面接で挨拶する場合
オンラインでの面接も主流になりつつあります。オンラインでは、画面を通して顔を合わせることになるため、いつも以上に意識しなければ印象を悪くしてしまうことにもなりかねません。
また、パソコンやカメラの不具合でスムーズに面接ができないケースもあります。事前にしっかりとした確認が重要です。
指定された時間にルームに入ったら、カメラに向かっておはようございますと挨拶をしっかりとしましょう。
その後「〇〇と申します。本日はよろしくお願いします」といってお辞儀します。その際は立たずに座ったままで構いません。
入室時に注意するべきポイント
面接官は、入室時の行動でビジネスマナーの有無を確認しています。
ビジネスマナーもない状態で入社してしまうとお客様対応で失礼を与えてしまう可能性があるからです。
ビジネスマナーが身についていることはもちろん、相手のことを気遣った行動ができるかを面接官は見ています。
相手に気を遣った行動の一例は以下の通りです。
- 相手が聞きやすい声の大きさ
- スピード感
- 滑舌などの話し方
- 入室時のノックや扉の所作
- 身だしなみや姿勢
面接官から見てどう見えているかを意識して、面接に臨むことが大事です。
面接退室時の挨拶マナーを3ステップで解説
面接が終わって退室する際の挨拶にも気を配りましょう。この時に意識したいマナーは3つあります。1つずつしっかりと頭に入れておいてください。
①椅子に座った状態でお礼を伝える
面接が終わったら、まずはお礼を伝えてください。この時は立たずに座ったままで構いません。
椅子に座ったまま「本日はお時間をいただきまして、ありがとうございました。」と挨拶してお辞儀をします。面接してもらった感謝の気持ちを込めて伝えるといいでしょう。
②立ち上がり挨拶をする
その後、椅子から立ち上がって鞄を取りましょう。立ち上がった後も「失礼します」と再度挨拶と一礼してから出口に向かいます。後ろ姿も見られているので、姿勢よく歩くことも意識してください。
③部屋を出る前に再度挨拶
部屋を出る際は、そのまま出るのではなく担当者の方を向き直しましょう。担当者と向かいあったら「ありがとうございました。失礼します」と一礼してから部屋を出ます。
この時にドアを開けてから閉まるまでの動作も意識しましょう。バタンと音が立たないように静かに閉めてください。
退出時の挨拶マナー【番外編】
面接官が帰りのエレベーターまで見送ってくれる場合があります。
その時は、案内にしたがって面接官の後方からついていきましょう。突然、話を振られることもあるため、自然に明るく返答するのがおすすめです。
もし話が振られない場合でも、笑顔を忘れずについていくと印象が良くなります。
挨拶するタイミングがあれば、エレベーターまで送ってくれた気遣いに対しての感謝を伝えましょう。
退室時に注意するべきポイント
入室後から退室までの間、面接官が就活生の態度に変化がないかチェックしている場合があります。
最初は丁寧な対応だったのに時間が経つにつれて、疲れや態度の悪さが見えてくる場合もあるからです。
入室で良い印象を与えられても、退出時に悪い印象に変わっている可能性もあります。
また、終わったことに安心して、最後の挨拶やお辞儀などを忘れてしまうと詰めが甘いと思われてしまいます。
会社を出るまで最後まで気を抜かないようにしましょう。
面接で好印象を与える挨拶の仕方4つ
面接で好印象を与えるためには、4つのポイントを押さえて挨拶しましょう。ここでは1つずつ解説するのでぜひ意識してみてください。
①面接官の目を見る
挨拶だけに限ったことではありませんが、人と話をする時は目を見るように意識してください。とくに、面接などの緊張感がある空間では、目線を合わせるのが苦手な人も少なくありません。
しかし、目線が合わないまま挨拶されても、面接官には気持ちが伝わりにくくなります。気持ちのこもった挨拶をするためには、目をしっかり見て話すようにしましょう。
どうしても目線を合わせるのが恥ずかしい、緊張する人は、目と目の中心付近、眉間のあたりを見るようにしてください。直接目を見ていなくても相手側からは目線が合っているように感じられます。
②笑顔で話す
挨拶する時は意識して笑顔を作りましょう。面接では緊張してしまって顔が強張ってしまいがちです。無表情のままだったり、緊張で威圧感のある顔つきだったりすると、印象も悪くなってしまいます。
ただし、笑顔といってもヘラヘラと笑うのではかえって悪い印象を与えてしまうことになりかねません。口角を上げて良い印象を与えられるような、自然な笑顔を意識しましょう。
また、笑顔で話すと明るい印象を持ってもらいやすくもなります。
③大きな声でハキハキ話す
大きな声でハキハキと話すことも重要です。人は緊張してしまうと自信がなくなってしまい、声が小さくなったりトーンが暗くなったりしてしまいます。
このような状態で挨拶や会話しても、相手が聞き取りにくく、暗い人だなと悪い印象を与えることに。ハキハキと喋らない人では、きちんと仕事ができるのかと不安にさせてしまう可能性も高くなります。
大きな声で気持ちよく話ができる人であれば、仕事も前向きに頑張ってくれそうだと好印象を与えられるでしょう。緊張した時こそ、大きな声で明るく話すのを意識してみてください。
④身だしなみに気を付ける
身だしなみにも十分注意しましょう。身だしなみが整っていない状態だと、良い挨拶をしても悪い印象になってしまうからです。
挨拶で良い印象を与えるためにも、身だしなみを整えることは重要です。
【髪】
- 清潔感のある髪型か
- 寝癖はついていないか
- 色はTPOにあっているか
【格好】
- スーツ黒または紺色になっているか
- 全体的にシワがついていないか
- ボタンは適切に閉じているか
- アクセサリーを外しているか
- 靴やバッグはきれいな状態にしているか
【メイク】
- ナチュラルメイクになっているか
- カラーコンタクトを使用していないか
評価にも関わってくるため、鏡で確認したり、他の人にチェックしてもらったりして見た目を整えましょう。
面接で正しい挨拶をして好印象を残そう!
面接の内容も大切ですが、第一印象を決める挨拶も重要です。いくら面接でアピールしても挨拶がしっかりできていなければ、社会人としてのマナーがないと判断されてしまう可能性も否定できません。
面接の受付から部屋を退出するまで正しい挨拶を意識して、好印象を目指しましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。