企業に履歴書や内定承諾書を送る際に、必ず必要となるのが添え状です。ですが、添え状をどのように作成するのか、また何を書けば良いのか分からない方もいるでしょう。
そこで本記事では、添え状の書き方を解説します。添え状に関する常識ややってはいけないことも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
書き方を知る前に!そもそも添え状とは

添え状とは、企業にビジネス文書を送る際に同封する書面です。同封書類の概要(誰が・何を・どれくらい送ったか)を通知する役割があります。
就活の場合、担当者は複数の就活生から履歴書や内定承諾書を受け取っています。添え状があると差出人や同封書類の概要を把握できるため、担当者の手間が省けるでしょう。
添え状には、本題に入る前に時候や季節の話題に触れる挨拶の役割もあります。添え状でワンクッション置くことで、担当者はスムーズに書類の内容を確認できます。
添え状の正しい書き方8ステップ

添え状の正しい書き方は以下の8ステップです。
- 日付は投函日を記入する
- 企業名・部署・担当者を記入する
- 自分の署名を記載する
- 件名を中央に大きく書く
- 挨拶を書く
- 用件を書く
- 「記」の下に同封書類を記載する
- 「以上」で締める
①日付は投函日を記入する
まずは、添え状の右上に日付を記入します。日付は必ず投函日を記入してください。投函日を記入するのはビジネス文書における常識です。
西暦と和暦のどちらを使ってもOKですが、同封する履歴書や内定承諾書の記載方法と統一してください。
②企業名・部署・担当者を記入する
日付から一段下げ、左寄せに宛名(企業名・部署・担当者)を記入します。企業や部署宛には「御中」、担当者個人宛には「様」を用いましょう。
担当者の名前が不明な場合は、「人事部御中」や「採用ご担当者様」などと記入します。
企業名・部署・担当者は、省略せずに全て正式名称で記入してください。株式会社を(株)、有限会社を(株)などと省略するのはNGです。
③自分の署名を記載する
宛名の一段下に、右寄せで自分の署名を書きます。郵便番号、住所、電話番号、氏名の順番で書きましょう。学校名と学部名を記載する場合は、氏名の前に書いてください。
住所は必ず都道府県名から書き、学校名や学部名も省略せずに正式名称を用いてください。
電話番号の後ろにメールアドレスを書いても問題ありません。添え状に記載するメールアドレスは、学校用か就活用のものを用います。
④件名を中央に大きく書く
自分の署名を書き終えたら、件名を中央に大きく書きます。件名は必須ではないものの、当サイトでは記載することを推奨します。
件名を書くことで、何の書類を送ったのかが一発で担当者に伝わるためです。より丁寧な印象になるでしょう。
就活における添え状の件名の一例は以下の通りです。
- 応募書類の送付につきまして
- 内定承諾書の送付につきまして
- 履歴書、職務経歴書の送付につきまして など
⑤挨拶を書く
本題に入る前に、前置きとして定型の挨拶文(前文)を書きます。右寄せで書き始め、頭語には「拝啓」を用いるのがポイントです。
後で改めて解説しますが、結語には「敬具」を用いましょう。「拝啓」と「敬具」はセットになっているため、別の頭語や結語と組み合わせないように注意してください。
「拝啓」の次に挨拶文を書きますが、時候の挨拶は月によって言葉が変わります。履歴書を提出する月に合わせて、時候の挨拶を選んでください。
⑥用件を書く
挨拶の一段下に、左寄せで用件を書きます。「履歴書や内定承諾書など応募書類を送ったこと」を簡潔に記載します。
書類選考の段階の場合は「面接のお願い」を書き、そして最後に「内容確認のお願い」をするシンプルな構成でOKです。
「別途書類を送付する」や「書類の返送をしてほしい」など、他に伝えたい情報がある場合も用件に記載してください。
⑦「記」の下に同封書類を記載する
右下に「敬具」を書いて締めたら、改行して中央に「記」を記入します。さらに一段改行して、左寄せで同封書類の枚数を箇条書きにしましょう。
「履歴書 1部」「職務経歴書 1部(全2枚)」というように、同封書類の名称→枚数の順番で記載してください。同封書類の枚数を書いておくことで、担当者がスムーズに書類を確認できます。
箇条書きの内容が多くて1枚に収まらない場合は「別紙参照」と書き、同封書類を記載した別紙を同封してください。
⑧「以上」で締める
最後に改行して右下に「以上」と記載します。「以上」の一言を入れることで、記書きが終わった合図となります。
「以上」がなかった場合、担当者は「記書きに続きがあるのでは」と心配になるかもしれません。書類の確認に支障が出るため、「以上」は忘れずに書いてください。
また、「以上」がないと添え状が締まらず、中途半端な印象を持たれる可能性もあります。
書き方以外にも!添え状に関する6つのマナー

添え状には、書き方以外にもいくつかの注意点があります。添え状を作成する際に覚えておきたいマナーは以下の6つです。
- 手書きではなくパソコンで作成する
- 1枚以内におさめ、A4で作成する
- 添え状を一番上に、記載した順番で書類を封筒に入れる
- 書類をクリアファイルに挟む
- 文体はですますで統一する
- 企業に持参する場合添え状は不要
①手書きではなくパソコンで作成する
添え状は手書きではなく、パソコンで作成することを推奨します。添え状はビジネス文書に該当するため、パソコンで作成するのが理想的だからです。
添え状は、Wordを使用して横書きで作成するのが理想的です。フォントはWordに入っている一般的な書体を用い、モノクロで出力します。
稀に個性的なフォントやカラーを使ってアピールとしようする方もいますが、メリットはないため避けてください。
②1枚以内におさめ、A4で作成する
添え状は必ず1枚以内におさめ、A4で作成するのがマナーです。ビジネス文書の多くはA4サイズで作成されているため、添え状に関してもA4サイズで作成したほうが担当者が管理しやすく助かります。
添え状はあくまでも同封書類の概要を通知するものです。2枚3枚と送るのはマナー違反となるため、必ず1枚以内におさめましょう。
前項でも触れましたが、同封書類が多くて1枚におさまらない場合は、別紙にまとめて書くようにします。
③添え状を一番上に、記載した順番で書類を封筒に入れる
添え状を送る際は、封筒に入れる順番に注意してください。添え状を一番上にして、添え状に書いた順番で書類を封筒に入れるのがポイントとなります。
添え状は同封書類の概要を通知する役割があるため、担当者が最初に目にする場所にあるべきだからです。
添え状の次は、添え状に書いた順番で書類を重ねておきます。順番が合っているか何度かくり返し確認してください。
④書類をクリアファイルに挟む
書類を順番通りに重ねたら、逆さまになっている書類がないかを確認します。その後、全ての書類をA4サイズのクリアファイルに挟みます。
書類をクリアファイルに挟む理由は、大事な書類が郵送中に折れ曲がったり雨で濡れたりすることを防ぐためです。
カラークリアファイルやイラスト・写真がプリントされているものは避け、必ずシンプルなクリアファイルを使用してください。
ビジネス文書はクリアファイルに挟んで提出するのが常識なため、この機会に覚えておきましょう。
⑤文体はですますで統一する
添え状の文体はですますで統一します。添え状の語尾は、基本的には「ですます調」を用いることがマナーとなっているためです。
履歴書やエントリーシートでは、内容に説得力を持たせるために「である調」を用いる方もいます。ですが、添え状の語尾に「である調」を使うのは望ましくありません。
最後に全体を見渡し、「ですます」と「である」が混在していないかをチェックしてください。ビジネス文書においては、語尾を統一させることが重要です。
⑥企業に持参する場合添え状は不要
履歴書や内定承諾書を企業に持参する場合、添え状は必要ありません。添え状は直接書類を手渡せないときに、挨拶文や同封書類の概要を通知するものだからです。
ただし、対面で添え状を渡したからといって相手に失礼にあたるわけではありません。もちろんマイナス評価になることはないため安心してください。
すでに対面で添え状を渡してしまった場合は、そのままにしておいてOKです。
添え状でやってはいけないこと2選

添え状が原因で選考に落ちる可能性は低いものの、重大なマナー違反を犯すとマイナス評価につながる可能性はあります。添え状でやってはいけないことは以下の2つです。
- 志望動機や自己PRを記入する
- テンプレをそのままコピーしている
①志望動機や自己PRを記入する
1つ目の重大なマナー違反は、添え状に志望動機や自己PRを記入することです。
添え状は同封書類の概要を通知するものであって、志望動機や自己PRを記入する場所ではありません。
志望意欲の高さや熱意を伝えたい気持ちは理解できますが、添え状に志望動機や自己PRを書いても読んでもらえない可能性があります。
どうしても書きたい場合は、簡潔にまとめて担当者が読みやすいように配慮してください。
②テンプレをそのままコピーしている
2つ目の重大なマナー違反は、テンプレートをそのままコピーしていることです。
添え状はある程度書き方が決まっていますが、インターネットなどから入手したテンプレートをそのまま使用するのは望ましくありません。
テンプレートを使用すると熱意が伝わりにくいだけでなく、担当者にバレた場合は「手抜きをしている」「使い回している」などのマイナスの印象を持たれかねません。
添え状は正しい書き方で提出するようにしよう!

企業に履歴書や内定承諾書を送る際は、必ず添え状を添付します。添え状にはいくつかのルールや注意点があるため、本記事を参考に正しい書き方で提出しましょう。
テンプレートをそのまま使用することは望ましくないため、挨拶文などで自分らしさを出すことを意識してみてください。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。