エネルギー使用に関する国家資格であるエネルギー管理士。エネルギー資源の少ない日本にとって重要な役割を持つ資格であるため、エネルギー分野に関わる人は取っておきたい資格のひとつと言えます。
しかし「エネルギー管理士ってどんな資格なの?どうやって取得するの?」と悩みますよね。
本記事では、エネルギー管理士について徹底解説します。資格の取得方法や活躍できる仕事も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
エネルギー管理士とはどんな資格?

エネルギー管理士は、省エネ法に基づく国家資格で、電気や熱エネルギーに関する専門的な資格です。
主に産業界でのエネルギー効率向上や環境配慮を担当し、施設のエネルギー使用を最適化する能力が求められます。
比較的新しい資格であり、継続的な技術進化に適応するため、最新のエネルギー管理手法や技術に通じた専門家の育成を目的としています。
エネルギー管理士資格試験の2つの分野

エネルギー管理士資格試験では、試験科目として「電気分野」または「熱分野」を選択して受験しますが、どちらかの試験に合格すれば、エネルギー管理士の資格を取得可能です。
- 熱分野
- 電気分野
それでは1つずつ見ていきましょう。
①熱分野
エネルギー管理士資格試験の「熱分野」は、エネルギーの有効な利用と効率向上に焦点を当てています。
まず、エネルギー効率向上の手段として、建物や産業プロセスにおける断熱、冷暖房設備の最適化、エネルギー回収システムの導入などが重要です。
試験では、エネルギーシステム全体の最適化や効果的な監視手法も取り上げられ、エネルギー管理士が幅広い熱エネルギー関連の課題に対処し、持続可能なエネルギー未来に貢献する能力を評価します。
②電気分野
電気分野はエネルギー管理士資格試験の重要な領域の一つです。電力の効率的な利用と管理に焦点を当てられており、発電・送電・配電のプロセスなどの電力供給システムの理解が求められます。
また、エネルギー効率向上のための技術や手法に関する知識も必要です。LED照明や高効率モーターなどの導入方法や、電力のピークカット戦略などがこれに該当します。
電気分野では、電力使用データの収集や分析、効果的な省エネ対策の立案と実施が求められ、施設や産業プロセスにおける電力消費の最適化に向けたスキルが試験の中で重視されます。
エネルギー管理士資格の2つの取得方法

エネルギー管理士資格を取得するためには、国家試験に合格する、またはエネルギー管理研修を受けた後で修了試験に合格することが必要です。2種類の取得方法について、それぞれ解説します。
- 試験
- 研修
①試験
エネルギー管理士資格の試験概要は下記の通りです。
- 受験手数料:17,000円(非課税)
※熱管理士・電気管理士を取得している人の中で、専門区分課目II~IVの免除を受けて課目Iを受験する場合は10,000円(非課税) - 試験課目:「熱分野」または「電気分野」
- 試験方法:マークシート方式の筆記試験
エネルギー管理士の試験は、毎年7~8月に実施されます。受験には事前の申込が必要で、試験合格後、免状交付申請をすることで免状を取得できます。
なお、エネルギー管理士の資格には、年齢や学歴の制限はありません。しかし、免状申請を行うためには、資格取得前後に実務経験1年以上が必要であることに注意しましょう。
②研修
エネルギー管理士資格は、研修を受けることでも取得可能です。概要は下記の通り。
- 受講料:70,000円(非課税)
※課目免除の対象者は50,000円(非課税) - 講義内容:試験問題を徹底分析し、重要かつ出題率の高いテーマを解説
- 修了試験方法:記述式
- 修了試験課目:課目Iのみ熱分野、電気分野共通。課目II~IVは選択した分野によって変わる
- 科目免除:修了試験で一部の課目のみ合格した場合、翌年に限り合格した課目の講義と修了試験が免除され、受講料も50,000円に割引
なお、エネルギー管理士研修を受講して資格取得を目指せるのは、3年以上の実務経験がある人に限られることに注意しましょう。
エネルギー管理士の資格保有者が活躍できる仕事2選

最後に、エネルギー管理士の資格保有者が活躍できる仕事を紹介します。
- エネルギー管理者
- エネルギー管理員
①エネルギー管理者
エネルギー管理者は、組織や施設のエネルギー効率向上に貢献する仕事です。
主な業務は、エネルギー消費の監視と分析、効果的な省エネ施策を提案・実施です。また、設備の維持管理や新技術の導入などを通じてコスト削減や環境負荷の軽減を図ります。
エネルギー管理者は、エネルギー政策の策定や法令順守も重要な業務であり、経済性と環境への配慮をバランスよく実現することが求められます。
②エネルギー管理員
エネルギー管理員は、施設や企業のエネルギー使用を最適化し、省エネルギーを促進する専門家です。彼らはエネルギー消費のデータ分析を行い、改善策を提案します。
具体的な業務には、エネルギーシステムの監視、省エネ施策の計画・実施、設備の調整です。
エネルギー管理員は、エネルギー管理者とは異なり、より具体的な操作やデータ解析に従事します。彼らは施設内のエネルギー利用の効率向上に焦点を当て、実践的な手法で省エネを実現します。
エネルギー管理士は非常に需要のある資格
本記事では、エネルギー管理士について徹底解説しました。
エネルギー管理士は、エネルギー使用に関する国家資格です。取得できればエネルギーの専門家であると言えるでしょう。
エネルギー管理士を取得するためには、試験または研修を受けるのが必須です。取得を希望する場合は、自分に合った取得方法を選び、対策を行いましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。