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国家公務員の昇給制度を徹底解説!時期・昇給停止についても解説

昇給制度の内容は公務員就活を進める上で気になる事項の1つですよね。

「国家公務員の昇給制度について知りたい」「そもそも国家公務員の給与はどのように決まる?」このような疑問を持つ就活生も多いでしょう。

そこで今回は、国家公務員の昇給制度について解説します。国家公務員に興味がある人に役立つ情報を紹介しているので、ぜひ最後までご覧くださいね。

国家公務員の昇給制度の種類とは

国家公務員の昇給制度には以下の2種類があります。

  1. 定期昇給
  2. 昇格昇給

職種や仕事内容に関係なく国家公務員全体に共通している制度です。

昇給制度2種類について、それぞれ詳しく解説します。

①定期昇給

定期昇給とは、年に1回行われる昇給のことで、年に数回行われる業績評価の結果に基づいて行われます

国家公務員の業績評価でチェックされるポイントとして以下の例が挙げられます。

  • 人事評価
  • 勤務成績
  • 直近の懲戒処分の有無

それぞれの評価基準に応じてA~Eの5段階の区分が設けられており、段階に応じて昇給額の程度が決まる仕組みです。どのような評価を受けているか明確に示されるため、昇給の結果についても高い納得感を得られます。

②昇格昇給

昇格昇給とは、職務の級が上がることで発生する昇給のことで、国家公務員における「級」は職位のようなもの。昇格昇給は、仕事内容や責任の重さに応じて設定されます。

昇格のために必要となる主な要件は以下の通りです。

  • 能力評価で基準を満たしている
  • 全体評価が上位または中位である
  • 現在の職務の級に一定期間在職している

なお、国家公務員には「昇格」と似た言葉である「昇任」という概念があります。昇任は主任→係長、課長補佐→室長のように、役職が上がることです。

昇格と昇任は一緒に行われるのが一般的ですが、昇格はしても(級は上がっても)役職はそのままで昇任しないというケースもあります。

国家公務員の昇給時期はいつ?

国家公務員の昇給は、基本的に毎年1月1日定期昇給のタイミングです。その年の1月から昇給後の給与額を受け取れます。原則として、定期昇給のタイミング以外での昇給はありません。

例外が、前章でも紹介した昇格による昇給です。国家公務員の昇格時期は、基本的に4月と10月の年2回で認められています。昇格は本人が知らないところで話が進み、ある日突然呼び出しを受けて昇格の通知を受ける流れが一般的です。

なお、昇格の話を受ける時期自体は4月または10月とは限りません。昇格の通知は早めに行われ、実際の人事異動は国家公務員昇格時期に行われるケースもみられます。

国家公務員の昇給額の確認方法

国家公務員の俸給(民間企業でいう基本給)は人事院の公式サイトで公開されている俸給表で確認可能です。定期昇給では、号俸は上がるものの級はそのままのケースが多いため、アップする号俸数さえ分かれば、俸給表を見るだけで昇給額を容易に確認できます。

一方、昇格の場合は昇格後の号俸がそのままとは限りません。そのため、昇給後の俸給を把握するためには俸給表とは別の資料も確認する必要があります。

この章では国家公務員が昇格昇給をした際の昇給額の確認方法を紹介します。

  1. 昇格時号給対応表
  2. 昇給額の上がり方

①昇格時号給対応表

昇格後の俸給を把握するためには、俸給表とあわせて昇格時号給対応表(昇格時号俸対応表)の確認が必要です。

昇格時号給対応表では、昇格した日の前日に受けていた号俸に対応する昇格後の号俸を確認できます。

昇格時号給対応表の一部を抜粋します。

昇格した日の前日に受けていた号棒\昇格後の号俸4級5級6級7級
91111
101221
111331
121441
引用元:人事院規則九―八(初任給、昇格、昇給等の基準)別表第七 昇格時号俸対応表(第二十三条関係)イ 行政職俸給表(一)昇格時号俸対応表

たとえば昇格した日の前日に受けていた号俸が10の人が5級に昇格した場合、昇格後の号俸は2です。すなわち、5級の号俸2となります。

一方、昇格した日の前日に受けていた号俸が11の人が5級に昇格した場合、昇格後の号俸は3となります。

②昇給額の上がり方

職務や等級が変わった場合、対応表に合わせて給与が上がる仕組みです。

前項で紹介したように、昇格した日の前日に受けていた号俸が10の人が5級に昇格した場合、昇格後の号俸は2となります。昇給後の給与がいくらになるかは俸給表で確認可能です。

俸給表の一部を抜粋して紹介します。

号棒\職務の級3級4級5級
9246,000円280,200円306,100円
10247,500円282,200円308,400円
11249,000円284,100円310,600円
引用元:人事院公式サイト 国家公務員の給与制度 行政職俸給表 イ 行政職俸給表(一)

号棒\職務の級4級5級6級
1266,000円290,700円319,200円
2267,700円292,900円321,400円
3269,200円295,000円323,700円
引用元|人事院公式サイト 国家公務員の給与制度 行政職俸給表 イ 行政職俸給表(一)

今回の例の場合、昇給前(4級10号)の俸給月額は282,200円、昇給後(5級2号)の俸給月額は292,900円となります。

国家公務員の昇給に関するよくある質問

国家公務員の昇給に関するよくある質問として、以下の2つを取り上げました。

  1. 国家公務員は昇給休止制度があるの?
  2. 国家総合職と国家一般職の昇給の違いは?

それぞれ詳しく解説します。

①国家公務員は昇給休止制度があるの?

国家公務員の昇給が止まる制度が存在するのは事実です。正確には昇給休止制度ではなく、昇給停止制度といいます。

昇給停止制度は、55歳を超える国家公務員は、標準の勤務成績では昇給しないという制度です。成績が特に良好または極めて良好の場合のみ昇給が発生しますが、昇給額は55歳以下の国家公務員の半分から3分の1程度に抑えられます。

公務員の給与は税金が原資です。公務員の昇給が際限なく昇給が続けば、公務員の給与が理由で国の財政状況を圧迫する恐れがあります。国家公務員の昇給停止制度は、国家にかける負担を抑えるための制度といえるでしょう。

②国家総合職と国家一般職の昇給の違いは?

国家総合職と国家一般職の昇給の仕組み自体は同じです。これまで紹介した国家公務員の昇給の仕組みは、職種や仕事内容に関係なく国家公務員全体で共通しています。

ただし、国家総合職と国家一般職では、国家総合職の方が昇進スピードが速い傾向です。昇進スピードが違うため、年次を重ねるにつれて級の差が大きくなります。

なお初任給の差はそれほど大きくないものの、国家総合職の方が高めの水準となっています。

国家公務員の昇給は2種類!把握して将来の見通しを立てよう

国家公務員の昇給制度は、定期昇給と昇格昇給の2種類です。国家公務員は評価基準が明確に示されている上、俸給表や昇格時号給対応表が存在するため、昇給額を容易に把握できます。

国家公務員の昇給制度は民間企業と大きく異なります。国家公務員を目指す人は、本記事で紹介した内容を押さえて、国家公務員の昇給制度について理解を深めましょう

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若林

この記事を書いた人

若林

青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。

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