履歴書は返却されないことが多い書類です。そのため、どうすれば返却に応じてくれるのかわからず困ってしまう方もいるでしょう。
本記事では、返却しない理由・法律による履歴書の取り扱い・返却を頼めるタイミングや注意点を例文とともに解説します。
例文を最初に確認したい方は、こちらをご覧くださいね。
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企業に履歴書返却の義務はない

企業に履歴書を返却する義務は課せられていません。そのため、基本的には提出した書類は返却されないケースが多くなっています。
しかし、中には依頼することで返却に応じてくれる企業も存在しているのがポイントです。
そのため、どうしても提出した書類を手元に戻したい時には、失礼がないよう適切な文章を用いて頼む必要があります。
企業にスムーズに要求を伝えられるよう、マナーを把握しておくとよいでしょう。
履歴書を返却しない理由3つ

返却されない理由を知っていれば、どうアプローチすれば返却を頼めるのか考えやすくなります。返す行動を取らない理由は、以下の3つです。
- コストがかかるため
- 紛失のリスクを避けるため
- 書き込んでいる場合があるため
①コストがかかるため
履歴書を返す際にコストが発生することが、理由として挙げられやすいです。
企業は、たくさんの候補者から履歴書を提出してもらい、中身を確認して誰を採用するか、あるいは選考に進めるかを決めています。
そのため、全員に書類を返却することになるとかなりのコストがかさむため、基本的に返さない行動を取る企業が多いのです。
②紛失のリスクを避けるため
提出した人の住所に届ける途中で、紛失するリスクを避けるために、返却を選ばない場合もあります。
郵送で書類を届ける際には、アクシデントによって個人情報が書かれた書類が紛失するリスクがあり、全員に返すとなるとさらにリスクが高まるのがポイントです。
そのため、紛失しないよう丁寧に保管して、処分する場合も情報がわからない状態にするためにシュレッダーなどにかける企業が多くなっています。
③書き込んでいる場合があるため
企業側が、面接などで受けた情報や選ぶ上で必要なメモを書き込んでいる場合も、当事者の場所に返すことは難しくなります。
会社内の情報を書き込んでいる場合、そのまま返してしまうと重要な情報が流出するリスクがあるのが特徴です。このように、情報管理の観点から返さない選択を取る企業も存在しています。
履歴書は法律に基づいて取り扱われている
履歴書は法律に基づいて取り扱われるため、個人情報を保管されることに抵抗がある場合も、無理に返却を頼む必要はありません。
企業は個人情報保護に関係する法律に則った方法で管理しているので、基本的に情報が流用されるリスクはないのがポイントです。
一定期間保管して必要がなくなった書類は、情報がわからない状態に加工した上で破棄されることが多く、長年保管されるのでは、といった懸念は必要ありません。
履歴書の返却を依頼するタイミング2つ

履歴書を返してほしい時には、適切なタイミングを把握しておくことが大切です。具体的なタイミングは、以下の2つとなります。
- エントリーする時
- 不採用通知を受け取った時
①エントリーする時
エントリーする時に、返却をお願いしたい旨を記入していれば、スムーズに要望を伝えられます。
ただし、募集要項に返却に応じるなどの内容が記載されていた場合にのみ依頼するのがマナーとなるため、注意が必要です。
企業によっては、提出された書類は厳重に取り扱うが、返却には応じられないといった内容が記載されている場合もあります。文章に目を通した上で頼めるかどうか判断しましょう。
②不採用通知を受け取った時
不採用通知を受け取った際、企業にとって必要ではなくなった履歴書を返してもらうよう頼むことは可能です。
不採用となるか結果がわかる前のタイミングで依頼するのは失礼にあたりますが、不採用だとわかった後であれば、返却を依頼する行動にも正当性が生まれます。
電話で伝えづらい場合、メールにて頼むのもおすすめです。次の項目では例文を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
履歴書の返却依頼メールの例文
お世話になっております。先日面接の機会をいただきました、○○と申します。 この度は貴重な時間を割いていただき、ありがとうございました。不採用になったことについては残念ではございますが、結果を真摯に受け止め、今後も就職活動に励んでまいります。 お手数をおかけしますが、この度履歴書の返却が可能かどうかをご確認したく、ご連絡をさせていただきました。返却のご対応をいただけるようでしたら、返信用切手と封筒を郵送いたしますので、ご返答をいただけましたら幸いです。 お忙しいところ恐縮ですが、ご検討をお願い申し上げます。最後になりますが、貴社のますますのご発展をお祈りいたします。 |
上記の例文では、面接の機会への感謝と結果を受け止める気持ちについて述べた上で要望を伝えています。
返信用の切手や封筒はこちら側で用意することを伝えているのがポイントとなります。
履歴書を返却してもらう時の注意点3つ

履歴書を返してもらいたい場合の注意点を確認すれば、失礼な印象を与えないよう対策できます。注意点は、以下の3つです。
- 募集要項をよく確認する
- 提出前にコピーを取っておく
- 履歴書の使い回しはNG
①募集要項をよく確認する
募集要項は最初から最後までしっかりと確認した上で、返却を頼める企業かどうかを判断しましょう。
募集要項に書類を返すことには応じられない、と書いてあるにもかかわらず要求する行動は、迷惑だと捉えられるリスクがあります。
募集要項で、返却に応じる姿勢が書かれている場合や、特に返却の可否が書かれていない場合のみ要望を伝えるようにしましょう。
②提出前にコピーを取っておく
手元にデータを残しておきたい場合は、提出前にコピーを取っておくことを心がけましょう。
企業側から書類を返すことは不可能と返答があった場合も、手元に書類データが残るため、後から内容を確認可能です。
不採用となってしまっても、提出した履歴書の内容をあらためて見て改善点がないかチェックすれば、より良い履歴書を作成できるように対策ができますよ。
③履歴書の使い回しはNG
返してもらった履歴書を次の企業に使い回すことはNGとなるため、気を付けましょう。
特定の企業を意識して書いていない書類は志望度が低い印象になりやすく、使い回しているのでは、と気付かれた場合に悪印象に陥ってしまいます。
企業が求めている人物像などに則した書類を毎回丁寧に作成し、企業で働きたいという熱意や真剣に向き合う誠意を伝えられるように心がけましょう。
履歴書を返却してもらわなくても大丈夫な準備をしよう
履歴書の返却は企業の義務ではなく、基本的に返却されないことを想定しておく必要があります。
しかし、適切な準備をしておけば、返却の有無を気にすることなく、スムーズに就職活動を進めることができるでしょう。ここでは、そのための具体的な対策をご紹介します。
- 手書き:印刷かスキャンを保存しておく
- PC:データをフォルダに管理しておく
- 証明写真:余裕を持って多めに購入しておく
①手書き:印刷かスキャンを保存しておく
手書きの履歴書を提出する場合、返却されない可能性に備えて事前に対策を講じておくことが重要です。
最も簡単な方法は、先ほど述べた通りですが、提出前に履歴書をコピーまたはスキャンして保存しておくことです。
コピー機やスキャナーがない場合は、コンビニのマルチコピー機を利用するのもよいでしょう。
デジタル化したデータはPCやクラウドストレージに保存し、必要に応じて参照できるようにしておくことがおすすめです。これにより、履歴書の内容を確認したり、次回の応募時の参考にしたりすることができます。
②PC:データをフォルダに管理しておく
履歴書のデータをパソコンで管理することは、応募書類の返却有無に関わらず重要な対策となります。
作成した履歴書は、「就職活動_履歴書」などのように分かりやすいフォルダ名を付けて保存しましょう。
応募企業ごとにサブフォルダを作成し、その中に履歴書データと一緒に志望動機や自己PRなども保存しておくと便利です。
また、履歴書の作成日や応募した企業名、提出日などの情報をテキストファイルにまとめて保存しておくと、後で参照する際に役立ちます。
③証明写真:余裕を持って多めに購入しておく
証明写真は履歴書に欠かせない要素ですが、1枚あたりの単価が高いため、できるだけ無駄にしたくないものです。
しかし、履歴書が返却されないことを考えると、余裕を持って多めに用意しておくことをお勧めします。
具体的には、写真館や証明写真機で撮影する際は、10枚程度のセットを購入しておくと安心です。
なお、撮影時は背景色を白・青・グレーから選び、シンプルなスーツを着用し、前髪が目にかからないようにするなど、基本的なルールを押さえておくと、どこれも通用する写真を準備できます。
履歴書の返却についてよくある質問と回答
ここでは最後に、履歴書の返却に関する疑問や不安について、よくある質問とその回答をQ&A形式でご説明します。
- 返却される場合の期間の目安はどれぐらい?
- 返送料はどちらが負担することが多い?
- 複数枚提出している場合はどうすればいい?
①返却される場合の期間の目安はどれぐらい?
返却される場合の期間の目安は、企業によって異なりますが、一般的には選考終了後から1〜6ヶ月程度です。
多くの企業は、不採用者の履歴書を6ヶ月程度保管することが一般的とされています。これは、応募者からの返却要求に備えるためです。
返却を希望する場合は、応募時や面接時にあらかじめ企業に伝えておくことが重要です。
なお、返却されるまでの期間中に他社への応募を考えている場合は、提出前に履歴書のコピーを取っておくことをおすすめします。
②返送料はどちらが負担することが多い?
返送料の負担については、一般的に企業側が負担するケースが多いものの、明確な法的規定はありません。
ただし、企業によって対応は様々で、返送料を応募者側に求めるケースもあり、その理由として、大量の応募書類の返送にかかる郵送費用や封筒代、作業の人件費などのコストが挙げられます。
返送料の負担について事前に確認したい場合は、応募時や面接時に企業の方針を確認することをお勧めします。
なお、返送料の負担について不安がある場合は、応募前に履歴書のコピーを取っておくことで、後々のトラブルを避けることができるでしょう。
③複数枚提出している場合はどうすればいい?
複数の企業に履歴書を提出している場合、返却を希望する際は個別に各企業へ連絡を取る必要があります。
ただし、企業によって対応が異なるため、全ての履歴書が返却されるとは限りません。
基本的に企業には返却義務がないため、返却を依頼する際は切手を貼った返信用封筒を同封するなど、企業側の負担を考慮した対応を心がけましょう。
また、複数企業への応募時は、提出前に必ず履歴書のコピーを取っておくことをお勧めします。
履歴書の返却依頼をする時はマナーに気を付けよう
履歴書を返してもらえるよう頼む際は、マナーに気を付けましょう。
募集要項の内容にしっかりと目を通し、適切なタイミングで依頼メールを送るよう意識するのがおすすめです。
返却されない場合に備えて、提出前にコピーを取っておき、今後の書類作成に活かしましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。