なりたい職業ランキングの上位に挙がることの多い保育士ですが、採用面接ではかなりの確率で「どんな保育士になりたいか」と聞かれます。
それぞれ保育士という職業に対して特別な想いがあるはずですが、どう伝えれば良いのか、また質問にどんな意図が含まれているのか気になりますよね。
この記事では、どんな保育士になりたいか聞かれた際の例文と共に、回答のコツを紹介していきます。
「どんな保育士になりたい?」面接官が質問する理由3つ
面接官からの質問には、様々な目的や意図が含まれています。「どんな保育士になりたい?」という質問も、隠された意図を汲み取り適切な回答をすることが大切です。
ここでは「どんな保育士になりたい?」と面接官が質問する理由3つを、紹介していきます。
- 応募者の人柄が知りたいため
- 志望度の高さが知りたいため
- 保育感を知りたいため
①応募者の人柄が知りたいため
まず1つ目に、応募者の人柄を知り、園の雰囲気に合うか判断することが狙いです。
保育園という、集団で子供たちの成長を支援する業務に携わる以上、人柄というのはかなり重要視されます。
どれだけ能力やスキルがあっても、人柄に問題があれば保育業務に支障が出たり、保育士同士の関係にトラブルが起こりえますよね。
1つの会社・組織としてだけでなく、子供たちに影響を与えるかもしれないというリスクもある以上、一般的な企業以上に、内面が大事な評価基準となることを意識していましょう。
②志望度の高さを知りたいため
また保育園に対する、志望度の高さを知りたいという狙いも含まれています。
「どんな保育士になりたいか」への回答には、就活生の保育士という職業に対する希望や目的が含まれます。そのため内容が凝っていて印象的であればある程、就活生の保育士に対する熱意が伝わるでしょう。
もし薄い内容や作ったような定型文だと、面接官に「そこまでこの保育園に入りたいわけではないのか」とネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。
「この園で、こういう保育士になりたいんだ」という自分の想いを、丁寧に伝えましょう。
③保育観を知りたいため
最後の狙いは、就活生の保育観を知るためです。
園児達に対する保育観というのは、園や保育士によって異なります。どの保育観が良くてどれが悪いなんてことは無く、重要なのは園によって統一することです。
例えば「自主的に行動させて成長を促す」を保育観として掲げている保育園に対して、「一挙一動アドバイスして手助けをしたい」といった保育観を話すと違和感がありますよね。
自分の目指す保育士像が、園の保育観とマッチするかどうか見直してみましょう。
「どんな保育士になりたい?」の回答のコツ3つ
「どんな保育士になりたい?」に対して、どういった回答が優れていると判断されるのでしょうか。押さえておきたいポイントや要所を事前に知っていると、よりスムーズに回答できるはずです。
ここでは、「どんな保育士になりたい?」の回答のコツ3つを紹介していきます。
- 子供を第一に考えることをアピール
- 実習体験を交えて話す
- 学んだことを踏まえた理想像を話す
①子供を第一に考えることをアピール
なによりも子供を第一に考えていることをアピールしましょう。
保育士という職業に対する憧れや理想は様々かもしれませんが、大前提として保育士の使命は子供たちを安全に預かり、更に成長に寄り添ってあげることですよね。
保育士として、子供たちにとってどんな存在になりたいのか説明することが重要です。
どんな保育士になりたいかという自分の将来像を語るがあまり、自分本位な言葉ばかりになってしまわないように注意しましょう。
②実習体験を交えて話す
学生時代に行った実習体験を交えて話しましょう。
実習では、机上で学ぶことのできない様々な経験ができますよね。そこで体験したからこそ感じた、保育士に対する考え方があるはずです。
実体験からくるエピソードは説得力が高いため、実習の話を交えながら語ることで、より面接官の印象に残りやすくなります。
誰でも体験するような出来事はなるべく避けて、オリジナリティのあるエピソードはないか思い出してみましょう。
③学んだことを踏まえた理想像を話す
学生時代に学んだことを踏まえて、理想像を話しましょう。
面接官は、就活生がこれまでに何を学んできたのか興味があります。学校での学習や実習からどんなことを学んでどんなことを感じたのか、学びを得て見つけた理想像は説得力に繋がるでしょう。
保育士を目指す学生として同じことを学んでいても、興味関心を持った部分や得意な部分は人それぞれです。なるべく独創的で、個性のある自分らしい内容にできると良いですね。
「どんな保育士になりたい?」の回答例文5つ
なりたい保育士像というのは人それぞれで、正解なんてものはありません。そのためどんな保育士になりたいかより、どう伝えるかが重要です。
ここでは、「どんな保育士になりたい?」の回答例文を5つ紹介していきます。
- 子供の安全を守る保育士
- 興味関心を重視する保育士
- 笑顔が絶えない保育士
- 子供の成長を重視する保育士
- 自然体験をさせる保育士
例文①子供の安全を守る保育士
私は責任を持って、子供の安全を守る保育士になりたいです。 保育士という立場で親御さんの大切な存在である子供を預かる以上、やはり何よりも安全性を優先すべきだと考えています。 以前、ニュースで園児が通学バスに置き去りとなってしまったニュースを見た際、非常にショックを受けました。保育園に我が子を預けている親は全員、同じようにショックを受け、更に利用している保育園に対して不信感を覚えたと思います。 保育園は、園児と親にとって、安心を覚えてもらう場所でなければいけません。 私が保育士になったら、園児の安全に常に気を配ります。例えば先程のバスの件であれば、場所を移動するごとに園児の点呼は徹底します。 |
子供の安全を守る保育士でありたいという、理想像を説明する例文です。
ニュースによる影響や問題性を説明したうえで、なぜ保育士は子供の安全を意識している必要があるのか説明することで、想いが切実であることが伝わります。
ただ理想像を語るだけでなく、具体例を提案することで更に信用度が高まるでしょう。
例文②興味関心を重視する保育士
私は子供たちの、興味関心を重視する保育士を目指します。 私が1番実習で感じたことは、やはり園児は興味関心があるものへの活動意欲が強いということです。 私が担当した4歳児のクラスに、絵本読み聞かせの時間に落ち着きが無い子が居ました。 車に興味がある子だったので、働く車がテーマの絵本を見せてみたところ、とても楽しそうに聞いてくれたうえに、車の名前を覚えようと自ら頑張っていた姿が印象に残っています。 やはり子供たちは興味のあることに前のめりで取り組むため、教えていても呑み込みが早いと感じました。 私が保育士になったら、園児の個性や得意分野を伸ばしてあげられるようにします。そのために園児が興味を持ったことであれば、どんなに小さなことでも尊重してあげたいです。 |
子供たちの興味関心を大切してあげる保育士という、理想像を説明する例文です。
実習で感じたことを簡潔に述べた後に、実際にあったエピソードを話すと分かりやすく話を展開することができます。
また実習で学んだことを踏まえたうえでこうなりたいんだと根拠を示すことで、説得性が高まるでしょう。
例文③笑顔が耐えない保育士
私は、どんな時も笑顔が絶えない保育士を目指したいです。 私は日頃から、誰かと関わる時は常に笑顔で居るように心がけています。 保育実習中も笑顔を絶やさぬように取り組んでいたところ、1人の保護者に明るい笑顔が素敵だと褒めていただきました。「子供たちもその笑顔に安心しているはずだ」という言葉が、とても嬉しかったのを覚えています。 不安や疑問が多い子供たちにとって、接している大人が柔らかい表情をしているかどうかは重要なことです。 私が保育士になった時は、常に笑顔の先生でいたいと考えます。そうすることで、園児たちにとって安心感を覚えてもらえる存在になりたいです。 |
常に笑顔でいる保育士を目標とする例文です。
このように外見や性格に関する目標は、上手く解説しなければ他人からすると抽象的に感じてしまう可能性があります。
笑顔でいることでどんなメリットがあるのか、園児にどんな影響を与えることができるのか説明しましょう。
例文④子供の成長を重視する保育士
私は、子供の成長を重視する保育士になりたいです。 私は学校で学んだきた中でも、子供の成長速度に関する授業にとても関心があります。 子供の成長速度の異変には、病気や成長障害の予兆、虐待の疑いなどが隠れていることを知り、成長速度の重要性を知りました。また子供の成長速度というのは生活環境によって大きく変化しますが、保育士はこれを補助する役目にいます。 心身共に人間形成の土台となる大事な時期となる幼児期に、親御さんに代わり日中の園児たちを見守る立場として、成長に影響しそうなヒントは少しも見逃さないように務めたいです。 もし成長速度に問題があれば、その原因を見つけて共に改善を目指してあげられる保育士になります。 |
子供の成長速度を重視する保育士を理想とする例文です。
授業で学んだことを根拠に挙げるのは、説得性を高めると同時に学生時代に真剣に学んでいたアピールにもなります。
何を学び、どう活かしたいと思ったか、成長速度を重視している理由をしっかり説明しましょう。
例文⑤自然体験をさせる保育士
私は園児たちに、自然体験を多くさせてあげられる保育士になりたいです。 私は2年前から、学童アルバイトをしています。学童では様々な活動を行いますが、その中でも、子供たちが自然体験で楽しそうにしている姿が印象的でした。 ゲームやアニメといった教育コンテンツが豊富な現代だからこそ、自然に包まれながら笑顔で遊ぶ子供たちの姿は、これからも守るべきだと考えています。 自然の中で植物や小さな生き物と触れることでしか感じられない刺激が、子供たちにはあるはずです。 私が保育士になった時は、子供たちが自然に触れる機会を増やせるように努めます。園児の成長や楽しい思い出作りに貢献できる、自然活動をどんどん提案していきたいです。 |
園児たちに、自然体験をさせてあげられる保育士を目指す例文です。
自然体験をさせるべきだと思ったきっかけや、理由を説明しましょう。そして自然体験を増やすためには具体的にどうしたら良いのか、提案まですることで説得性が高まります。
「どんな保育士になりたい?」の回答が思いつかない時の対処法
どんな保育士になりたいのかと聞かれて、そう思いつかない人も中には居るかもしれません。どれだけ考えても、漠然と思いつかないこともありますよね。
ここでは「どんな保育士になりたいか」の回答が、思いつかない時の対処法を紹介していきます。
- 保育士を目指したきっかけを思い出す
- 強みを活かした理想像を作る
- 実習で出会った先生を参考にする
①保育士を目指したきっかけを思い返す
保育士を目指したきっかけを思い返してみましょう。
保育士になりたいと思った時、保育士という職業に対して憧れる姿や業務があったはずです。
例えば子供好きだから保育士になりたいと思ったのであれば、「子供たちと積極的に関わり、1人1人と絆を持つ保育士」を目指すことができますよね。
自分の中では些細なきっかけだと思っていても、言葉にしてみればきっと素敵な保育士像に繋がるかもしれません。
②強みを活かした理想像を作る
自分だけの強みを上手く活かした理想像を作ると良いでしょう。
保育業務との関係性の皆無は問わずに、自分の長所や強みが何かしらあるはずです。その長所や強みは、保育士業務に活かせないか考えてみましょう。
強みを反映させることで、「自分だからこそできる保育」を実現することができますよね。採用担当からしても、魅力的な保育士の卵だと感じてもらえます。
③実習で出会った先生を参考にする
理想の保育士像が思いつかない時は、実習で出会った先生を参考にしてみましょう。
実際の保育現場を目の当たりにして、尊敬できる保育士や、参考にしたいと思った保育方法はありませんでしたか?「自分もこうなりたい」「こんな保育士になりたい」と思える要素が、必ずどこかにあったはずです。
そこをヒントに「どんな保育士になりたい?」に対する回答を考えてみると、納得のいく文章が出来上がるでしょう。
根拠となるエピソードには、実習で出会った保育士についてそのまま話して問題ありません。
「どんな保育士になりたい?」には実体験を活かした回答をしよう
就活生は皆、それぞれ何かしらの目的や理想があって保育士を目指しているはずです。それを工夫して伝えることで、保育士という職業に対する熱意を面接官にアピールすることができます。
「どんな保育士になりたい?」には、実体験を活かした回答をしましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。