消費者金融への就職を目指しているものの、業務内容や今後の動向、志望動機の書き方がわからない人も多いでしょう。
そこで今回は消費者金融についてざっくりと説明しつつ、主な業務内容や「きつい」と噂される理由について解説していきます。
そもそも消費者金融とは?
消費者金融とは、主に個人消費を目的とした融資を提供する金融事業を指します。
定義としては、消費者が個人で消費する財やサービスの債務に対して、消費者の信用を担保にして金銭を貸付する事業とされており、従って、このような融資は、不動産や車などの担保は必要ありません。
消費者金融は、担保や保証人が不要であり、審査が迅速であることが特徴の1つです。急な出費や予期せぬ経済的困窮に対して即座の資金提供が可能で、多くの方の助けになっています。
一方、気軽にお金を借りられるその特性も相まって、支払い能力を超えて借りてしまい、返済に困る人も。もし就職した際には担当する利用者が返せる範囲内で貸すようにしましょう。
【きついって本当?】消費者金融の主な業務内容4つ

消費者金融の業務について調べると検索結果に「きつい」と出てきたり、大変そうなイメージがあります。
そこで、消費者金融に就職した際はどのような業務を担当することになるのか、見ていきましょう。
- 営業
- 回収業務
- システム運用
- 企画
①営業
消費者金融の営業は基本的に顧客に対して融資限度額の拡大を依頼するなど、より多くのお金を借りてもらえるように働きかける仕事です。
入金の受付やカードローンの新規申し込み対応はもちろん、限度額の増額対応などがあります。
電話営業を行うこともあり、電話営業では顧客リストから精査して、限度額を増額できそうな顧客に連絡をしたり、他の商品の案内をしたりと、新規ではなく既存の顧客に働きかけることが多いです。
②回収業務
消費者金融の回収業務は、貸し付けた資金の回収を目的する業務であり、金融業界において非常に重要な役割を果たしています。
いわゆる「取り立て」なので、返済が遅れている顧客に電話や手紙を出して、支払いを催促する仕事です。消費者金融が「大変」と言われる所以が、この回収業務でしょう。
可能な限り顧客を不快にさせず、かつ迅速に滞納分の支払いをしてくれるよう促すので、回収業務において重要な心構えと言えます。
③システム運用
消費者金融における「システム運用」とはATMや自動契約機などの運用・保守業務のことで、基本的に顧客と関わることは少ない仕事です。
顧客情報を安全に管理するためのセキュリティ管理や、新規システムの開発などを行う、責任重大な業務と言えます。
顧客と直接関わることが少ない業務ですが、一方で些細なミスが顧客、ひいては会社の損害を招く可能性も。そのため、待遇が良い場合が多いです。
④企画
消費者金融における「企画」とは、新しいサービスや商品の提案、既存サービスの改善、マーケティング戦略の策定など、事業の方向性や成長を牽引する役割を果たす業務です。
特に商品やチャネル、プロモーションの企画開発を行うことが多く、自動契約機の機能改善案、ネット申込機能の修正案などを提出します。
広告宣伝や公式サイトを用いた戦略立案も担当することが多く、マーケティングやプロモーションに関わる知識がある、またはスキルが高い人が担当することの多い職種です。
消費者金融の分類3つ

ひとくちに「消費者金融」と言っても、大きく分けて3つの種類があります。
それぞれ特徴やポイントなどは異なるので、要点を抑え、自分がどの分類の消費者金融への就職を目指すのか、方向性を固めていきましょう。
- 銀行系
- 専業消費者金融
- クレジットカード系
①銀行系
銀行系の消費者金融とは、一言で言うならば「銀行の関連会社となっている消費者金融」のことです。
2006年12月に改正賃金業法が制定され、金利に上限が設けられたり、取り立てが制限されたりしたことにより、業績が悪化した消費者金融が多くあります。
そこで、大手銀行の資本を受け入れ、グループ企業となった消費者金融のことを「銀行系の消費者金融」と呼ぶのです。大手にはアコムやSMBCコンシューマーファイナンスなどが挙げられます。
②専業消費者金融
専業消費者金融とは先ほど紹介した銀行系の消費者金融とは異なり、その名の通り専業で消費者金融業を営んでいる会社のことです。
特に地域密着型の中小企業が専業の消費者金融であることが多いですね。消費者金融業だけを営んでいることもあり、他のタイプよりも対応が早いのが特徴と言えます。
大手の専業消費者金融には「アイフル」などが挙げられるでしょう。
③クレジットカード系
クレジットカード系の消費者金融とは、つまりクレジットカード会社が営んでいる「キャッシング」のサービスのことです。
クレジットカードに機能としてあらかじめ付帯していることが多く、コンビニのATMやネットでの申し込みから簡単にお金を借りられるのが特徴です。
特に海外旅行などの際は突然現金が必要となることも多いので、旅行好きの人などによく使われるサービスですね。
消費者金融の主な企業3つ|分類別に紹介

消費者金融の企業はさまざまありますが、先ほど紹介した分類別に、有名な企業を3つ紹介していきます。
下記の3社への就職を目指さない人も、大手について知っておくことで就活の際、業界分析をしっかりしていることをアピールできるので、ぜひ確認してください。
【銀行系】アコム株式会社
企業名 | アコム株式会社 |
創業年次 | 1936年4月2日 |
社長名 | 木下政孝 |
売上高 | 2,737億9,300万円 |
本社拠点 | 東京都港区東新橋一丁目9番1号 東京汐留ビルディング |
消費者金融と聞いて、まずアコム株式会社を思い浮かべる人も多いでしょう。
消費者金融に限らず、「日本の企業」という枠組みで考えても大手の企業であるアコムですが、1人でも多くの人が利用しやすいよう、さまざまな工夫を凝らしている企業です。
例えば、電車があまり通っておらず、車も持っていない人でも利用しやすいよう、全国に750箇所もの拠点を構えており、アクセスが良い点も魅力と言えます。
そのほかにも「お金を借りる際、人に会いたくない」という人のために自動契約機を業界で初めて導入したのも、アコムです。このような利用者目線のサービスを日々提供しています。
【専業】アイフル株式会社
企業名 | アイフル株式会社 |
創業年次 | 1967年4月 |
社長名 | 福田光秀 |
売上高 | 1,4441億5,200万円 |
本社拠点 | 京都市下京区烏丸通五条上る高砂町381-1 |
アイフルも消費者金融業界では大手中の大手で、さまざまなサービスを提供しています。
全国に有人店24、無人店を818、合計で842店舗も構えており、どのような境遇の人でも利用しやすい、顧客目線の運営を行っているのが特徴です。
スマホアプリにも力を入れており、申し込みから契約までをWEBで完結できるインフラ整備ができているのも魅力と言えます。生体認証で安全を確保している点も魅力的です。
【クレジットカード系】セゾンファンデックス
企業名 | 株式会社セゾンファンデックス |
創業年次 | 1984年2月1日 |
社長名 | 青山照久 |
売上高 | 2,440億900万円 |
本社拠点 | 東京都豊島区東池袋三丁目1番1号 サンシャイン60 37階 |
クレジットカード系のセゾンファンデックスも、多岐にわたるサービスを提供していることで有名です。
すべての人が安心して生活できるよう、さまざまな人が利用できるのがセゾンファンデックスの大きな特徴であり、なんと簡単に手続きができるカードローンは80歳まで申し込み可能となっています。
その他、法人や個人事業主、不動産会社など顧客の幅を広くすることで、お金や資金繰りに困っているすべての人に手を差し伸べようとしている、利他の精神がある企業です。
消費者金融の今後の動向

消費者金融の今後の動向についても知っておきましょう。業界について深く調べていることを就活でアピールできれば、より好印象を与えられます。
現在では適切な運営を行っている消費者金融業界ですが、2010年に改正貸金業法が施行されるまでは「社会問題」として捉えられることも多い業界でした。
総量規制、つまり顧客の年収の3分の1以上を超える貸し出しが禁止され、過払金なども請求できるようになり、グレーなイメージは比較的取り払われたと言えます。
今後の動向としては、やや低迷が続く業界なので、より完結に借り入れから支払いまでを済ませられるようシステムの整備や、アジアを中心とした海外への進出が鍵と言えるでしょう。
消費者金融の就職で使える!志望動機の書き方2つ

消費者金融を受ける際に志望動機を書くことになりますが、より良い印象を与えるためのポイントは大きく分けて2つあります。
それぞれのポイントを抑え、採用担当の方の目に留まる志望動機を作成しましょう。
- なぜ消費者金融を選んだのかを明記する
- 求められる人物像であるとアピールする
①なぜ消費者金融を選んだのかを明記する
まず、なぜ数ある業界から消費者金融への就職を目指しているのかを明記するようにしましょう。
あなたが採用担当なら、「私は消費者金融で働きたいです」という文章よりも、「業務を通じて困窮している方が経済的に立ち直る手助けをした」といった明確な文章の方が刺さるはずです。
しっかりと企業単体だけでなく、消費者金融業界への憧れを伝え、なぜ目指しているのかをわかりやすく伝えられるような文言を入れておきましょう。
②求められる人物像であるとアピールする
求められる人物像であることをアピールすることも大切です。消費者金融業界は誠実で真面目な、信頼を獲得しやすい人が向いているので、特に強調しましょう。
求められる人物像をアピールすることで、採用担当の方に自分こそ雇用するべき人材であるとアピールできます。
また、どのような人物像が求められているかを調べてきていることも伝わるので、業界研究をきちんとしている、熱心に志望している人材であることも伝わるでしょう。
消費者金融の志望動機例を紹介

私は、多くの人々の生活をより良くするための手助けをしたいという熱望から、この業界を志望しました。 大学時代にアルバイトとしてレストランで働いていた際、同僚のスタッフが前借りを依頼している姿を何度も見て、経済状況は人によりさまざまであることを痛感しました。どれほど消費者金融のサービスがいかに社会にとって価値あるものであるかを実感し、それ以降、業界について研究しています。 特に私はアルバイト経験を通じて、お金の問題は単なる物理的なもの以上に、心の安定や人生の選択に直結するものであると学びました。そして、そのような人々の悩みや困難に寄り添い、適切なサポートを提供する消費者金融の業務に私の経験や感受性が活かせると考えています。 人々の悩みや困難を深く理解し、適切なサポートを心から提供したいと考えており、この信念こそ、この業界で求められる人物像と一致していると自負し、志望いたしました。 |
まず結論を述べることで採用担当の方に集中を促し、その後、具体的なエピソードを用いて、どのように業界に憧れを持ったのかを述べています。
消費者金融への就職は適性があればきつくない!
今回は消費者金融業界について解説するとともに、志望動機の書き方などについても解説してきました。
消費者金融業界はきついイメージがあるかもしれませんが、一言で言うならば「困っている人を助ける」業界でもあるので、魅力を感じた方はぜひインターンなどにも参加してみてください。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。