就職活動において内定をもらうことはゴールの1つではありますが、そこで終わりではありません。
その企業に就職する際も返事の仕方が大切です。この記事では保留したい人、辞退したい人に向けても解説していきます。
内定をもらっても返事で気を抜かない
内定をもらっても、返事で気を抜かないようにしましょう。失礼のない、正しい方法で返事をすることが大切です。
これから働くことになるかもしれない企業に対して、正しく、マナーを守った返事をしましょう。流石に返事1つで内定が取り消されることは滅多にないですが、良い印象を持ってもらって損はありません。
適切な返事をし、卒業後働くにあたり、少しでも印象を良くしておきましょう。
内定の返事は1週間以内に出すのがマナー
内定の返事は早ければ早いほど良いですが、遅くとも1週間以内に提出するのがマナーとされています。
また、内定通知には返答期限が記載されていることがほとんどなので、たとえそれが1週間以上後でも、その期限内ならば特に問題はありません。
ただし、早ければ早いほど良いとされているので、「内定をもらった企業で働くと決めているけれども、面倒なので期限ギリギリまで伸ばす」ことは避けましょう。
内定の返事をするときの注意点2つ
内定の返事をするにあたっての注意点は大きく分けて2つあります。
それぞれの注意点を抑えて内定の返事をすることで、より良い印象を与えられるでしょう。
- 基本的に電話でする
- 静かで落ち着いた環境を選ぶ
①基本的に電話でする
内定の返事を行う際は、基本的に電話でするようにしましょう。
電話の方が対話をリアルタイムで行えますし、感謝の意や返答の内容を直接伝えることができ、その場でのやり取りを通じて誠意をアピールしやすくなります。
とはいえ、内定の通知がメールで来た場合は電話が必須というわけではなく、メールで回答しても問題はありません。ただし、可能であれば電話で返事をすると、より印象が良くなるでしょう。
②静かで落ち着いた環境を選ぶ
内定の返事の電話をかける際は、静かで落ち着いた環境を選ぶようにしましょう。
もちろん、静かで落ち着いた場所の方がお互いの声が聞き取りやすいですし、コミュニケーションを取りやすく、落ち着いて話ができます。
それよりも大きな理由は、シンプルで「騒がしい場所から電話をかけると失礼」だからです。内定を知って数分以内に電話をかける必要はありませんので、静かな場所から電話をかけましょう。
内定の返事を延期したい時の対処法と注意点2つ
内定の返事を延期したい時の対処法、そして注意点を2つ解説していきます。
内定の返事を延期したい場合は、下記の内容を参考にして、失礼の無いようにしましょう。
- 【対処法】期日を決めて伺いを立てる
- 【注意点①】延期は1回まで
- 【注意点②】理由は正直に伝える
【対処法】期日を決めて伺いを立てる
内定の返事を延期したい時の対処法として、期日を決めて伺いを立てることがあります。
「回答を〇日までお待ちいただけますでしょうか」と自分で期日を決めて、伺いを立てると主体的な印象を与えられるでしょう。
期限の延長は1週間~10日が一般的とされているので、著しく逸脱した期限を提案しないようにすることが重要です。自分が企業側の目線に立って、誠実だと感じる対応を心がけましょう。
【注意点①】延期は1回まで
これは当然のことかもしれませんが、内定の返事をする期限の延期は1回までにしましょう。
あなたが企業の採用担当だったとして、何度も内定の延期を申し出てくる学生を見れば「弊社のことはどうでもいい、滑り止めくらいに思っているのでは?」と疑念を抱くはずです。
友人間の付き合いと考えても、予定を何度も延期する人は不誠実に映ります。それを就職を希望している企業に対してやってしまうということは、不誠実極まりない印象になるでしょう。
【注意点②】理由は正直に伝える
内定の返事を延期するにあたり、理由は正直に、嘘をつかず伝えるようにしましょう。
正直に、「他に受けている企業がある」で問題ありません。「家庭の事情」や「体調が悪い」など、不自然な理由や筋が通らない理由をこじつけても意味が無いので、正直に伝えましょう。
むしろ「言いにくいことをはっきりと伝えられる」と好印象を持たれる場合もあるので、嘘はつかず、正直に延期の理由を言うことが大切です。
【電話】内定の返事をするときの例
内定の返事をする電話でする際の例を、承諾、辞退、保留の3つに分けて解説していきます。
それぞれ、当てはまるものを参考にしてください。
- 承諾する場合
- 辞退する場合
- 保留する場合
①承諾する場合
もしもし、〇〇と申します。 先日、ご連絡いただいた内定に関してお電話させていただきました。まず、この度は貴社からの内定を賜り、心より感謝しております。 長い選考の中での様々な経験や学びを通して、貴社のビジョンや方針に深く共感し、自分のキャリアとも重なると感じました。 大変嬉しく、そして光栄に思っております。私はこの機会を最大限に生かし、貴社とともに成長し続けていく所存です。 そして、積極的に新しいチャレンジをし、貴社の一員として貢献していきたいと強く思っております。 内定の件、心より承諾させていただきます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 |
内定者であることと名前を明確に伝え、感謝の気持ちをしっかりと示しています。
また、会社に対する熱意や未来への意気込みを簡潔に伝えているのもポイントです。
②辞退する場合
もしもし、〇〇と申します。先日、ご連絡いただいた内定に関してお電話させていただきました。まず、この度は貴社からの内定を賜り、心より感謝しております。 貴社での面接や選考を通じ、非常に魅力的な企業文化や方針を感じましたし、私のキャリアとの連動も十分に考えられると感じております。 しかし、深く悩んだ結果、今回は内定を辞退させていただく判断を下しました。これには個人的な理由や状況が影響しております。 大変恐縮ではございますが、ご理解いただけますと幸いです。 貴社との出会いを大変貴重に思っておりますので、今後のさらなる発展を心よりお祈り申し上げます。 |
内定者であることと、先に自分から名乗り、名前を明確に伝える点を重視しています。
感謝の気持ちを前面に出すことで、辞退の理由が会社側に無いことを強調しているのもポイントです。
③保留する場合
もしもし、〇〇と申します。先日、貴社から賜りました内定の件に関しまして、お電話させていただきました。 まず、この度はご高配に内定を賜り、心より感謝申し上げます。貴社での面接や選考を通して、多くの魅力や可能性を感じております。 ただ、正直に申し上げますと、他にも選考を受けている企業からの返答を待っている状況です。誠に恐縮ですが、最終的な判断をするために、少し時間をいただくことは可能でしょうか。 具体的に申し上げるならば、ちょうど1週間後の今日、火曜日までお待ちいただけますと幸いです。 ご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありません。 ご理解のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。 |
内定への感謝の気持ちを最初にしっかり伝えた上で、正直かつ丁寧に保留の理由としての状況を伝えることを重視しています。
【メール】内定の返事をするときの例文
内定の返事をメールでする際の例文についても解説していきます。
承諾する場合、辞退する場合、保留する場合に分けて解説していくので、自分の状況に合わせて参考にしてください。
- 承諾する場合
- 辞退する場合
- 保留する場合
①承諾する場合
件名:内定の件について ○○株式会社 人事部 ○○様 拝啓、時下ますますのご清祥のこととお喜び申し上げます。 このたびは○○株式会社からの内定を賜り、誠にありがとうございます。深く感謝申し上げます。 選考の過程を通じて、御社の理念や取り組みに大きな共感を感じ、今後のビジョンにも大変興味を持ちました。4月から御社の一員として働くことを楽しみにしております。 私はこの機会を最大限に活かし、御社とともに成長し、新しいチャレンジを積極的に行いたいと思っております。内定の件、心より承諾させていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 敬具 2023年9月8日 〇〇 |
始めに感謝の言葉を述べ、その後「4月から御社の一員として働くことを楽しみにしております」という表現を用いて承諾の意思を明確に示しています。
②辞退する場合
件名:内定辞退のお詫び ○○株式会社 人事部 ○○様 拝啓、時下ますますのご清祥のこととお喜び申し上げます。 先日、○○株式会社から賜りました内定に心より感謝申し上げます。貴社の取り組みや理念には深く共感しており、このような素晴らしいチャンスをいただけたことを大変光栄に思っております。 しかし、重ねてのご無礼とは存じますが、長い時間をかけて検討した結果、今回は内定を辞退させていただくことと決断しました。これには個人的な理由や状況が大きく影響しております。 このような結果となり、大変申し訳ございません。貴社との出会いを大変貴重に思っておりますので、今後のさらなる発展を心よりお祈り申し上げます。 敬具 2023年9月8日 〇〇 |
件名で内容が一目でわかるよう心掛けつつ、まず内定への感謝を伝え、その上で辞退の決断を伝える形を取っています。
③保留する場合
件名:内定に関するお返事のお願い ○○株式会社 人事部 ○○様 拝啓、時下ますますのご清祥のこととお喜び申し上げます。 先日、○○株式会社からの内定を賜り、心より感謝申し上げます。貴社の理念やチームの取り組みには深く感銘を受けました。 しかしながら、現在、他の企業からも選考結果を待っている状況です。そのため、最終的な判断を下すまで、少し時間をいただくことは可能でしょうか。大変恐縮ですが、10日程度の猶予を頂戴できればと考えております。 このような状況をご理解いただき、ご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。どうかよろしくお願い申し上げます。 敬具 2023年9月8日 〇〇 |
まず、内定への感謝をしっかり伝えつつ、次に、保留の理由として他社の選考結果を待っている旨を明確にしています。
また、目安として10日間の猶予を求めることを具体的に伝え、誠意を示しているのもポイントです。
内定承諾書の添え状の書き方例
○○株式会社 人事部長 ○○ 様 拝啓、貴社ますますのご発展をお祈り申し上げます。 先日は内定のご連絡を賜り、誠にありがとうございます。長い選考の中、私を選んでいただいたことに心よりの感謝の気持ちでいっぱいです。 貴社での職務に就くことを前向きに検討させていただきました結果、ここでの経験が私のキャリア、そして貴社の更なる成長に貢献できると確信しました。添付させていただいております承諾書にサインをいたしましたので、ご確認いただけますようお願い申し上げます。 新たな環境での挑戦に胸を躍らせております。貴社での業務を開始する日を楽しみにしております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 敬具 2023年9月8日 〇〇 |
まず感謝の言葉を前面に出し、その後、業務への意欲や期待を示す文言を取り入れ、承諾の意思を強調しています。
内定承諾後に辞退もできる
多くの人が勘違いしていることですが、内定承諾書に法的拘束力はありません。
内定承諾書への署名は「労働契約の成立」を意味するものですが、同時に労働者には労働契約の解除、退職の自由意志が認められているからです。
もちろん、「辞退できるから、とりあえず承諾しておけばいいや」と軽い気持ちで承諾して、断るということを続けたら、SNSがある今の時代何があるかわかりませんし、不誠実なことはやめましょう。
内定の返事のマナーを守って気持ちの良いやり取りにしよう
今回は内定の返事の方法について電話とメールでの例文を紹介しつつ、承諾だけでなく、辞退や保留の際の注意点も紹介しました。
就職する企業でも、そうでない企業でも、あなたを迎え入れたいと思ってくれたことに変わりはありません。できる限りの誠意を尽くして対応しましょう。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。