就職活動を進めるにあたり、「内定」はもちろんのこと「内々定」という言葉もよく目にすることでしょう。
しかし、具体的に「内定」と「内々定」の違いがわからない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「内定」と「内々定」の違いについて詳しく解説していきます。また、内定が取り消される理由や、取り消された場合の対策についても見ていきましょう。
就活全般をサポート!便利なツール集
- 1AIでES自動作成|ES作成を丸投げ
- LINE登録でESを自動作成してくれる
- 2志望動機テンプレシート|時間短縮
- 早く質の高い志望動機が作れる!
- 3自己PR作成ツール|お手軽完成
- 基本構成を押さえてすぐに作成!
内々定と内定の違い

内々定と内定の違いついて確認する前に、内々定と内定の定義についてそれぞれ解説していきましょう。
両者の違いがわからないと、まだ就活を終えてはいけないのに終わった気になったり、反対に就活を終えても良いのに、まだ続けてしまったりするので、きちんと整理しておきましょう。
- 内定とは
- 内々定とは
- 内定と内々定の違い
内定とは
就職活動における「内定」とは、企業が求職者に対して正式な採用意向を示した通知のことを指す言葉です。
内定が「出された段階」では、労働契約が成立しているわけではありませが、内定を受け取った側がそれを「受諾」することで、双方の間に労働契約が生じます。
つまり内定を受諾するということは「企業と労働契約を結ぶ」ということなので、基本的に撤回はできませんし、企業側からも取り消しはできません。
内々定とは
一方で「内々定」とは内定の事前約束のようなものであり、「特に理由がなければ、そのまま採用される」という状態のことを指します。
内々定は内定解禁日よりも前に出すことができるので、優秀で、企業からすれば絶対に逃したくないような学生に対して早い段階で出されることも多いです。
ただし、内々定は口約束のようなもので、法的拘束力が無いため取り消しも可能と言えます。たとえ契約書やサインを交わしていたとしても法的拘束力は無く、企業・志望者どちらも取り消し可能です。
内定と内々定の違い
内定と内々定の違いは一言で言うならば「労働契約が成立しているかどうか」です。
先ほど簡単に解説したように、内定は労働契約が成立していますが、内々定はいわば口約束のようなものなので、用意に取り消しできます。
内定は基本的に取り消しが志望者・企業双方ともにできず、内々定はどちらからも申し出ることができ1.る、と覚えるとわかりやすいでしょう。
1. 内々定は労働契約がないが内定は労働契約がある
内々定と内定の最大の違いは、労働契約が成立しているかどうかにあります。
内々定の段階では、企業が採用候補者に採用の意思を示している状態ですが、まだ正式な雇用契約には至っていません。
一方、内定の段階では、「始期付解約権留保付労働契約」として労働契約が成立しています。
内定者は法的には既に従業員として扱われ、企業との間に雇用関係が生じているのです。
2. 内々定は企業側も取り消せるが内定は厳格な要件がある
内々定と内定では、取り消しの要件に大きな違いがあります。
内々定は法的な労働契約が成立していないため、企業側が比較的自由に取り消すことが可能です。
一方、内定は「始期付解約権留保付労働契約」として扱われ、取り消しには厳格な要件が求められます。
つまり、内々定は企業にとって有利な立場での判断が可能ですが、内定に関しては労働者保護の観点から制約が強く設けられていると言えるでしょう。
内々定が取り消される3つの理由

先述したように、内々定の場合は残念ながら取り消される可能性もあります。
内々定が取り消される理由は大きく分けて3つあるので、自分が志望する会社が当てはまりそうにないか、あらかじめ確認しておきましょう。
- 企業の経営が困難になった
- 就活生の都合が合わない
- 就活生が問題を起こした
①企業の経営が困難になった
一旦内々定を出したものの、その後企業の経営が困難になることは、不景気のこの時代において珍しいことではありません。
業績の良くない会社が真っ先に削減するものは人件費ですし、既存社員よりもまだ入社していない、内々定を出しただけの学生の方が、先に削減対象となる可能性が高いでしょう。
また、当然ながら内々定取り消しは志望者側からも申し出ることができるので、業績を調べて「この企業は長続きしないのでは?」と不安になり、内々定を断ることもできます。
②就活生の都合が合わない
就活生の都合が合わない場合も、内々定取り消しとなる可能性が高いです。
この理由で内々定取り消しになるケースとして、「単位を取得できず、留年することになったから」というものも多くあります。
企業からすれば「予定していた年度に入社してもらえない」という表向きの理由はもちろん、「いいかげんな人材である」と判断し、取り消しとなることも多いでしょう。
③就活生が問題を起こした
就活生が問題を起こした場合も、内々定の取り消し対象となる可能性が高いです。企業も複数の学生の中から、わざわざ問題児を採用したいとは思いません。
「問題」にもさまざまありますが、特に多いのは何かしら事件や事故を起こした、学歴や経歴について嘘をついていた、などが挙げられます。
また、近年ではSNSが原因で取り消しとなるケースもあり、社会通念に反した投稿をする人は、まず内々定取り消しとなるでしょう。企業によっては「裏アカ」を持っていないか入社前に調査することもあるため、注意しましょう。
内定が取り消された時の2つの対処法

内定が取り消された際の対処法は大きく分けて2つあります。
目的や、どのくらいその企業を志望していたのか、就活の進み具合などによって異なってきますので、状況に応じて下記の2つを使い分けてください。
- 専門家に相談する
- 切り替えて行動する
①専門家に相談する
内々定取り消しに遭った際、どうしても入社を諦めきれない場合は専門家に相談しましょう。
全国の労働基準監督署などに設置されている「総合労働相談コーナー」では労働分野の相談を行っているので、相談してみるのも選択肢の1つです。
基本的に内々定には法的拘束力が無いとされていますが、不当として損害賠償請求が通ったケースもあります。
参考:全国労働基準関係団体連合会「コーセーアールイー事件」より
②切り替えて行動する
確かに粘れば内定取り消しを撤回できる可能性はありますが、多くの場合は切り替えて就活を続ける方が良いでしょう。
そもそも、一度内定を取り消された企業と争って、無理矢理内定を勝ち取ったところで、就職後は非常に気まずい思いをする可能性が高いでしょう。
驚くほど条件が良い企業だった、他の企業全てに落ちてしまった、自他ともに認める強靭なメンタルの持ち主である、などでない限り、切り替えて他の企業を受けることをおすすめします。
内々定と内定はそれぞれ辞退できるの?
就職活動中に内定や内々定をもらった学生は、複数の企業から内定を得ることも珍しくありません。
しかし、内定や内々定の辞退の際には、企業への配慮や適切な対応方法を知っておくことで、スムーズな就活を進めることができるでしょう。
①内々定は辞退しても問題ない
内々定は法的拘束力がないため、辞退しても基本的に問題ありません。
企業と応募者の間には正式な労働契約が成立していないため、内々定段階での辞退は比較的自由です。
ただし、辞退する際は誠実で丁寧な対応が重要で、企業に感謝の意を示しつつ、明確な理由を添えて丁寧に連絡することが求められます。
また、できるだけ早めに意思表示をすることで、企業の採用活動に支障をきたさないよう配慮しましょう。
②内定承諾後も辞退することはできる
内定承諾後の辞退は法的に可能で、入社の2週間前までに解約の意思を伝えれば労働契約を解消できます。
ただし、企業側には多大な迷惑がかかることを理解しておくことは必要です。
辞退する際は、誠実で丁寧な対応を心がけ、できるだけ早めに正直な理由を伝えましょう。
また、場合によっては入社前研修費用の返還を求められる場合もあり、その際には基本的には応じておくことがおすすめです。
内々定・内定に共通の辞退する際の注意点
内々定や内定を辞退する際は、企業との良好な関係を維持することが重要です。
誠実で丁寧な対応を心がけ、相手の立場に立って考えながら、慎重に行動することが求められます。
以下に、辞退する際の具体的な注意点をご紹介します。
①辞退は取り消せないのでよく考えてから伝える
一度辞退を伝えてしまうと、企業側から再度の採用を受けることは非常に難しいため、内々定や内定の辞退は慎重に判断する必要があります。
自分のキャリアプランや将来の展望を十分に検討し、本当に辞退したいのかを慎重に見極めることが重要です。
特に、他の内定先との比較や、自分のスキル、成長の可能性、企業の将来性などを多角的に分析し、冷静に判断しましょう。
②音信不通や連絡なしでの辞退は絶対に避ける
内々定や内定を辞退する際には、音信不通や連絡なしは絶対に避けるべきです。
企業はあなたの入社を前提に採用活動を調整し、人員配置や研修計画を立てているため、無連絡で辞退すると多大な迷惑がかかります。
また、将来のキャリアにも悪影響を及ぼす可能性があるため、誠実なコミュニケーションが重要です。
たとえ辞退しにくい状況でも、誠意を持って早めに丁寧に辞退の意思を伝えるようにしましょう。
③決まったらできるだけ早く連絡する
内々定や内定を辞退する際には、決まったらできるだけ早く企業に連絡することが重要です。
企業は採用予定者の入社を前提に準備を進めているため、辞退の連絡が遅れると、人材確保や採用計画に支障が生じてしまうでしょう。
早めに辞退を伝えることで、企業は代替の候補者を探したり、選考を再開したりする対応が可能です。
また、早期の連絡は企業に対する誠意と配慮を示すことにもつながり、将来的なビジネス関係にも良い影響を与えます。
④連絡の際は誠実な対応を心がける
内々定や内定を辞退する際は、企業に対して誠実な態度で接することが最も重要です。
単に「辞退します」と伝えるのではなく、これまでの採用プロセスで費やしてくれた時間と労力に感謝の意を示しましょう。
また、早めの連絡を心がけ、企業側が次の候補者を検討できるよう配慮することも大切です。
近い業界であれば将来的にどこかでまた縁があることもあり、誠実な対応は良い評価につながる可能性があります。
内々定に関する質問2つ

内々定に関してよくある質問を2つ、代表例として選出し回答していきます。
下記の2つは、就職活動において抱く可能性が高い疑問なので、就活を始める前だとしても、簡単に確認しておきましょう。
- Q1|内定が出てから承諾するまでの期間はどのくらい?
- Q2|内定辞退したい時はどうすればいい?
Q1|内定が出てから承諾するまでの期間はどのくらい?
内定が出てから承諾するまでの期間についてですが、理想は2.3日、長くとも1週間くらいと考えておきましょう。
企業側の気持ちになって考えると、他の志望者との兼ね合いもあるので、早く返事をして欲しいはずです。返事をしないで放置していると内定取り消しとなるケースもあります。
焦って、あまり希望しない企業への就職を決めてしまうのは良くありませんが、数日中により行きたい企業の合否が出る場合以外は、可能な限り早く承諾しましょう。
Q2|内定辞退したい時はどうすればいい?
内定辞退をしたい場合は、必ず電話で伝えることが大切です。「ただでさえ断りにくい話題なのに、わざわざ電話でしなくてはならないのか…」と思った人も多いでしょう。
メールで内定辞退を伝える人も居ますが、電話の方がより誠意があるとみなされますし、一般的です。
また、近年ではSNSの発展により、どこから情報が漏れるかわかりません。逆恨みなどを避けるためにも、最後まで誠実に対応することが懸命と言えます。
内々定と内定の違いは契約しているかどうかの違い

今回は内々定と内定の違いについて解説し、内定が取り消されるパターンや、取り消された際の対処法なども解説してきました。
内々定と内定の違いは、一言で言うならば「契約しているかどうか」です。この知識を踏まえた上で効率良く就活し、ぜひ第一志望への就職を叶えてください。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。