自己分析で自己PRや長所を考えているとき、2つの違いで悩んだり、似た内容になってしまい、「これでも問題ないだろうか」と思うことはありませんか。
そこで今回は、自己PRと長所の違いを解説します。また自己PR・長所の違いや注意点をまとめているので、ぜひ本記事を参考に自己PR・長所を書いてみてください。
自己PRと長所の違いを解説
自己PRでは、企業が自分を採用するメリットを提示しましょう。企業は「うちで活躍できるのか」と考えているので、仕事に役立つ強みをアピールします。
一方、長所では自分の人柄を簡潔に述べてください。企業は早期離職を避けたいため、人柄を知ることで自社になじめるかをチェックしています。
自己PR・長所どちらも、企業に採用してもらうことが目的です。自己PRと長所は、志望動機や用意しているエピソードと矛盾しない内容か、注意してくださいね。
自己PRと長所は一貫性が必要?関連性と実際の例を紹介

自己PRと長所は、質問の意図が異なっても内容には関連性があります。
- 自己PRと長所は関連性がある
- 自己PRに利用できる長所リスト
自身の自己PRや長所を考える際には、上記の内容も把握しておきましょう。
①自己PRと長所は関連性がある
長所には、就活時にアピールできる強みが隠れている場合があります。そのため、自己PRと長所はセットで考えてみてもよいでしょう。
自己PRは「この性格が活かせるのはどんなシーンだろう」、長所は「この強みは、他の人が見たらなんて言うだろう」と考えてみてください。
一方で、自己PR・長所を同じ言葉で表現しないようにしましょう。自身のある一面だけをアピールする場合でも、さまざまな言い換えができますよ。
②自己PRに利用できる長所リスト
長所は言い換えるだけで、自己PRでも書ける内容になりますよ。自己㏚にもなる長所として、
- 諦めない(粘り強い)
- 慎重(考えてから行動する)
- 好奇心が旺盛(チャレンジ精神がある)
- 情報収集力が高い(広い視野で判断できる)
- 場を盛り上げるのが得意(コミュニケーション力が高い)
などがあります。カッコ内が自己PRに言い換えた例です。悩んでしまったときは自分の部分をたくさん書き出すと、意外な長所や自己PRにできる一面が見つかります。
自己PRと長所の書き方の違い

自己PRと長所の関連性を理解できたでしょうか。次に、履歴書やエントリーシートに書く際のポイントを紹介します。
- 自己PRの書き方
- 長所の書き方
自己PRと長所の違いや書くときの注意点を意識すると、伝えたい内容が明確になりますよ。
①自己PRの書き方
自己PRは、PREP法に則った流れを意識しましょう。PREP法とは以下の順番です。
- 結論
- 理由
- エピソード
- 結論
PREP法は、冒頭と末尾で結論を述べます。最初に結論を述べることで、相手に何の内容を話すのかを示し、最後にもう一度結論を繰り返して相手の印象に残してください。
自己PRでは、結論で自身の強みを伝えましょう。自己アピールは主観的になってしまうため、根拠となる具体的なエピソードを付け加えると説得力が増します。
②長所の書き方
長所を書くときも、基本的な構成は自己PRと同様にPREP法を意識しましょう。
- 結論
- 理由
- エピソード
- 結論
長所の記入欄は、自己PRと比べると小さめなので、エピソードは具体的にしすぎないように注意してください。200文字程度を目安にするとちょうど良いボリュームになります。
また多くの企業は、「どんな活躍ができるのか」を重視しているので、長所よりも自己PRの内容を充実させたほうが貢献度をアピールできますよ。
自己PRと長所の回答例

次に、自己PR・長所それぞれの回答例を3パターン紹介します。各例文は、自己PRと長所が関連した内容になっているので、ぜひ考える際の参考にしてみてください。
①積極性と優しさ
以下の内容に関する例文を、解説とともに紹介します。
この例文は、優しさが積極的な行動のもとになっている人です。
自己PRで積極性をアピール
私の強みは、積極的に仲間を巻き込み、協力して目標を達成できる点です。 私のアルバイト先は作業分担が明確になっていますが、当初は予想外の混雑により一部の作業で人手が足りなくなることがありました。 そこで、混雑を乗り越え、混乱なく営業するには、自分の担当外でもサポートし合うことが不可欠だと考え、各担当業務ごとのマニュアルを作成しました。そして、手が空いた時には誰でもサポートに回ることができるよう全員に共有しました。 声をかけあいピークタイムを乗り越えることができるようになり、スタッフ間の結束力や満足度も向上したと自負しております。 御社は少数精鋭という組織体制をとりながら、確実に成果を上げていると伺っております。 気づいたことには積極的に行動する姿勢を活かし、組織の一員としてできることを常に問いながら、御社の発展に貢献したいです。 |
この例文は、アルバイトでのエピソードを通して積極的な一面をアピールしています。一時的なものではなく、日常的に積極性が高いと説得力が増しますよ。
アピールした強みが、仕事においてどのように活かせるのかを忘れずに伝えましょう。自己分析PRでは、企業が採用するメリットを提示することが大切です。
長所で優しさをアピール
私は、周囲から優しさを評価していただくことが多いです。 また、私自身も、困っていそうな人にはいち早く声をかける姿勢が長所だと思っております。 アルバイト先では、困っている様子の新人がいたら、迷わず声をかけています。 困ったことや分からないことをそのままにしてほしくない、という思いもありますが、それ以上に、全員が働きやすい環境にできたらという思いが強くあるためです。 御社では積極的にコミュニケーションをとることで、円滑な業務に貢献したいと考えております。 |
なぜ優しいと言われるような言動をしているのか、自身の行動原理を伝えると軸がある人だと印象付けられます。
②責任感と真面目さ
以下の内容に関する例文を、解説とともに紹介します。
責任感と真面目な性格は、まさに言い換えたパターンです。
自己PRで責任感をアピール
私の強みは、与えられた仕事に対して手を抜かずにやり抜く点です。 文章を書くのが得意な私は、クラウドソーシングサービスを通してライティングを請け負っております。 配布されたマニュアルは熟読したうえで作業に落とし込むため、マニュアルに記載されている内容の修正を提示されたことはありません。 また締め切りを破ることは決してせず、素早いレスポンスを心がけて仕事に取り組んでおります。 現在は3か所と契約しておりますが、そのうち1か所とは1年以上契約をしていて、仕事に対して高い評価をいただいております。 私の仕事に対しての責任感と誠実さは、御社が求めている人物像とマッチしていると考えております。入社後も、仕事に丁寧に向き合い、期待以上の成果を出すことができるよう全力を尽くす所存です。 |
具体的なエピソードによって、責任感が強い根拠を述べています。客観的に見ても「責任感が強い人だ」と思えるエピソードが、就活時にはおすすめです。
また学生時から仕事への責任感を持っていることは、企業へのアピールとなります。例文のような請け負いの仕事に限らず、アルバイトでも十分アピールできますよ。
長所で真面目をアピール
私の長所は、自他ともに認める真面目な性格です。 大学時代は、興味を惹かれるサークルが無かったため、ボランティア活動に精を出していました。 勉学と両立できる程度ではありましたが、全ての活動に参加したため表彰していただくこともできました。 また、一つの物事に対し集中するため、人の2倍のスピードで作業を終わらせサポートに回ることもありました。 自分の持てる能力を惜しみなく出せる、私の真面目な性格は、御社においてどの業務でも貢献できると考えております。 |
長所も、自己PR同様に企業でどのような貢献ができるのかを述べましょう。魅力的な一面も、企業がメリットを感じないと就活では役に立ちません。
③正確性と几帳面
以下の内容に関する例文を、解説とともに紹介します。
几帳面だからこそ、正確性は強みとして自信を持っていえるアピールポイントです。
自己PRで正確性をアピール
私の強みは、正確性が高い仕事ができることです。 アルバイトで工場のライン作業をしているのですが、正確にかつスピーディーに行うように意識しております。 当初は作業ミスが無いか不安でしたが、検品作業をしているベテランの方から、「〇〇さんが担当したものは、不良品が無いよ」と言われたことをきっかけに、自信を持って仕事をするようになりました。 工場バイトは2年経ちますが、現在では正確に作業するコツを新人の方に伝えたり、正確性を維持しつつ、より効率的に動けないか試行錯誤しております。 御社ではこの正確性を活かして、滞りなく橋渡しができる営業事務として活躍したいと考えております。 |
バイトやサークル・ゼミの活動を通して、正確性が活かされたエピソードがあれば、より自己PRに説得力が増します。
例文のように、他人からの評価がきっかけで自身の強みに気づくこともあるので、自己分析でつまづいている人は、普段関わりがある人に自分の印象を聞いてみてもよいですね。
長所で几帳面をアピール
私は、よく友人や家族から「几帳面だよね」と言われます。 私自身が几帳面だと思う部分は、何事に対してもすぐに記録をつける点です。 サークルやバイト先においても、各メンバーの状況を観察しつつ、トラブルや改善点を細かく記録していました。詳細な記録をもとに会議において解決策を考案することもあり、同期から感謝の声を聞くことができました。 入社後も、学びの姿勢を忘れず、自身の行動を定期的に振り返り改善を繰り返して、着実に成長できる営業として活躍できればと考えております。 |
長所と強みは関連性があるため、長所そのものが強みとなる場合もあります。自己PRでも、長所でも、企業にとってのメリットの提示は欠かせません。
自己PRと長所を伝えるときのポイント
自己PRと長所を効果的に伝えるためには、それぞれの違いを理解し、伝え方を工夫することが欠かせません。ここでは、ポイントを押さえた伝え方を具体的に解説します。
- 同じ話を繰り返さない
- 伝えたい強みを一つに絞る
- 具体的な事例を交える
①同じ話を繰り返さない
自己PRと長所を伝える際、同じ話を繰り返すのは避けましょう。
自己PRは、自分の経験やスキルを通して「何ができるか」を示す場面であり、採用担当者に具体的な強みをアピールすることが大切です。
一方、長所は性格や行動特性を伝えることで「どのように仕事に取り組むか」を表現します。
例えば、自己PRではリーダー経験を詳しく説明し、長所では「協調性」や「柔軟性」を強調するといった具合に、視点を変えてアプローチするのがおすすめです。
②伝えたい強みを一つに絞る
自己PRと長所を伝える際は、強みを一つに絞ることが重要です。複数の強みを盛り込もうとすると、メッセージがぼやけてしまい、結果的にどのポイントも印象に残らなくなります。
たとえば、「問題解決能力」が強みであれば、それに関連する具体的なエピソードや成果を自己PRに盛り込み、同じ強みを長所でも伝える場合には、視点を変えて説明します。
自己PRでは成果や実績にフォーカスし、長所ではその強みが性格や日常の行動にどう現れているかを補足することもおすすめです。
③具体的な事例を交える
加えて、抽象的な表現だけでは説得力に欠けますが、具体的なエピソードを入れることで、あなたの強みや特徴に説得力とリアリティを持たせることができます。
エピソードを語る際は、自分の考えや行動、周囲の人の反応や評価も盛り込むことがポイントです。
例えば、「協調性がある」という長所であれば、チームで課題を解決した具体的な経験や、その結果として得られた評価などを交えると、より説得力が高まります。
数字を用いて成果を示すことも効果的で「10%生産性が向上した」「100万円の寄付を集めた」といった具体的な数値は、あなたの能力を客観的に示すことができます。
自己PRと長所を伝えるときの注意点2つ

自己PRと長所どちらも答える場合に備えて、以下の注意点を把握しておきましょう。
- 企業が求める人物像に合わせる
- 自己PRと長所のイメージに一貫性を持たせる
せっかくの魅力的な一面も伝わらなければ意味がないので、2つの注意点は意識してくださいね。
①企業が求める人物像に合わせる
前提として、内容が企業が求めている人材とマッチしているかがポイントです。企業が求める人材は、企業の公式HPにある採用ページにて確認できますよ。
希望する職種がある人は、アピールしようと思っている強みが活かせるのかをチェックしましょう。例えば営業職で慎重な姿勢をアピールすると、ややズレが感じられます。
見栄を張って、誇張した内容にするのはNGです。入社できたとしても仕事内容や職場環境が合わず、早期退職するおそれがあるので、等身大の内容を答えてくださいね。
②自己PRと長所のイメージに一貫性を持たせる
短所や長所、自己PRが矛盾しないように注意しましょう。長所と短所に気を取られてしまい、短所と自己PRが矛盾してしまうことがあります。
また、自身を表現するうえで一貫性も重要で、一貫したイメージにすることで「△△さんは、こんな人だった」と面接官の印象に残りやすくなります。
言葉の選び方ひとつで印象が変わるので、気を付けてください。短所を伝える際でもネガティブな言葉は避け、前向きなイメージに言い換えると、好印象を与えられますよ。
自己PRと長所が思いつかないときにするべきこと
自己PRや長所が思いつかないと悩む方も多いでしょう。
しかし、自分の強みを見つける方法はたくさんあります。ここでは、効果的な手法や考え方を見ていきましょう。
- これまでの経験を振り返る
- 短所を前向きに解釈して強みに転換する
- 周囲の人から意見をもらう
- 自己分析・企業研究を行う
①これまでの経験を振り返る
これまでの経験を振り返る際は、過去の成功や失敗を具体的に思い出すのが重要です。
まず、自分が経験した仕事、学業、課外活動などを時系列で整理してみましょう。各経験において、どのような課題に直面し、どう対処したかを詳細に書き出してください。
特に、困難を乗り越えた経験や、チームで成果を出した場面に注目すると良いでしょう。
「なぜそうしたのか」を何度も自問自答することで、自分の性格や価値観、強みを発見できます。
②短所を前向きに解釈して強みに転換する
自己PRや長所が思いつかない場合、自分の短所を前向きに捉えて強みに転換する方法があります。
短所は改善の余地がある性質として考えられるため、そこからポジティブな要素を見つけることが可能です。
例えば、「慎重すぎる」という短所を「丁寧に物事を進められる」と解釈し直せば、責任感や注意深さといった強みとしてアピールできるでしょう。
また、「飽きっぽい」という短所は「新しいことに挑戦する意欲が高い」といった成長志向の証として伝えることができます。
③周囲の人から意見をもらう
自分の長所や自己PRを見つけるには、友人や同僚、家族、先輩など、あなたをよく知る人に「私の良いところは何だと思う?」と率直に聞いてみましょう。
他人の目から見た自分の特徴は、自分では気づいていない魅力や強みを発見するきっかけになり、特に職場の上司や同僚は、あなたの仕事ぶりを客観的に評価できる最適な人物です。
これまでの仕事で褒められたことや、任されてきた仕事、周りから頼りにされている点などをヒアリングすることで、自分の強みを具体的に言語化できるのです。
④自己分析・企業研究を行う
自己分析では、過去の出来事を「①成功・失敗した経験」「②その経験への取り組み方」「③なぜそのように取り組んだのか」の順で深掘りしてください。
特に「なぜ」を何度も問いかけることで、自分の性格や本質的な特徴を見つけられます。
企業研究では、志望企業の求める人材像や企業文化を理解し、自分のどの強みや長所がマッチするかを考えます。
求人票や企業ウェブサイト、ニュースなどから企業の価値観や課題を把握し、自分の経験とどう結びつくかを具体的に整理しましょう。
自己PRと長所の違いを理解して企業の魅力をアピールしよう
自己PRや長所の内容を考えるためにも、自己分析や他人からの評価は欠かせない要素です。自己PRと長所を上手に活用して、企業に自分の魅力をアピールしましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。