就活の面接で将来像について聞かれることは、珍しくありません。しかしとっさの対応が難しいため、事前準備が必須です。
本記事では就活における将来像について、質問の理由・伝え方・ポイント・例文・見つけ方を紹介していきます。記事を読めば、将来像に関する質問に対する準備ができ、本番で臆せず答えられるでしょう。
就活で将来像について企業が質問してくる3つの理由
企業が就活で将来像について質問する背景には、理由があります。事前に把握しておくことで、企業側の意図を汲んだ回答が可能となるでしょう。
- 入社意欲を確認するため
- 入社後の伸びしろを確認するため
- 企業と学生の親和性を確認するため
①入社意欲を確認するため
入社意欲を確認するために、将来像の質問をする場合があります。入社意欲が高い場合、当該企業での明確なキャリアビジョンが描けていると判断されるためです。
たとえば、どんな業務を行い成長して、どの業務に携わりたいのか、といった観点が挙げられます。
入社意欲の高さをアピールできれば、内定辞退の危険性が減るため、企業側も歓迎しやすくなります。
②入社後の伸びしろを確認するため
入社後の伸びしろを確認するために、将来像の質問をする場合があります。将来像が描けることは、目標がはっきりしていると評価されるためです。
目標が明確にあれば、それに向けて努力を着実に積み重ねられるでしょう。たとえば、「入社後5年以内には、新入社員の教育係につきたい」などの例が挙げられます。
入社後の伸びしろをアピールできれば、高い評価をもらえる可能性が高くなるでしょう。
③企業と学生の親和性を確認するため
企業の成長志向と学生の成長志向がマッチしているかどうかを見るために、将来像の質問をすることがあります。ミスマッチが起こると、いくら優秀な人材でも企業で活躍しきれないためです。
たとえば、入社後1年で一人前を目指してもらう企業において、もっと長い期間をかけて業務を習得していきたいと感じる学生は向いていません。
企業側は、学生との親和性を求めていることを把握しておきましょう。
就活における将来像の伝え方3ステップ
次に将来像の伝え方について、守りたい3つのステップを紹介します。全てを確認しておくことで、将来像作成がスムーズになるでしょう。
- 将来像を具体的に伝える
- その将来像を思い描く理由を伝える
- 実現までのプロセスを段階的に伝える
①将来像を具体的に伝える
まずは将来像を具体的に伝えてください。なぜなら、最初に結論を持ってくると、聞き手が理解しやすくなるからです。
伝えたい項目は、部署、仕事、役職、年次などが挙げられます。たとえば、「入社後5年以内に、新入社員の教育係になりたい」といった希望を述べることができるでしょう。
注意すべきは、その企業で実現可能な目標であるかどうかです。役職のつき方や部署異動については、企業ごとに決まりや風土が異なります。そのため、事前にリサーチしておくことがお勧めです。
②その将来像を思い描く理由を伝える
つぎに、その将来像を思い描く理由を伝えましょう。ここでは、根拠となる具体的エピソードを盛り込むことがお勧めです。なぜならエピソードがあることで、話に説得力が生まれるからです。
たとえば、学生時代に頑張ったことなどを述べると良いでしょう。
「アルバイトにおいて教育係を担った経験から、高い指導力を活かしたいと思っています。」など、より具体的なエピソードを持ってくるようにしてください。
③実現までのプロセスを段階的に伝える
実現までのプロセスを段階的に伝えることが大切です。なぜなら、目標を細かく設定することで、実現の可能性が上がるからです。また企業側に、入社意欲も示せるかもしれません。
伝え方は、分かりやすいように時系列順にしましょう。直近の方から順序立てて説明するとよりわかりやすいですよ。
たとえば、「入社後は新規開拓営業をおこない、顧客基盤をつくります。その後、深い信頼関係を築くことによって、新たなお客様を紹介してもらうことを目指します。」などと述べることが例として挙げられます。
就活で将来像について答えるときの2つのポイント
就活で将来像について答える際、押さえておきたいポイントが2つあります。これらを確認しておくことで、より良い文章を準備できるでしょう。
- OB・OGのキャリアビジョンを参考にする
- 企業の将来像との親和性を意識する
①OB・OGのキャリアビジョンを参考にする
OB・OGのキャリアビジョンを参考にしましょう。なぜなら、より実現可能な希望を出せるからです。
特に昇進や部署異動などのキャリアについては、企業によって辞令のタイミングが異なります。OB・OGの情報を集められれば、企業特有の風土について知れるでしょう。
お勧めは、OB・OG訪問ですが、難しい場合は大学の就職支援課などを通して情報を収集することも可能です。
②企業の将来像との親和性を意識する
企業の将来像との親和性を意識しましょう。なぜなら、企業と違う方向を向いていると、ミスマッチを引き起こしてしまうからです。
たとえば、積極的に海外進出をおこなっている企業について、将来グローバルな部署で働きたいと述べることが例として挙げられます。
企業の将来像と親和性が高いことをアピールできれば、入社後に活躍してくれる姿を容易に想像させられるでしょう。
就活で将来像を伝える際の例文3選
就活に使える将来像の文章を、イチから自分で考えるのは難しいものです。ここでは、例文として3つを挙げるので、ぜひ考える時の参考にしてください。ただし、文をそのまま使うことは避けましょう。
- 例文①新人教育係
- 例文②海外営業
- 例文③チームリーダー
例文①新人教育係
私は、貴社で5年以内に新人教育係という形絵活躍したいです。OB訪問をさせていただいたところ、貴社では年次が若い社員が新入社員にマンツーマンで教育をおこなうと伺いました。 私は、1対1の授業をおこなう塾で大学の3年間講師の経験をしました。生徒には徹底したヒアリングをおこない、学習習慣の定着に努めてきました。 結果、全ての担当生徒において、志望校への合格を達成しています。この経験から私は、貴社においても個人に寄り添った教育を行う自信があります。 まずは新入社員の中で1番の成績を修め、基礎を固めます。新人教育係としても、担当の新入社員を最も優秀になるよう動力したいです。 |
OB訪問をおこなったことをアピールできているのが良い点です。社内の制度について述べ、実現可能な具体的目標を立てることに成功しています。
例文②海外営業
私は、国内営業で積んだ経験を活かして、海外営業部門で活躍したいです。その際には大学2年の半年間、米国に語学留学をしたときの経験も活かせると思います。 当初は英語力が低く、意思疎通が難しかったです。私はそれでもクラスメイトとコミュニケーションを取ることをあきらめませんでした。常に誰かと話すことを意識することで、TOEICで800のスコアを取るまで英語力を伸ばすことに成功しました。 私は留学で身につけた英語力とコミュニケーション能力を武器に、将来は貴社の海外部門で活躍したいです。 まずはビジネスの基本と営業としての力をつけるため、国内営業部門において、優秀な成績を修めます。その後、海外営業部門で、現地のスタッフと日本の本社をつなげる役割を担いたいです。 |
海外営業部門を希望する文章です。企業によりますが、基本的にはいきなり海外部門に配属されることは少ないと言えます。そのため、まずは国内営業から地道にスキルと経験を積み上げられることをアピールするべきでしょう。
例文③チームリーダー
私は、20代でチームリーダーになることを目指したいです。OG訪問をさせていただいたところ、貴社における優秀な社員は若い内からチームのリーダーとしてプロジェクトを先導できると知りました。 私は、中学、高校、大学の全てにおいて、野球部の主将としてチームをまとめ上げた実績があります。特に高校では、一度も公式大会で勝ったことのなかったチームを、地区予選ベスト8まで導くことに成功しました。 私は自らのリーダーシップを活かして、貴社でも若い内からチームリーダーとして活躍したいです。そのためにまずは入社後3年以内に、全国でトップクラスの成績達成者がされる表彰を目指します。 |
リーダーシップをアピールすることで、チームリーダーの素質を明示できています。実現可能なステップを示すこともできているので、高評価が期待できるでしょう。
どうしても将来像が思い浮かばない人はどうする?見つけ方を解説
どうしても将来の姿が想像できず、困ってしまうことは珍しくありません。そこで、アイディアの創造に役立つポイントを、3つ挙げて紹介します。
- 自分がなりたい理想の姿を考える
- 理想の姿を体現するために必要なことを考える
- 理想の姿を実現するための段階的な道筋を考える
①自分がなりたい理想の姿を考える
自分がなりたい理想の姿を考えましょう。まずはどんなに大きな目標でも、曖昧な夢でも構いません。
そこから小さな目標を見つけ出していくことで、より実現可能な具体性のある目標を立てることができるでしょう。
たとえば、「年収1000万円を稼ぎたい。」「海外に住みたい。」「東京の本社で働きたい。」などの夢が挙げられます。これらの夢は、直接的には面接の場で通用しませんが、準備段階のアイディアとしては大いに役に立ちます。
②理想の姿を体現するために必要なことを考える
次に、理想の姿を体現するために必要なことを考えてください。理想の姿を思い浮かべられたら、それを実現するためにどのようなポジションにいれば良いか、おのずと見えてくるでしょう。
本記事で紹介したように、「年収1000万円を稼ぎたい。」という夢であれば「管理職になること」、「海外に住みたい。」という夢であれば「海外駐在員になること」、が例として挙げられます。
③理想の姿を実現するための段階的な道筋を考える
最後に、理想の姿を実現するための段階的な道筋を考えましょう。これまでのステップをきちんと踏んでいれば、確かな目標があるため考えやすいでしょう。
たとえば「管理職になること」が目標であれば、「まずはチームリーダーに抜擢されること」などが例として挙げられます。
目標を達成するプロセスは、将来像を語る上で欠かせません。必ず具体的なステップを話すようにしましょう。
就活では将来像を通して企業との親和性を伝えよう
就活では、将来像を通して、入社意欲の高さや企業との親和性の高さをアピールすることが大切になります。重要なのは、具体的な目標を見つけることです。
本記事では、就活における将来像について、質問の理由、伝え方、ポイント、例文、見つけ方を紹介してきました。ぜひ自分だけの将来像をつくってみてくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。