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会社員から、ひとり起業!エンジニアが集まる技術のサラダボウルを作りたい!|株式会社TechBowl(テックボウル)代表・小澤政生氏

急速に市場規模が拡大しているIT業界。

みなさんも耳にしたことがあるかもしれませんが、今やIT業界の人材不足は日本の大きな問題となっています。

経済産業省の試算によると、2030年にはIT人材が約79万人不足するとも言われています。

今回、エンジニア向けオンラインコミュニティ「TechTrain」を運営する、株式会社TechBowl(テックボウル)代表小澤政生さんに、今後のエンジニア市場や、自身の起業エピソードについてお伺いしました!

「起業するなんて全然考えてなかったです!(笑)」と笑顔で話してくれた小澤さん。

将来エンジニアを目指している。

エンジニアに興味はあるけど、どういった人材が求められているか知りたい。

そんな方は、必見です!

株式会社TechBowl代表 小澤政生さん
京都大学経済学部を卒業後、新卒でサイバーエージェントに入社。地方エンジニア採用の立ち上げや会社説明会のオンライン化、新卒エンジニアの一律給与撤廃などを経験。採用責任者として主にエンジニアの採用・育成を担当。

その後、2018年10月に株式会社TechBowlを創業。
有名企業のエンジニアから実務が学べるオンラインコミュニティ「TechTrain」を運営している。

無料のエンジニア向けオンラインコミュニティ、TechTrainとは?

今日は、お時間をいただきありがとうございます!

まず最初に、小澤さんが運営するTechTrainがどんなコミュニティなのか教えていただけませんか?

現役エンジニアから実務が学べる、エンジニア向けの無料オンラインコミュニティです。
約40社の有名企業で活躍する、80名にも及ぶ優秀なメンター陣に対し、分からないことを自由に質問することができます。
基本的に教材はありませんが、自分が作りたいものに対する技術や考え方、実務面での配慮の仕方など、プロ目線の仕事感を学べるのが特徴です!

いつでも自由に質問ができるのですか?

はい!メンター陣たちが空いた時間を公開しているので、質問したいメンターにいつでも予約を入れることが可能です。

今の時代にぴったりのサービスですね!

メンター陣のキャラクターも様々で、ストイックな方、問題提起をしてくる方、寄り添って話をしてくれる方…など自分に合ったメンターに質問できるというのも、このコミュニティの強みですね!

コミュニティ内に学生さんはどれくらいいらっしゃるのですか?

現在約2,000名のメンバーがいるのですが、全体の7割が学生さんですね。
Twitterでサービスを知って登録してくれた学生さんの口コミで広がっているようです。
学校連携も積極的におこなっており、学校の授業のサブ的なポジションとしてTechTrainを利用してもらっている学校もあります。

どういったマインドを持った学生さんが多いですか?

「アプリ開発をしているからプロのメンターに相談したい」という人もいれば、「コロナをきっかけに、プログラミングを勉強したいと思った」という方もいます。
過去数千件面談をする中で、「エンジニアを目指して日々開発しているけど、自分で作りたいものはそこまでない…」という方も多かったので、「MISSION」と呼ばれる「各企業とコラボレーションして作った開発ネタ広場」も準備しています。 

初心者でもステップアップしていける仕組みがあるのは、ありがたいですね!

就活での挫折を乗り越え、サイバーエージェントに入社

小澤さんが起業されるまでのエピソードについても、興味が湧いてきました…!
起業までは、どのようなことをされていたのですか?

元々、大学卒業後はテレビ局で報道の仕事がしたいと思っていました。
中学生のとき、ヘビースモーカーだった父がフジテレビに密着される機会があって…家に3ヶ月くらい定点カメラが置いてあるような状態だったんです(笑)。
寝ても起きてもカメラが回っているので少し戸惑いましたが、たった15分のドキュメンタリー番組に3ヶ月の様子を凝縮するという仕事の泥臭さに心を動かされて…自然とテレビ業界を目指すようになっていました。

ということは、就活はテレビ業界を受けられたんですか?

はい。でも、最終面接で落ちてしまって…(笑)
それから、友達が受けている会社に片っ端からエントリーするっていう、ダメな就活生でしたね…(笑)。

そうだったんですね。なぜそこからサイバーエージェントに入社することになったのですか?

「2人でまだないものを作るか?」「1,000人で大きな仕組みを作るか?」という2択で悩んだのですが、前者の方がワクワクできたんです。
だから、当時まだ1,000人いるかどうかくらいだったサイバーエージェントに入社を決めました。
インターンシップに行ったことも無かったですし、パソコンのショートカットキーさえ分からない状態でIT業界に飛び込んだので、入社後は苦労することも多かったですけどね(笑)。

一筋縄ではいかない!?波乱万丈の社会人生活

入社後は、どういった社会人生活でしたか?

入社して半年ほどAmebaの広告営業をやっていたのですが、家庭の事情で急遽実家に戻らなくてはいけなくなり、サイバーエージェントは退職することになりまして…。
実家の運送会社を手伝いながら、家庭教師を自分で契約取ってきたり、居酒屋で深夜まで働いていました。
落ち着いてからは、証券マンとして飛び込み営業もやりましたね。

なかなか波乱万丈な社会人生活ですね。

そうかもしれないですね(笑)。
証券会社の飛び込み営業をやっていたある日、「この仕事、自分には向いてないかもしれない…」 と感じてしまって。
なんとかこの状況を変えたいと思って、ファストフード店でサイバーエージェントで採用してくれた方に手紙を書いたんです。

退職した会社に!?すごい行動力ですね。

まさか連絡をもらえるとは考えてもなかったですが、ちょうど関西でエンジニア採用の立ち上げをする人を探しているという話をいただきまして…。
全くの未経験分野である「エンジニアの採用」という点はびっくりでしたが、採用の仕事に興味はあったので、サイバーエージェントに復職することに決めました。
そこから約7年半、エンジニア採用を担当し、のべ1万5千人以上のエンジニアとお話させていただきました。

エンジニア採用を通じて見えてきた課題…起業へと突き動かしたのは「解決したい!」という強い想い

エンジニア採用を通じて、エンジニアの現状などは見えてきましたか?

僕が採用を始めた7年前は、”アプリを作れば売れる時代”だったので「新しいものを作りたい!」という野心の強いエンジニアが多い印象でした。
時代は変化し、現在はノーコードでもそれなりにアプリが作れてしまうので、「モノづくり」の敷居自体が低くなったと感じています。
これは良いことです。

ただ、一方で昔に比べて「0→1を作りたい!」という野心の強いエンジニアは減ってきた印象ですね。
最近はプロダクト開発だけでなく、データサイエンスをやりたいという人も増えてきました。

IT業界の変化スピードは早いですね…!

そうですね。
サイバーエージェントにいた頃、「IT業界の1年は、通常の3年分くらいだからね」 と言われていたので、たった7年でトータル20年分くらいの経験はできたのではないかなぁと(笑)。

そのぐらいたくさんの壁にぶつかり、たくさん決断させてもらったのでとても貴重な経験です。

もともと起業は考えていたのですか?

全く考えていなかったです(笑)。
サイバーエージェントの中には起業したいという人が多かったですが、私はそんな人たちを「すげーなー!(なんでそんなに起業したいのかよく分からない…)」と思いながら見ているタイプでした(笑)。

そこからなぜ起業しようと思ったのですか?

採用の仕事の本質は「次の時代を創れる人を探す」ところにあると思うのですが、たくさんのエンジニアに会う中で、疑問を抱くようになったんです…

どんな疑問ですか?

企業はエンジニアを求めていて、エンジニアを目指す人も増えているのに、「欲しいエンジニアはなぜ増えないのか?」という点です。
当時20人のエンジニアに会っても、一緒に働きたいと思える人は1人〜2人くらいでした。
この経験から、業界の仕組み自体を変えないと、企業もエンジニアも幸せになれないと思ったんです。

当時、疑問に思った気持ちが、小澤さんを起業に突き動かしたんですね!

当時から楽天さんやメルカリさんは、海外に人材を採用しにいっていましたが、「外国人エンジニアが日本のカルチャーにマッチするのか?」という課題もまだまだ根強くあります。
一緒に働きたい人材を外に採りにいくか…?それとも育てて増やすか…?と考えたとき、私は育てて増やす方ができそうだな、と考えたんです。
エンジニア業界が抱える、企業の「採りたいけど、採れない」という課題と、エンジニアの「なりたいけど、なれない」という課題に対して、私がこの「パンドラの箱」を開きに行くしかない…!と思いました。
あくまでも起業することは、この大きな課題を解決するための手段の1つでしかなかったのですが、たとえ1人になってもやり続けたいと思えるものだったので、起業することを決めました。

失敗だらけ…だけど楽しい!1人起業を振り返って

小澤さんは、1人で起業されたんですか?

はい。身近な人たちが共同創業で揉めてしまうパターンを見ていたので、まずは1人でベースを作ったうえで、一緒の船に乗ってくれるメンバーを探したいと考えていました。

1人だからこその悩みは、何かありましたか?

悩みを相談できる相手が、すぐ近くにいないことくらいですかね。
悩みって話すだけでも、自然と解消されたりするじゃないですか。
1人だとそういうことができないので、孤独を感じることはありましたね。
反対に、1人時間の使い方を大切にできるようになりました。
自分からデジタルデトックスしないと頭がおかしくなってしまうので(笑)、サウナなどの新しい趣味は増えましたよ。

1人時間、良いですね!
起業において、サイバーエージェントでの経験が活かされた場面はありましたか?

決断のスピード・人の巻き込み方・滑っても良いから全部やる精神、この3つはサイバーエージェントで何度も経験させていただきました。人脈に恵まれていたというのが、学生起業との明確な違いだったと思います。
事業戦略について相談するならこの人!といった感じで、困った時に聞ける人がたくさんいたことは心強かったです。

今までで1番大変だったことは何ですか?

サービスを作ることですかね…
採用しかやってこなかったので、サービスの作り方は全く分かりませんでした。
会社の中だとデザインのプロがやってくれていたことも、1人でやるとなると話は全く別で…自分自身もモノづくりの経験をもっとしておけば良かったな後悔しました。
でも「大変だけど楽しい…!」が正直な気持ちです。
毎日のように「きつい…」と思っていましたが、今思えば初めてのことだらけで、おもしろい記憶ですよ(笑)。
自分に起業がしっくりくるなんて、実際にやってみるまでは思ってもいなかったですし。

技術のサラダボウルを作りたい!日本最大のエンジニアオンラインコミュニティになるために

今後の展望を教えてください!

TechTrainを日本で1番大きなエンジニアオンラインコミュニティに育て、毎日GoogleやFacebookを超えるような素晴らしいサービスを生み出す場所を創ることです。
エンジニアの卵とプロが同じ場所に集まる、技術のサラダボウルのようなコミュニティを作りたいと思っています。

ずばり、今後のエンジニア市場はどうなると思いますか?

プログラミングに触れる人が増えることは間違いありませんが、エンジニア人口をもっと増やす必要があると思います。
プログラミングはあくまでもコードを書く作業のことであって、世の中にある問題を解決するのがエンジニアリングです。
そういう意味で本当の意味の「エンジニア」を増やさないと、「日本のモノづくり」がやばいという危機感を持っています。

エンジニア以外の人も、エンジニアリングを学ぶべきだということですか?

そうですね。非エンジニア(ビジネスサイド)の人でもエンジニアリング、モノづくりの知識を持っておいた方が良いと思います。
今までは、エンジニアか?総合職か?という世界でしたが、今後は「技術が分かるビジネスマン」「ビジネスに興味があるエンジニア」のようなハイブリッドな人材が増えることがベストだと考えています。

日本が抱える大きな問題ですね…。
小澤さんの話を聞いていて、今まで別世界の人だと思っていたエンジニアの仕事に興味が湧いてきました!

嬉しいです!
以前私も1週間Javaを勉強したことがあるのですが、全然書けなくて本当にイライラしました(笑)。
でも、経験したからこそエンジニアに対する敬愛の念が生まれたんですよね。
彼らにしかできないことを認め、お互いに敬愛し合うこと。それが、日本の技術を加速させていく一助になるのではないかと思います。
いつか、世界各国のアンダー30が集まってスキルアップができるような、おもしろいプロジェクトもやってみたいです!

素敵な目標ですね。
最後に、就活生に向けてメッセージをお願いします。

まずは「興味あります」から脱皮することが大切だと思います。
「興味あります」って便利な言葉で、みんな言うんですよ(笑)。
スマホ世代は選択肢が多いからこそ、興味は増えると思うのですが、実際に行動できている人はほんの一部しかいません。
大切なのは、「たくさん実験してみる」ことです。
一生「興味がある」で止まっていたら勿体なので、一回やってみて、良いか悪いかを自分の声で発信していってほしいと思います。
たとえ失敗してもきちんとチューニングしていけば、選択肢はどんどん増えていくはずです。
若いうちにもっともっと暴れてくださいね(笑)。

オンライン向けのエンジニアコミュニティ、これから益々需要がふえていきそうですね。

まずは失敗しても良いから、たくさん行動してみること!

その言葉が、心に響きました。

小澤さん、インタビューのご協力ありがとうございました。

小澤さん、TechTrainのSNS情報はこちら!

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おざまさ/masao ozawa/TechBowl代表取締役(@zawamasa

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