就活を始めてから「デベロッパー」という言葉を知った人も多いのではないでしょうか?デベロッパーは、学生からの人気が高い業種ですので選考の突破には徹底した対策が必要不可欠です。
本記事では、デベロッパーの仕事内容や特徴、選考突破に必要なコツを紹介します。デベロッパーへの就職が気になる人は、参考にしてくださいね。
デベロッパーとは?不動産業界との立ち位置を理解しよう

デベロッパーは不動産業界に属し、私たちの生活に密接に関わる「まちづくり」に携わる職業です。まずは、デベロッパーの具体的な仕事内容と不動産業界での立ち位置について解説します。
デベロッパーとは「開発事業メインの企業」のこと
土地や建物を扱う不動産業界の中で、開発事業をメインで行っているのがデベロッパーです。自社で開発した不動産を、賃貸や販売することで収益を生み出しています。
開発事業には、以下の事業が挙げられます。
- 商業施設の開発
- マンション
- 街の再開発
- リゾート開発
- 大規模宅地開発
これらの大規模な企画・開発はデベロッパーが行っているのです。
私たちが訪れるショッピングセンターや駅ビルも、デベロッパーが企画や運営を行っています。「不動産の開発事業」と聞くと身近に感じられませんが、私たちの生活を支えている仕事と言えるでしょう。
不動産業界でのデベロッパーの立ち位置
不動産業界でのデベロッパーの立ち位置は、最上流であると言えます。不動産業界には、住居を販売する「売却・販売」、マンションやビルのメンテナンスを行う「管理」などがあり、その中でデベロッパーは街の「企画・開発」を行います。
また、デベロッパーはゼネコンやハウスメーカーと以下の違いがあります。
ゼネコンは総合建設会社であり、建設工事に必要な要素全体を取りまとめ、建設の管理を行います。つまり、デベロッパーが計画をし、ゼネコンが施工することで開発計画は形になるのです。
一方ハウスメーカーは、戸建住宅に特化して建築・販売を行います。デベロッパーは街を作るのに対し、ハウスメーカーは個人住宅を主にしているのです。
デベロッパー業界の大手企業ランキングTOP5

大手デベロッパーは、話題の商業施設を多く手がけているため、CMなどで名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。デベロッパーの大手企業を売上額順に並べると以下の企業が上位になります。
デベロッパ大手企業TOP5(売上額順)
- 三井不動産
- 飯田ホールディングス
- 三菱地所
- 東急不動産
- 住友不動産
これらの大手デベロッパーは事業規模も大きく年収も高い傾向にあるため、就活生の中でも特に人気が高いです。
また、5社中4社が総合デベロッパーであり、総合デベロッパーは事業規模が大きいことがわかります。
各社それぞれに独自の方針を打ち出した町作りを行っているため、実際に商業施設に足を運んだり、HPの比較をしてみることもおすすめです。
デベロッパー就職のメリット|人気の理由を解説

就活市場でも人気の高いデベロッパーですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからはデベロッパーに就職するメリットを解説します。
- 町作りに携われる
- 規模が大きい仕事ができる
- 高収入が狙える
1 町作りに携われる
デベロッパーが行う開発事業は、地域活性化に繋がる「町作り」を担っています。
土地開発は、町に新しい景色をもたらし、利便性を向上させるなど土地の新しい価値を生み出す仕事です。町作りを通して人々の生活や人生に大きな影響を与えられることは、デベロッパーの魅力と言えます。
2 規模が大きい仕事ができる
デベロッパーの仕事ほど規模が大きい仕事はなかなか存在しないことから、仕事の成果を感じやすく、達成感を得やすいのも特徴です。
土地の開発事業は、数億円、数年単位に及ぶ大きなプロジェクトになります。その分地図に残る仕事に携われることは、大きなモチベーションになります。
3 高収入が狙える
デベロッパーは全体的に給与水準が高くなる傾向にあります。高収入というメリットは、就活生に人気なだけでなく、入社後の仕事のモチベーションにも大きくかかわります。
また、大手デベロッパーでは、年収1,000万円を超えるケースも少なくありません。仕事の規模が大きい分、責任が重く感じられる場面もありますが、成果が給与面に反映されることは大きな魅力と言えます。
やみくもに収入で仕事を選ぶのはよくありませんが、業界の給与事情を確認することは非常に重要です。
デベロッパーの待遇は良い!高収入を狙う人にはおすすめ

就活では、就きたい仕事の待遇面を知り、納得した上で仕事を選ぶことが重要です。やりたい仕事でも待遇面で納得できなければ、早期離職に繋がりかねません。
ここからは、デベロッパーの待遇面を、以下の項目に分けて解説します。
- 年収
- 休日
- 福利厚生
- 勤務時間
1 デベロッパーの年収は高い
デベロッパーの年収は、サラリーマンの平均年収に比べ高い傾向にあります。理由は2つあり、1つ目はデベロッパーのプロジェクトは、不動産業界の中でも特に取扱金額が大きく、その分収益も莫大な金額になるため、社員に還元できているためです。
また、デベロッパーは不動産業界の花形業界。そのため入社倍率も高く、結果として優秀な学生が集まります。企業としては、優秀な社員が他社へ流れないためにも収入を高く設定しているのです。
責任が重くなりやすい業界ですが、その分収入の待遇が良いため、満足度も上がりやすい傾向にあります。
2 デベロッパーはちゃんと休める?
デベロッパーは全体として休日出勤も発生しやすい傾向があります。しかし、休日出勤の有無は配属される部門によって大きく異なります。
例えば営業職では、テナントの販売ノルマや、用地取得ノルマ達成のために休日出勤をすることもあります。また、大きなプロジェクトの締切前も、平日だけでは業務が終わらず休日に出勤というケースもあり得ます。
また、配属される部署によって土日祝休みか平日休みかが異なるため、自身の希望するワークライフバランスと、条件のすり合わせを行っておきましょう。
3 デベロッパーの福利厚生
企業によって福利厚生に違いはありますが、業界全体としては福利厚生が整っていると言えます。年収も高く、福利厚生も充実しているという点はとても魅力的に感じますよね。
家賃補助が手厚い会社が多く、最大9割の家賃補助を行う会社もあるなど、不動産業界ならではと言えます。
また、結婚手当や資格取得手当、子育て手当など、各種手当を充実させることで社員の働きやすさや、会社への定着率を向上させる動きが見られます。
福利厚生の充実度は、入社後のモチベーションにも関わるため、志望する会社の福利厚生は確認するようにしましょう。
4 デベロッパーの勤務時間
デベロッパーの勤務時間は、長時間労働になりやすいと言えます。
長時間労働になる理由としては、営業ノルマの達成や、プロジェクトの進捗により業務量が多くなりやすいなどの理由が挙げられます。
また、プロジェクトの規模の大きさゆえに仕事の質が求められ、責任も大きくなることから、残業してでも質を高めたいという社員も多いようです。
しかし、近年では働き方改革として、残業の削減に取り組む動きも業界全体に見られます。また、会社によってはフレックス制を導入しているので、働き方の違いについて把握しておくと良いでしょう。
デベロッパーの種類は2つ

デベロッパーは、大きく分けて総合デベロッパーと専門デベロッパーの2種類に分類されます。
どちらも土地の取得から企画、販売まで行う点では共通していますが、扱う商材によって仕事のやりがいやキャリアビジョンが異なります。総合デベロッパーと専門デベロッパーの違いについて解説しますので、どちらを志望するか考えてみてくださいね。
- 総合デベロッパー
- 専門デベロッパー
総合デベロッパーの特徴
総合デベロッパーとは、街の再開発や商業施設開発、リゾート開発、マンション開発など、開発事業を総合的に幅広く手がけるデベロッパーを指します。
大手総合デベロッパーには、三井不動産、三菱地所、東急不動産が挙げられます。
総合的に手がけるため、規模が大きいプロジェクトが多いのも特徴です。幅広い業務経験や、規模の大きい仕事を求める人は総合デベロッパーを目指すと良いでしょう。
専門デベロッパーの特徴
専門デベロッパーはその名の通り、特定の分野に特化した開発を行うデベロッパーです。
例えば、オフィスビルの開発に特化した「オフィスデベロッパー」や、マンションの開発・販売に特化した「マンションデベロッパー」などがあります。
また、大手専門デベロッパーには、飯田グループやオープンハウス、ヒューリックが挙げられます。
専門が絞られていることで、その道のプロとして仕事ができるため、扱いたい商材が決まっている場合は、専門デベロッパーがおすすめです。
デベロッパーの仕事内容とは?規模が大きな仕事をしたい人におすすめ

デベロッパーの仕事は規模が大きいため、以下のように様々な業務に細分化されており、各担当が集まって1つのプロジェクトを進めます。
具体的な仕事内容を知ることで希望する業務を見つけ、将来のビジョンを明確にしておきましょう。
- 用地を獲得する
- 開発計画を作成、実行する
- 施工管理を行う
- 販売する
- 販売後の管理をする
デベロッパーは人気の他業界と比べ、新卒から規模の大きいプロジェクトに関われる可能性が高いです。
また、事業規模に対して採用人数が少ないため、裁量が大きい仕事に携われるのも、取り扱う金額が大きいデベロッパーならではと言えます。
デベロッパーの動向|現在とこれからを比較して解説

近年、アベノミクスや東京オリンピックの影響により、デベロッパーの業績は右肩上がりでした。では、今後デベロッパーの動向はどうでしょうか。
面接では、デベロッパー業界の今後の展望について質問される可能性があります。現状と今後の動向を知り、自分の意見を持って面接に挑むと安心です。
- 現在の動向
- これからの動向
現在の動向
日本は現在少子高齢化が著しく進んでおり、その結果マンションやオフィスの供給過多による「空き家問題」が深刻化しています。
また、新型コロナウイルスの影響でリモートワークが浸透したこともあり、都心部ではオフィスビルが供給過多になっている現状もあります。
今後も少子高齢化に伴う「空き家問題」は加速し、デベロッパーの需要が減ってしまうと予想されるため、海外展開の動きも本格化しています。
これからの動向と展望
新たな需要として期待されるのは、高齢者向け住宅の展開です。今後高齢化が進む日本での、街や家族のあり方を新しく提案することで、持続可能な街づくりを実現していくと予想されます。
また、再開発・商業施設のリニューアルなどに注力することで、街のニーズにあった価値の向上が期待されます。
企業としても「開発して終わり」ではなく、イベントを開催するなどしてテナントの利用者を増やし、開発後も持続的に街づくりに寄与していくことが必要と言えるでしょう。
デベロッパーに求められる力4つ
デベロッパーに求められる力は主に、以下の4つです。
- コミュニケーション力
- 英語力
- リーダーシップ
- 宅建等の資格
常に多くの人を巻き込むデベロッパーの仕事では、コミュニケーション力やリーダーシップがある人物が求められます。学生時代にコミュニケーション力やリーダーシップを発揮して、信頼関係を築いたエピソードをアピールできると良いでしょう。
また、海外事業を見据えて英語を強化したり、より専門的な業務に携われるよう宅建等の不動産関連資格を取得するのもおすすめです。
入社後は業務に追われて勉強時間の確保が難しくなるため、英語や宅建等の資格勉強は学生のうちから始めることで、就活でのアピールポイントに繋げましょう。
デベロッパー就活を成功させるためにはしっかり対策しよう

デベロッパー各社の採用人数は30〜50人と少なく、他業界と比べても狭き門です。選考突破には、入念な対策のほか、モチベーションの維持も必要不可欠ですよ。
- 気になる企業が携わった建造物・エリアを見に行く
- 志望動機の作成
- 企業の差別化をしておく
- インターンに参加する
①気になる企業が携わった建造物・エリアを見に行く
デベロッパーの作品とも言える建造物やエリアには、各企業の個性やビジョンがダイレクトに反映されており、企業ごとのカラーを感じられます。
実際に足を運び、入社後にどのようなプロジェクトに関わりたいのかを明確にすることで、選考のモチベーションを保ち、志望動機に具体性を持たせられます。
また、自ら利用して気がついた点や感じたことなど、利用者目線の感想も記録して「なぜそのデベロッパーを志望するのか」を明確にしておきましょう。
②志望動機の作成
志望動機は、「何がしたいか」「何ができるか」「なぜそう思うのか」の3点を意識的に盛り込み、一貫性のある文章を心がけましょう。
デベロッパーは、不動産を通じて人々の生活に貢献する職業です。自分の知識がどのような面で貢献でき、能力を活かせるのか、入念な自己分析が必要です。
一貫性のある志望動機を意識しつつ、どのような夢や目標があるのかを具体的にし、自身と企業の価値観が一致していることを示しましょう。
③企業の差別化をしておく
一口にデベロッパーと言っても、企業ごとに力を入れているエリアや事業、強みが異なります。企業の差別化ができていないと、志望度が伝わらず企業研究不足と捉えられてしまいます。
企業の差別化には、OB・OG訪問がおすすめです。現役社員から選考のアドバイスをもらい、入社後の具体的な話を聞くことで、他の学生との差別化になるでしょう。
④インターンに参加する
インターンに参加することで、本選考が一部免除される場合があり、実際に社員の方と交流ができるなどメリットが多くあります。
しかし、人気企業はインターンの選考も狭き門のため、早い段階で選考スケジュールを知り、余裕を持って対策をしておきましょう。
デベロッパー就活は高収入でおすすめ!人気業界なためしっかり対策しよう

ここまで、デベロッパーの魅力や今後の展望について解説しました。デベロッパーはやりがいだけでなく、収入面や福利厚生でも待遇が良いなど、就活生に人気な理由がわかる業界です。
本記事でデベロッパーに興味を持った人はぜひ、開発されたエリアや施設に足を運び、具体的な仕事のイメージを掴んでみましょう。
人気業界のため狭き門になりやすいですが、しっかりと対策をすれば成功に近づけます。本記事で紹介した内容を中心に実践し、自信を持って選考に挑んでくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。