
集団面接とは、複数人の学生が同時に面接を受ける選考形式のことです。
しかし、集団面接でどのような対策をすべきか分からない方も多いのでしょう。
そこで、本記事では集団面接の特徴や正しい対策法、質問例、マナーなどを紹介します。
ぜひ、集団面接で自分の魅力をアピールするために役立ててください。
キャリアアドバイザー 鈴木
新卒で大手金融機関に入社したが、成長のスピードの遅さと、年功序列に懸念を抱き転職を決意。 転職する際、スピードの速さと裁量が持てるという2軸で転職活動をし、シーマインドキャリアに入社。 入社後、キャリアアドバイザーとして年間1000人以上の学生の就活相談をし、実績No.1を獲得。
集団面接の特徴を理解しよう!
集団面接とは、一度にまとめて複数人の学生の面接を行う選考方法を指します。
企業が集団面接を行う目的は、面接の効率化です。応募者の多い企業の場合、書類選考を突破した学生を個別に絞り込むのには大きな手間がかかります。
同時に複数人の面接を行えば、企業側の負担軽減になるため、学生から人気のある企業ほど集団面接を取り入れる傾向があります。
集団面接では、必要最低限の条件をクリアしているかを確認するため、自己PRなど基本的な質問が用意されている場合がほとんどです。
しかし、個人面接とは異なり他の学生と共に面接を受けることになるので、集団面接に苦手意識を持つ人もいるでしょう。
集団面接の対策やマナーを確認し、自信を持って本番に臨めるように準備を整えてみてください。
応募人数の関係もあって、集団面接は大企業に多い傾向に!他にも、コンサル系の業界は集団面接をしがちな傾向にあるので、合わせて対策をしていきましょう。
集団面接の一連の流れ

集団面接の大体の流れを把握しておけば、当日に焦って失敗するリスクは下がります。一般的な集団面接の流れは、以下の通りです。
- 待機
- 入室
- 面接
- 逆質問
- 退室
企業によって異なりますが、面接時間は、1時間ほどです。ただし、複数人が同時に面接を受けるため、1人あたりの持ち時間は個人面接より短くなることがあります。
面接官に好印象を与えるためには、待機から退室に至るまでマナーを守り、適切な受け答えができるよう対策を立てておくことが大切です。
集団面接と個別面接の4つの違い

集団面接と個別面接の違いを4つまとめました。
- 自己アピールの時間が少ない
- 他の就活生と相対評価される
- 話を掘り下げられにくい
- 他の就活生の影響を受けやすい
両者の異なる点を確認し、集団面接ではどのように振る舞うべきか検討していきましょう。
①自己アピールの時間が少ない
個人面接で発言するのは自分のみなので、面接官に対してしっかりと自己アピールを行えます。
一方で、集団面接は複数人の学生がそれぞれ質問に答えるため、1人あたりのアピール時間が短くなります。
質問への答えを簡潔にまとめなければ、面接官に何を伝えたいのか分からないままアピール時間が終わる恐れがあるでしょう。
また、自分ばかり発言して他の学生が話す時間が削られてしまうと、協調性がないとみなされる可能性があるため注意してください。
②他の就活生と相対評価される
個人面接では、学生1人に対する絶対評価が採用されることが多いと言われています。面接で基準以上の評価が得られたら、他の学生を気にする必要はありません。
一方で、集団面接は他と比べて評価を決める相対評価を採用することがよくあります。マナーや人柄など、さまざまな面で比較される可能性が高いでしょう。
例えば、他の学生が話している最中にぼんやりしたり、他の学生よりも表情が暗かったりしていると評価が下がる原因になります。
他と比較しても好印象を与えられるよう意識することが重要です。
③話を掘り下げられにくい
個人面接では、1つの質問を起点にさまざまな方面へ話を深掘りされることも多く、自己アピールに繋げられます。
集団面接は、1人の持ち時間に限りがあり、面接官から話を深掘りされないことも珍しくありません。
基本的に、集団面接では「次の個人面接でさらに詳しい話を聞きたいか」ということを判断しています。
話を深掘りされなくても、入社への意欲や自分の魅力を簡潔にアピールできれば好印象を与えられる可能性は高いでしょう。
④他の就活生の影響を受けやすい
個人面接では、他の人が面接している姿を見ずに済むため、周りに左右されることなく自分をアピールできるのが特徴です。
集団面接は、他の学生の立ち振る舞いや受け答えを間近で見るので、影響を受ける場合があります。
例えば、自分の前の学生が優秀な受け答えをしているのを見て焦ってしまい、論点からズレた回答をしてしまうケースが考えられるでしょう。
知らず知らずのうちに他の学生を意識するのはよくあることなので、事前に対策を立てておく必要があります。
集団面接での4つのポイント

ここからは、集団面接のポイントを4つ紹介します。
- 他の就活生に惑わされない
- 他の就活生が話しているときに気を抜かない
- 同じ質問がこなかった場合に備える
- 質問する順番の変化に備える
しっかりとポイントを押さえて、集団面接を乗り越えていきましょう。
①他の就活生に惑わされない
前述の通り、集団面接では他の学生に影響を受けることがありますが、なるべく惑わされないようにしてください。
もちろん、他の学生や行動を意識するのは自然なことですが、惑わされて本来の実力を発揮できないのは勿体ないことです。
たとえ他の学生の回答が優秀だと感じても、自分には自分なりの魅力があると信じ、落ち着いて回答しましょう。
また、他の人と回答が重なっても問題はありません。「△△さんと同じ考えなのですが」と前置きすれば大丈夫なので、自分の意見を伝えてください。
むしろ他の学生の名前も出すことで「他の就活生の名前も覚えているのか」と好印象になることも!また、結論が同じでも理由は異なることも多いため、そこで差をつけるのも手ですね。面接官も、意見が被ること自体はよくあると思っているので、心配しすぎなくても大丈夫ですよ。
②他の就活生が話しているときに気を抜かない
自分に対する質問が終わり、あとは他の学生の受け答えを聞いているだけで良い状態になったとしても、気を抜かないようにしてください。
面接官は、回答する姿だけでなく、他の学生が話している様子もしっかりと見ています。気を抜いてぼんやりしていると、話を聞いていないとみなされるでしょう。
発言中の学生を見て軽く相槌を打ち、しっかり話を聞いている姿を見せることが大切です。
また、口角をあげて表情を和らげると、落ち着いた印象も与えられます。
③同じ質問がこなかった場合に備える
集団面接ではそれぞれに同じ質問が投げかけられるイメージが強いですが、実は他の学生と異なる質問が来ることもあります。
前の人と同じ質問だと思い込んで答えを用意していると、異なる質問が来た時に焦って答えられなくなる可能性も。
違う質問が来ることも想定に入れ、落ち着いて答えられるように備えてください。
とはいえ、「Aさんにガクチカを聞いた後にBさんに趣味を聞く」というような、全く関係のない質問をされることはほぼありません!前提として志望動機などを聞いた後、個々の答えに合わせて異なる深掘りの質問をする形が多いため、自己分析をしっかりしておけば問題ありませんよ。
④質問する順番の変化に備える
集団面接では、質問の順番が変わることもあるため注意が必要です。
例えば、最初に左側の席から答えるよう指示されて最後まで回答した後、「次は左側から答えてください」と言われる可能性もあります。
しばらく順番が回ってこないと安心していると、急に順番が変わって質問が投げかけられた時に焦って対処できなくなるでしょう。
いつ質問が来ても良いように緊張を解かず、常に面接官の言動に集中するようにしてください。
集団面接で聞かれやすい質問6つ

ここからは、集団面接で聞かれやすい6つの質問を紹介します。
- 自己紹介
- 自己PR
- 学生時代に力を入れたこと
- 志望動機
- 長所・短所
- 他社の選考状況
想定される質問に、簡潔で分かりやすく答えられるよう意識しましょう。
①自己紹介
自己紹介では、名前・大学名・学部名・アルバイトやサークル活動の内容・趣味・特技などを答えます。
自己紹介は他の人と同じような内容になりがちなので、エピソードを工夫して個性を出すのがおすすめです。
まずは「真面目」「努力家」など、自分がどのような人間であると伝えたいのか決めてください。
次にアルバイトやサークル活動、趣味などで伝えたい人物像に合わせたエピソードを自己紹介に盛り込むと、自分なりの魅力を面接官にアピールできるでしょう。
集団面接では質問に答える時間が決められていることが多いです!意外と超過してしまう人も多いため、簡潔に時間内に答える練習をしておくと、それだけで面接官からの印象も良くなりますよ。
②自己PR
自己PRで自分の強みを伝える時は、キャッチフレーズを使うのがポイントです。印象に残る言葉を取り入れることで、面接官にしっかりとアピールできます。
例えば、行動力や向上心は「全力で走りながら考えて行動できる人間」、リーダー力は「周りを導く灯台」など、さまざまなパターンが考えられるでしょう。
また、自己PRの内容を裏付けるための根拠も大切です。なぜ自分がキャッチコピーのような人間だと言えるのか、具体的なエピソードを交えてまとめてください。
③学生時代に力を入れたこと
企業側は、学生の人柄や物事に対する接し方、スキルを確認するために学生時代に力を入れたことを聞きます。
長々と話していると時間が足りなくなるので、順序立てて分かりやすく説明できるようにしてください。
最初に、力を入れた事柄を簡潔に伝えた後、そこに至るまでの背景をエピソードを交えながら伝えましょう。
次に、成果を上げるために努力したことや、最終的に得られた成果、学生時代の経験をどのようにして社会に活かすか、といったことを述べて締め括るのが基本です。
④志望動機
志望動機では「なぜ自分はこの企業に入りたいのか」ということを明確に答える必要があります。そのため、企業研究は怠らないようにしてください。
会社説明会に参加したり、企業の公式サイトやパンプレットを見たりして、企業のビジョンを確認してください。
企業のビジョンと自分が会社で成し遂げたいことを結びつければ、説得力のある志望動機にできます。
また、面接を受ける企業と他社との違いを比較し、その企業でなければならない理由も加えることで、入社への熱意を伝えられるでしょう。
⑤長所・短所
面接で長所・短所を聞かれる理由は、学生の人柄や企業とのマッチ度を確かめたいからです。
長所や短所を答える時は、具体的なエピソードと、長所を企業で活かす方法もしくは短所を改善する方法を伝えるのがポイントです。
長所の場合、自慢話にならないように注意し、仕事に活かせるスキルを身につけていることをアピールしましょう。
短所では改善点を述べ、失敗した経験を今後どのように活かしていくか伝えることで、イメージダウンを防げます。
⑥他社の選考状況
面接官は、就職活動の一貫性や志望度を確認するために他社の選考状況を聞くことがあります。
一貫性をアピールするには、面接を受ける企業と同じ業界で就活を行なっていることを示してください。さらに、その業界を志望する理由も加えると説得力が増します。
なお、選考に落ちた企業を伝える必要はありません。志望する業界で働くにはスキルが足りないとみなされる可能性があります。
また、深掘り質問として志望度を問われた時は、他社との比較を踏まえた上で志望理由を明確に答えられるようにしてください。
集団面接でのマナー4つ

集団面接では、身だしなみを整え、好印象を与えられるようにすることが大切です。押さえておきたい4つのマナーをまとめました。
- 受付時
- 待機時
- 入・退室時
- 他の就活生が発言している間
各シーンに合わせたマナーを意識して行動しましょう。
①受付時
面接会場へは、余裕を持って30分前には到着するようにします。
ただし、30分前だと受付の準備が整っていない可能性があり、担当者に迷惑をかけるリスクがあるでしょう。
そのため、会場に着いたら化粧室などで身だしなみを整え、受付へは5〜10分前に向かうのがおすすめです。
受付では、挨拶・自分の名前・面接のために会場へ来たことを伝えます。企業によっては身分証明書の提出が必要なこともあるため、用意を忘れないでください。
②待機時
受付後は、面接まで控室で待機するよう言われる場合がほとんどです。企業によっては、控室での様子も確認している場合があるため、気を抜かないようにしましょう。
控室に入るなりスマホをいじったり、眠ったりしていると、面接に対してやる気がないと思われる可能性があります。
控室に入ったら不要なことはせず、静かに面接を待ってください。
また、姿勢が悪いとだらしなく見えるため、身だしなみを整え、背筋を伸ばすことも重要です。
③入・退室時
入室時と退室時にも集団面接ならではのマナーがあります。マナーを知らないと他の学生と比較され、常識がないと思われる恐れがあるでしょう。
ここでは順番別に入・退室時のマナーを紹介するので、参考にしてみてください。
先頭で入・退室する場合
先頭になった場合、面接室のドアを3回ノックし「どうぞお入りください」と言われた後に開きます。
入室したら「失礼します」と言ってお辞儀をしてください。席の指定がない限り、先頭の人は奥から順番に座りましょう。
退室時は最後に部屋を出ることになるため、面接官に挨拶をした上で静かにドアを閉めます。
2番目以降で入・退室する場合
2番前以降の場合は、前の人に続いて入室し、面接官に対して挨拶とお辞儀をします。
面接が終わったら他の学生と一緒に立ち上がり「本日はありがとうございました」と挨拶をしましょう。
前の学生に続いてドアの前まで来たら、面接官の方を見て「失礼します」と一礼し、退室してください。
最後尾で入・退室する場合
最後尾の人も2番目以降の人と同様に前の人に続いて入室し、挨拶とお辞儀をしましょう。
面接後、他の学生と共に「ありがとうございました」と挨拶をしたら、最後尾で入室した人が先頭になって部屋を出ることになります。
ドアの前で立ち止まって「失礼します」と一礼し、静かに部屋を出てください。
④他の就活生が発言している間
面接官は、他の学生が発言している時の振る舞いもチェックしています。興味がなさそうな様子を見せていると評価が下がるでしょう。
他の学生の話にも関心を持ち、協調性を備えていることをアピールする必要があります。
また、場合によっては1人の学生の答えを受けて面接官から他の学生へ質問が投げかける可能性もあるため、しっかりと話を聞くことが大切です。
発言している学生の方を見て、聞き漏らさないように意識してみてください。
集団面接の事前対策3つ

最後に、集団面接の事前対策を3つ紹介します。
- 逆質問を考える
- 想定質問への回答を作成する
- 大学などの面接練習会に参加する
きちんと対策を整えておけば、本番での失敗を防げます。どのようなところを工夫すべきか、具体的に確認しましょう。
①逆質問を考える
逆質問とは、学生から企業に出す質問のことであり、志望度の高さをアピールする絶好の機会です。
「何か聞きたいことはありますか?」と聞かれたら、必ず答えてください。
ただし、企業の公式サイトや募集要項に載っていることを質問すると、企業研究が足りないとみなされるので注意が必要です。
「私は△の資格を持っていますが、入社までに他に備えるべき知識はありますか?」など、入社意欲やスキルをアピールできる質問にしましょう。
②想定質問への回答を作成する
前述の通り、集団面接では自己紹介や自己PRなど基本的な質問が出ることが多いため、あらかじめ想定質問をピックアップするのがおすすめです。
インターネットで一般的な質問の事例を確認する他に、大学の先輩やOB訪問で集団面接で出やすい質問を聞くと良いでしょう。
想定質問リストができたら、好印象を与えられる回答を考えてください。あらかじめ回答ができていれば、当日も慌てることなく落ち着いて答えられるはずです。
③大学などの面接練習会に参加する
集団面接に臨む際は、いきなり本番を迎えるのではなく、何度か練習を繰り返して慣れておくことが大切です。
大学のキャリアセンターなどでは、定期的に面接練習会を開催しています。練習会で集団面接の雰囲気や質問の出し方など把握しておけば、安心できるでしょう。
また、練習会の面接後にフィードバックをもらい、改善点を確認することも重要なポイントです。
客観的な視点からアドバイスをもらい、本番の成功に繋げてみてください。
集団面接を乗り越えて内定を獲得しよう
集団面接は他の学生と比較しながら評価されることも多いため、周りを気にするあまりに本来の実力を出せないことがあります。
しかし、事前に面接の流れや注意すべき点を確認しておけば、他の学生に流されず、自分なりの魅力をアピールできるでしょう。
また、しっかりと身だしなみを整え、マナーを守ることも意識したいポイントです。
より優れた学生であると印象付けられるよう、今回紹介した対策やポイントを取り入れてみてください。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。