一生に一度の特別な時間を新郎・新婦と共に作り上げるブライダル業界。業界自体に興味はあっても、どんな職種があるのか分からない方も居るのではないでしょうか。
そこで、今回はブライダル業界の職種について、詳しい仕事内容や必要な資格について紹介します。業界に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
ブライダル業界とは結婚に関わる業界

ブライダル業界とは、挙式や披露宴、婚礼など、結婚に関わる業界を指します。人生に一度しかない特別な日をサポートする役割を担うお仕事です。
年収は経験によって異なりますが、勤務年数4~5年、20代で300万円弱が多いようです。ウエディングプランナーやドレスコーディネーター、カメラマンなど多くの職種が関わっています。
専門的な知識を必要とする職種が多いため、ブライダル業界を目指すには専門学校に通うのが一般的です。ブライダル専門でなくても、美容学校や調理学校、服飾学校など、役立つ知識が身に付く専門学校に通った上で、就職する場合もあります。
ブライダル業界の主な職種10種

ブライダル業界には様々な職種が関わり、一つの式を作り上げています。ここでは、それぞれの職種に関して詳しく紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
- ウエディングプランナー
- ドレスコーディネーター
- ブライダルヘアメイク
- フラワーコーディネーター
- ブライダルカメラマン
- バンケットスタッフ
- 司会者
- 介添え人
- シェフ
- 音響・照明
①ウエディングプランナー
ウエディングプランナーとは、結婚式をいちからプランニングしていく役割を担っています。
最も新郎・新婦と関わる機会が多く、相談から式当日まで近い距離感で親身になってサポートするお仕事。式全体を総合的に判断し、計画を立てていく必要があるため、専門的な知識が必要な職種です。
予算や式の流れの計画を立てるのはもちろんのこと、衣装や料理に至るまで、それぞれの担当スタッフと連携を取りながら決める必要があります。
資格は必須ではありませんが、ブライダルコーディネート技能検定やブライダルプランナー検定、プライダルプランナー検定などがあると便利です。
②ドレスコーディネーター
ドレスコーディネーターは、結婚式で着用するドレス選びをいちからコーディネートする職種。ドレス選びを楽しみにしているお客様も多いため、要望や予算、結婚式・披露宴の流れなどを踏まえて、最適な衣装を提案するお仕事です。
新郎・新婦が並んだ時のバランスを踏まえてデザインを提案する必要があります。さらに、ドレスに合わせる小物選びも担っており、独自のセンスとお客様の好みを踏まえて、最高の衣装を提案します。ブライダルコーディネート技能検定(BIA)やWBJ認定ドレスコーディネーターなどの資格があると有利です。
③ブライダルヘアメイク
ブライダルヘアメイクは、結婚式当日のヘアメイクを担います。日常的なメイクとは異なり、衣装の色合いや装飾品などとのバランスを考え、衣装に負けない映えるメイクを施さなくてはいけません。
また、式当日は泣いてしまう花嫁も多いため、落ちにくいメイクを施す必要があります。
さらに、洋装・和装によってヘアスタイルが変わってくるため、様々な衣装に対応できる専門的な技術が必要です。何度もリハーサルができるものではないからこそ、要望を形にするヒアリング力とセンスが求められます。一般的に美容師資格は必須ではありません。
④フラワーコーディネーター
フラワーコーディネーターは、結婚式で使用するお花をトータルコーディネートする職種です。
結婚式場や披露宴会場に飾るものやブーケなどを取り扱っていて、結婚式のテーマや衣装の色合いなど、バランスを考えてデザインする必要があります。
一般的な生花店が式場と提携している場合やホテル内に花屋を併設している場合、フリーランスに依頼する場合など、依頼する形は式場によって様々です。
結婚式の装飾にのみ携わっていきたい場合は、ブライダル専門に扱っている場所に就職する必要があります。
⑤ブライダルカメラマン
結婚式の様子を映像や写真で残す役割を担うのが、ブライダルカメラマンの役割です。一生に一度しかないからこそ、特別な瞬間を形として残すために、プロとしてのスキルが求められます。
また、式当日はゆっくりと写真を撮影する機会がないため、前撮りの撮影を任されることも。
さらに、近年ではフォトウエディングを選択する方も増えています。そのため、フォトスタジオに所属してブライダルフォトの撮影を受けているカメラマンもいます。
⑥バンケットスタッフ
バンケットスタッフは、披露宴の際に料理の配膳やゲストの案内を担うお仕事です。披露宴という限られた時間の中で、食事を楽しんでいただくためにも、スムーズな配膳スキルが必要となります。
飲食の進み具合によって一人ひとりに気を配る必要があるため、一般的な飲食業よりも気遣いができる方に向いています。
チームワークを駆使して進めていく必要があり、仲間同士で連携を取りながら、参列者の皆様に満足してもらえるような配膳を行う職種です。
⑦司会者
司会者は披露宴を円滑に進めていくために、進行を行うお仕事です。ただスムーズに進めるだけでなく、時には場を盛り上げなくてはならないため、臨機応変な対応力が必要となる場面も。
披露宴の司会は友人や知人に依頼することが一般的でしたが、最近では式場に手配してもらうケースが増え、需要が高まっています。司会者の雰囲気によって披露宴の雰囲気も変わるため、お客様の要望に合わせて適切に進められるスキルが求められるお仕事です。
⑧介添え人
介添え人は「アテンダー」とも呼ばれ、式当日に新郎・新婦のお手伝いをする職種です。式の最中は立ったり座ったり移動したりと、着慣れない衣装を着てアクションを取る機会が多いからこそ、介添え人がサポートします。
どのタイミングで移動するかなど、式当日の流れをしっかりと頭に入れておく必要があり、臨機応変に対応できる能力が必要です。
式を円滑に進めるための縁の下の力持ちとして、常に細心の注意を払いながら対応にあたります。
⑨シェフ
シェフは、披露宴時に参列者の皆様へと振る舞う料理を提供する役割を担います。結婚式場ではブライダルフェアを開催する場所も多く、「料理がおいしくてここに決めた」という新郎・新婦も多いほどです。
新郎・新婦の料理に対するこだわりをヒアリングし、テーマに合わせて最適なメニューを提案します。
打ち合わせを重ねながら予算や参列者の人数などを踏まえて計画を立て、参列者の皆様に満足してもらえるような美味しい料理を提供するお仕事です。
⑩音響・照明
音響・照明は、式当日の演出に欠かせない役割を担い、適切なタイミングで適切な演出を行うために、臨機応変な対応力が求められます。楽曲や照明によって一体感を生み出し、最高の瞬間を作り出すサポートをするお仕事です。
事前の打ち合わせも行っており、おおよその式の流れが出来上がってきた段階で、使用する楽曲や流すタイミングなどを確認します。
失敗は許されないからこそ、綿密なリハーサルを行い、式を盛り上げる縁の下の力持ちとしてそれぞれの役割を担うお仕事です。
ブライダル業界で働く3つの魅力

ブライダル業界で働く魅力は以下の3つがあります。
- 一生の思い出に立ち会える
- 得意なことを活かせる
- 人からたくさん感謝される
ブライダル業界への就職に興味がある方へ、その魅力についてご紹介していきます。
①一生の思い出に立ち会える
結婚式は一生に一度の晴れ舞台であり、新郎新婦にとって特別な思い出として一生残り続ける日です。そんな特別な機会に立ち会えることは、何にも代えられない喜びがあります。
自分が作り上げた何かで人を感動させられる職種はそう多くありません。人生で最も幸せになる日を共に作り上げ、多くの方に感動を与えられる、ブライダル業界でしか得られないような達成感や充実感があります。
②得意なことが活かせる
ブライダル業界は、花嫁・花婿にとって特別な一日を作るために、様々な職種が関わり、結婚式を作り上げていきます。
ヘアメイクやドレスコーディネーター、カメラマン、フラワーコーディネーターなど、それぞれ自分自身の得意なことを活かせる仕事です。
これまで学んできたことや自分の長所を結婚式という特別なシーンで発揮できます。それぞれが力を合わせて一つの式を成功に導くという経験によって、この仕事でしか得られない喜びや感動を感じられますよ。
③人からたくさん感謝される
結婚式とは、多くのお客様と幸せな時間を共有するもの。思い出に残る特別な結婚式となるよう、それぞれがお客様ファーストに考えたサービスを提供しています。
そのため、ブライダル業界に関わると、多くの方から「ありがとう」と感謝の言葉をいただく機会が多い職種です。
問題なく式が終了した後、新郎・新婦やご家族様から喜びの声をいただくことが励みになります。
人生に一度きりの特別な機会に携わるというプレッシャーはありますが、それによる充実感は何にも代えられず、やりがいが感じられるものです。
ブライダル業界で働く2つの大変なこと

ブライダル業界は常にお客様の幸せな瞬間に巡り合える素敵な業種ではありますが、大変なこともいくつかあります。
- スケジュールが非固定的
- プレッシャーが大きい
実際にブライダル業界の職種を検討されている方へ、事前に知っておくべき大変さについて紹介します。
①スケジュールが非固定的
式当日やそれまでの打ち合わせのスケジュールは、顧客の都合に合わせる必要があるため、残業や休日出勤など、臨機応変に対応しなくてはいけません。
特に、土日祝日に式を挙げる方が多いため、家族や友人と休日を合わせようと思っても希望通りにいかないことも多く、時には我慢しなくてはならない場面も。
繁忙期と閑散期があるものの、基本的に自分の都合に合わせていつでも休める業界ではなく、仕事中心な生活が当たり前になりがちですね。
②プレッシャーが大きい
結婚式という一生に一度の晴れ舞台に携わるからこそ、プレッシャーは大きいものです。
新郎・新婦はもちろんのこと、ご家族、参列者の皆様にとって「特別な思い出にしなくてはならない」という使命感があります。
お客様へそういった不安が見えないようにするのもプロの役目であり、万が一トラブルが発生した場合でも解決に向けて瞬時に判断して行動に移さなくてはなりません。
それでも、やり直しが利かない1度きりの式だからこそ、無事に終了したときの喜びは計り知れないものがあります。
ブライダル業界に向いてる人の3つの特徴

ブライダル業界の魅力や大変さ、両面から分析してきましたが実際にブライダル業界に向いているのは、以下のような特徴がある方です。
- 人を喜ばせるのが好き
- 柔軟な考え方ができる
- 勉強し続けられる
「自分は向いているのか気になる」という方へ、一つひとつわかりやすく紹介します。
①人を喜ばせるのが好き
ブライダル業界は、結婚式という人生において特別な時間を任せられる仕事のため、プレッシャーがある反面、うまくいったときの感動は計り知れません。人を喜ばせることが好きな方には、特にやりがいを感じられます。
好きなことを仕事にしたいと思っている方で、人を喜ばせることや笑顔を与えることが好きな方には非常に向いているお仕事です。
新郎・新婦の笑顔が原動力となり、辛いことや大変なことがあっても乗り越えていこうと思えるでしょう。
②柔軟な考え方ができる
結婚式を挙げたいと相談に来られる新郎・新婦は、それぞれ式に求めているものや好みが違います。そのため、柔軟性に対応ができる方には向いています。
何とかして実現できる方法はないかを考えたり、代替案を立てたり、実現できない場合でも納得いただける方法を考えられる方にぴったりなお仕事です。リサーチ力や発想力がある方に特に向いています。
③勉強し続けられる
ブライダルの流行は日々進化し続けています。そのため、常にアンテナを張り続けながら、より良いサービスの提供に努めていける勉強熱心な方に向いている職業です。時代の変化と共にマナーもアップデートしていけるよう、向上心を持って日々の仕事に取り組める方に向いています。
海外からお越しいただくお客様や、リゾートウエディングで海外を選択するお客様なども増えており、外国語習得に熱心な方にもぴったりです。
ブライダル業界の将来性

ブライダル業界は、少子化や婚姻数の減少に伴い、全体として縮小傾向にあるのは事実です。しかし、日本で式を挙げたいという海外からの顧客が増加しています。
そのため、これまで以上に間口を広げながら活動することで、新たな顧客が獲得できますよ。
ネット婚活の普及に伴い、ブライダルを取り巻く環境は日々変化しています。形は変わっても、ブライダル関連サービスは今後も需要がなくならず、将来も必要とされ続けていくでしょう。
ブライダル関係の職種を知って業界研究に役立てよう

ブライダル業界には様々な職種が関わり、1つの式の成功のためにそれぞれが協力し合いながら進めていることが分かりました。
一生に一度きりであり、やり直しが利かないからこそ、プレッシャーもありますが、達成感や充実感のあるお仕事です。
時代の変化と共にトレンドも移り変わっており、さらなる顧客獲得に向けてグローバルな流れも進んでいます。ブライダル業界でしか得られないやりがいもあるため、人を喜ばせるのが好きな方や勉強が好きな方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。