「ボーナスは月給の2か月分だと聞いていたのに、少なかった」
「自分のボーナスが平均額と比べると低すぎる」
このようにボーナスが少なくて悩んていませんか。また、ボーナスが低いため転職を考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで、本記事ではボーナスが少ない理由や対処法をまとめました。また、ボーナスの手取りと額面の違いも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ボーナスの額面と実質支給額は異なる

ボーナスは、社会保険料や所得税が差し引かれたあとの金額が振り込まれます。この控除が、「思っていたよりもボーナスが少なかった」と感じる原因です。
住民税はボーナスからは差し引かれません。社会保険料に含まれているのは、厚生年金保険・健康保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5つです。
これら控除金額があるため、額面では2か月分でも実質支給額は少なくなります。実際に支払われるボーナスは、額面の約8割と考えておきましょう。
ボーナスが少ない4つの理由

「自分のボーナスが平均額よりも少ない」と感じている人は、もしかすると、
- 会社の利益率が低い
- 査定期間の評価が低かった
- 大手と中小企業にはボーナスの差がある
- ボーナスが少ない業界にいる
この4つのどれかが原因かもしれません。各理由の詳細をまとめたので、自分の現状と比較してみてください。
①会社の利益率が低い
会社の業績が悪い場合、ボーナスが少なくなります。法律上、会社にボーナスを支払う義務はありません。
そのため、会社の利益が少なくて余裕が無ければ、ボーナスの額が減る可能性が出てきます。
就業規則に賞与の条件を記載している場合があるので、会社の業績によっては支払われない旨が記載されているか確認してみましょう。
②査定期間の評価が低かった
ボーナスが少ない理由は、査定期間の評価が低かったからかもしれません。
夏と冬の年2回ボーナスが支給される場合は、夏のボーナスの査定期間は10~3月、冬のボーナスは4~9月を査定期間とする企業が多いようです。
査定の基準には、以下の3つのポイントがあります。
- 業績評価
- 能力・スキル評価
- 行動評価
業績評価は、売り上げ目標のような数値が明確な目標の達成度や、会社へどのような貢献をしたのかが見られます。
能力・スキル評価では、業務に役立つ資格を取得したり、売り上げ目標を達成するためにおこなった努力などが評価対象となります。
行動評価では、普段のコミュニケーションの様子や、遅刻の有無など勤務態度が評価されます。
また、転職した時期が査定期間終わりごろだと、十分に評価されずボーナスが低くなる可能性があるので気をつけましょう。
③大手と中小企業にはボーナスの差がある
ボーナスの平均額を算出するための元データにも注目しましょう。
元データが大手企業と中小企業すべてが対象となっている場合、上場している一部の大手企業が高い額のために、平均額が上がっている可能性が考えられます。
ボーナスの平均額を知りたい場合は、国税庁による「令和3年 民間給与実態統計調査結果」の300人以下を確認してみましょう。
従業員5000人以上の大手企業102万円に対し、100~499人の中小企業が72万円、10人未満だと23万円が1年を通したボーナスの平均額です。
そのため、よく言われている「ボーナスの平均額は年2回だと38万ずつ(月給2か月分)」よりも少なくても、過剰に落ち込む必要はありませんよ。
④ボーナスが少ない業界にいる
また、そもそもボーナスが少ない業界にいる可能性があります。
厚生労働省による「毎月勤労統計調査 令和4年9月分速報」では、夏のボーナスの支給金額が業種ごとにまとめられています。
業界別に見ると一番ボーナス額が高いのは電気・ガス業で77万円、一方で一番ボーナス額が低いのは飲食サービス業等で6万円です。
自分のボーナスが平均よりも低いと感じている人は、自分がいる業界の平均額を調べてみてください。
【転職前に!】ボーナスが少ないと思ったときの対処法4つ

ボーナスが少ないからと言って、焦って転職活動をするのはおすすめできません。
ボーナスに執着しすぎてしまうと、いつまでもボーナス額に満足できず、転職を繰り返してしまうおそれがあります。
そのため転職を考えている人は、
- 自分の業界のボーナス水準を把握する
- ボーナスをあてにしすぎない
- 成績を上げる
- 副業をする
この4点に注目してみてください。
①自分の業界のボーナス水準を把握する
自分がいる業界は、どの程度ボーナスが支給されているのかを把握しましょう。
業界別でのボーナスの前年比が知りたい人には、厚生労働省が発表している「毎月勤労統計調査」がおすすめです。毎年、9月分の速報で1人平均の夏季賞与をまとめています。
前年比が記載されているため、その業界の業績が上がっているのか、または下がっているのかをチェックできますよ。
1年を通して支給されたボーナス額の平均が気になる人は、国税庁が発表している「民間給与実態統計調査結果」を確認してみてください。「毎月勤労統計調査」と同様に、業界別でまとめられています。
②ボーナスをあてにしすぎない
ボーナスをあてにした買い物は控えるのも、ボーナスが少ない場合に不可欠な対処法です。
ボーナスは法律上、支払いの義務はありません。そのため、会社の業績が悪いとボーナスが支払われない可能性も考えられます。
ボーナスだけを頼りに、家電製品やブランド品を購入したり家や車のローンを組んでしまったりすると、払えなくなるおそれがあります。
ボーナスに依存した買い物をしている人は、支払い方法を見直してみてください。
③成績を上げる
ボーナスの支給額を上げるためには、成績を上げて評価につなげるのが有効的な場合もあります。
業界のボーナス平均額と比べて自分のボーナスが極端に低かったときは、査定の評価が低かったからかもしれません。
自分が勤めている会社の評価基準がわからない人は、上司や先輩に相談してください。
成長しようとする姿勢も評価対象となっていることが多いので、積極的に行動するのが高評価につながる一歩となりますよ。
④副業をする
会社の業績が下がっていてボーナスが期待できないのであれば、副業で収入を増やすのもおすすめです。
通勤時間などの空き時間を使ってできる副業がたくさんあり、やった分だけ報酬となるものがほとんどです。
一方で、今よりも働くことになるので、自由な時間が減ってしまいます。プライベートとの兼ね合いを考えながら、自分に合う副業を探してみてください。
なお、副業を禁止にしている会社があったり、副業でも多額を稼いでしまうと確定申告が必要となる場合があるので、要チェックです。
ボーナスに関するQ&A

ボーナスが思っていたよりも低かったため、転職しようと考えている人もいるのではないでしょうか。
ここでは、
- ボーナスが少ない会社は辞めるべきなのか
- 月給とボーナスはどちらを優先すべきなのか
この2点に言及しています。
Q.1|ボーナスが少ない会社は辞めるべき?
ボーナス額だけを理由に会社を辞めてしまうのは早計です。
今いる業界のボーナス水準が低い場合、同じ業界内で転職活動をしてしまうと再度「ボーナスが低い」と辞めたくなってしまうかもしれません。
また、ボーナスだけを見ると平均よりも低くても、月給は高い場合もあります。
今の会社を辞めたいと思っている人は、ボーナス以外にも辞めたい理由があるのか改めて考えてみてください。
Q.2|月給とボーナスはどちらを優先すべき?
賃金は、ボーナスよりも月給を優先して考えてましょう。ボーナスは会社の業績に依存しています。
そのため、いくら個人の成績が良くても会社全体の業績が悪いとボーナスが減ってしまったり、支払われなかったりします。
就業規則の賞与欄の内容にもよりますが、法的にボーナスの支払いは義務付けられていません。
ボーナスは支払われないおそれを考慮し、賃金は月給に注目しましょう。
ボーナスが少ないときは原因をしっかり考えよう

「ボーナスが平均額よりも少なかった」「年々ボーナスが減っている…」
そんなときには、会社の業績や自身の成績・勤務態度、また業界別のボーナス水準をチェックしてみてください。
また、ボーナスをあてにしすぎていないか、普段の生活を見直してみるのもおすすめですよ。
「それでもやっぱり転職したい」と考えている人は、ボーナスだけを目当てにせず月給を優先的に注目して、転職活動をしてくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。