理系女子で就職先がなかなか決まらず悩んでいる人や、どの業界・職業がおすすめなのか知りたいという人もいるのではないでしょうか。
本記事では、理系女子の現状を把握した上で、おすすめの業界や学部ごとにおすすめできる職業などについて解説します。
理系女子で現在就職先を探している人や、これから就職活動を始める人は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
まずは確認!理系女子の現状2つ

最初に、理系女子の現状について把握しておきましょう。現在把握しておくべきポイントは、主に以下の2つです。
①理系女子の割合
現在、理系女子の割合は増加傾向にあります。具体的な数字で見てみると昭和50年の9%から平成27年には36%まで上昇しています。
ちなみに文系は、昭和50年の21%で平成27年は44%と上昇していますが、上昇率では理系の方が高いです。
また、女性の大学進学率も昭和50年から平成27年までの間で35%増加していることから、今後も理系を専門とする女性は増えると予想されます。
②理系女子の活躍が求められている
現在では、第5次男女共同参画基本計画にもあるとおり、理系女子を含めてより女性が活躍できるような社会を目指しています。
例えば、令和5年6月9日の閣議で決定された第5次男女共同参画基本計画では、以下の目標が設定されました。
- 東証プライム市場の上場企業に占める女性の割合を2025年までに19%にする
- 東証プライム市場の上場企業のうち女性役員が登用されていない企業を2025年までに0%にする
参照:男女共同参画局
以上のことから、今後は理系女子も積極的に企業で採用され、活躍できることが予想されます。
理系女子が活かせる強み2選

就職時に文系と理系で、強みを比較したときに何が違うのか気になる人もいるでしょう。就職時の理系女子の強みとしては、主に以下の2つが挙げられます。
①女性ならではの視点を研究に活かせる
1つ目は、女性ならではの視点を活かして商品開発などに関われることです。
商品開発などの際は、ターゲットにもよりますが、男性だけではなく女性に向けて販売するものも多くあります。
その際に、男性ではなかなか気づきにくい視点に女性なら気づけることも多々あるでしょう。
そのため、女性が必要としている商品を開発・作成するためにも、理系女子を含め、女性社員の存在は重要です。
②就職で有利になりやすい
2つ目は、理系女子は就職で有利になりやすい点です。理由としては、理系の人が研究を通して培ってきた論理的思考力や分析力に魅力があるからです。
論理的思考力とは、なぜそうなるのか分析して答えを導き出す力のことを指します。論理的思考力は研究だけではなく、仕事においてもとても重要な力です。
そのため、日頃から論理的思考力を鍛え、研究をしている学生は仕事でも活躍できることが期待されます。
理系女子が就職する際に気をつけるべきポイント4つ

理系女子で就職先を探す際に、どのようなポイントに注意すればいいのか気になる人もいるでしょう。企業を探す際は、主に以下の4つについて気をつけましょう。
①福利厚生の充実
1つ目は、就職を検討している企業の福利厚生の充実度です。福利厚生の内容はさまざまですが、その中でも産休制度や育休制度などの点を中心に確認しましょう。
現在は、産休・育休制度を積極的に取り入れている企業も多いことから、女性でも働きやすい企業は増えている傾向にあります。
将来的に産休後も産休前と同様に働くことを考えているのであれば、必ず福利厚生については確認しておきましょう。
②職場の男女比率
2つ目は、職場の男女比率です。職場で女性が少ない場合、悩みを相談しづらい可能性があります。
もちろん、女性でも働きやすい環境が整っている企業は増えているものの、相談内容によっては男性にはしづらい場面もあるでしょう。
そのため、就職先を探す際は女性社員の在籍数などを調査しておきましょう。
③スキルや経験を活かせるかどうか
3つ目は、現在の自分が持っているスキルや経験を活かして活躍できるかです。
理系女子が活かせる強みでも解説しましたが、仕事をする上で女性ならではの視点が活きる場面は多々あります。
特に商品開発やサービス開発の点においては、男性だけではなく女性もターゲットに含まれることが多いです。
そのため、自分が理系で身につけてきたスキルや経験に加えて、女性ならではの視点を活かせる企業を探せるとベストです。
求人情報だけでは判断しにくい部分のため、業界研究やOG・OB訪問を積極的に行い、自分に合った企業を探しましょう。
④認定マークがついているかどうか
4つ目は、認定マークがついているかどうかです。認定マークとは、厚生労働省が認定している「えるぼしマーク」「くるみんマーク」のことを指します。
認定マークがある企業の特徴は、他の企業と比較すると女性が働きやすい環境が整っていることです。
福利厚生の点でも解説しましたが、産休・育休制度が充実しているか確認することは、就職する企業を探す上でとても重要です。
認定マークがある企業では、女性が望む福利厚生が整っている可能性が高いため、合わせて確認しつつ求人を探すのもいいでしょう。
理系女子におすすめの業界3選

実際に理系女子がどのような業界に進めばいいのか気になる人も多いでしょう。おすすめの業界については、主に以下の3つが挙げられます。
①食品業界
1つ目は、食品業界です。食品業界の仕事はさまざまで、その中でも商品の研究や開発の仕事が理系の人にはおすすめです。
食品関係の専門知識がなくても、これまでに研究してきた経験を活かし活躍することが可能です。
そのため、理系の学生に人気の高い業界の1つといえます。食品業界の企業としては味の素や森永乳業、山崎パンなどが挙げられます。
食品業界への就職を目指す際は、上記の企業も視野に入れつつ候補を探していきましょう。
②化粧品・化学業界
2つ目は、化粧品・化学業界です。理系出身の人であれば、主に研究や開発職に向いています。
化粧品・化学業界での研究や開発職については専門的な知識が必要なため、理系の人が多く採用されやすい傾向にあります。
もし、化粧品関係の仕事や研究・開発関係の仕事に興味がある人は、大学で勉強した内容も活かせますので、候補の1つに入れてみましょう。
化粧品・化学業界の企業例としては、コーセーや資生堂、旭化成などの大手企業があります。
③IT業界
3つ目は、IT業界です。IT業界は幅が広く、ソフトウェア業界やハードウェア業界などさまざまです。
そのため、自分が学生のときに勉強したことが活かせる仕事を見つけやすいでしょう。
例えば、ソフトウェア業界ではプログラミングスキルやシステムの知識などを活かして就職先を探せます。
IT業界を幅広く検討しているのであれば、Skyや日立製作所、富士通などが該当してくるでしょう。
【学部別】理系女子におすすめの職業

理系にもいろいろあり、それぞれの学部においておすすめの職業も異なります。理系の学部別でのおすすめの職業も解説しますので、就職先を探す際の参考にしてみてください。
①理学部(生物・物理)
理学部は、化学や生物、物理などを学び研究する学部です。
そのため、大学で学んだことを仕事でも活かしたいのであれば、放射線取扱業者や製薬関係の企業、半導体に関わる企業などが挙げられます。
また、膨大な情報を扱いながら研究してきたのであれば、データ処理能力を活かしたデータアナリストやエンジニアなどもおすすめです。
②工学部
工学部では、ものづくりに必要な知識を身につけながら実験や分析をする学部です。
勉強する内容としては、コンピューターやソフトウェアなどの情報系から建築関係のことなどさまざまです。
そのため、工学部で勉強してきた内容に合わせて就職先を探していくといいでしょう。
例えば、機械系のことを勉強してきたのであれば自動車メーカー、電子系のことを勉強してきたのであれば電子回路技術者などが挙げられます。
③農学部
農学部は、農作物の栽培方法や農薬の知識、食品の生産や品質管理に関わる知識など幅広く学べる学部です。
農学部で勉強をするとバイオテクノロジーについて深く勉強できるため、就職先を探す際は、研究開発や品質管理に関われる仕事などが候補として挙げられます。
勉強する幅が広いため、自分が学んだ専門知識を活かせる職場を探せるでしょう。
④建築学部
建築学部では、建築物の設計方法や建築資材に関する研究や開発など、建築に関わることを幅広く学ぶ学部です。
そのため、建築学部での勉強内容を活かして就職先を探すのであれば、設計士や建築家、建築デザイナーなどが候補として挙げられます。
また、自分自身が建築に関わる仕事だけではなく、住宅に関する知識を活かし、ハウスメーカーの企業に就職するのもおすすめです。
⑤医学部・薬学部
医学部では、解剖学や生理学など人の体に関する知識を学ぶ学部です。薬学部は医薬品や医療製品に関する知識や技術について学びます。
この2つの学部は一般的な大学とは異なり、6年間かけて知識や技術を身に付けたり、実習を積み重ねたりしています。
そのため、就職先としては、専門的な知識と技術が求められる医師や薬剤師、歯科衛生士などが挙げられます。
就職するのには資格も必要になるため、誰でもなれる職業ではありません。もし、資格を取得できた際は強みを活かして、紹介した職業を目指してみるのも1つの手です。
理系女子の就職についてよくある質問4選

最後に、理系女子の就職に関するよくある質問について解説します。ここまでの解説では触れなかった細かな部分についても解説しますので、しっかり確認しておきましょう。
①理系女子が高収入を目指せる職業は?
理系女子が目指せる高収入の職業として、医師や研究・開発に関する仕事などが挙げられます。
もし、高収入の職業を目指すのであれば、他の人が簡単になれないような職業を目指しましょう。
例えば、医師は大学で専門的な知識を学び、資格を取得する必要があるため、誰でもなれる職業ではありません。
このように、高収入の職業を目指すのであれば、専門性や希少性の高いものを選びましょう。
②理系女子の平均年収は?
理系女子の平均年収は452.83 万円です。文系出身の人の年収が平均で363.14 万円なので、理系出身の人の方が年収は高い傾向にあります。
現在は年数も経っているため、多少年収に動きがあるでしょうが、その点を加味しても理系出身者の年収の高さは魅力的です。
ただし、理系出身であっても職業によって年収が異なるため、職業別の年収も把握しておくといいでしょう。
参照:理系出身者と文系出身者の年収比較 -JHPS データに基づく分析結果-「表 15 インターネット調査文理別大卒以上就業者年収比較(女性)」
③就職で不利になることはある?
理解女子という理由で就職が不利になることはありません。女性でも大学で学んだことを活かした仕事をしている人も多く、就職の機会に差はありません。
もし、就職できるか不安なのであれば、女性ならではの視点を活かせる職業や、自分が大学で学んできた知識やスキルを活かせる職業を探しましょう。
本記事では、おすすめの業界や学部別でおすすめの職業についても解説していますので、合わせて確認しましょう。
④昇進や家庭を充実させることは難しい?
昇進や家庭を充実させることは決して難しいことではありません。誰でも簡単にできることではありませんが、工夫次第では家庭と仕事の両立は実現できるでしょう。
もちろん、自分一人の努力だけでは難しい場面もあるため、福利厚生の整っている職業を目指すのも1つの手です。
理系女子の職業を調べて就活に活かそう

理系女子の人は、自分の強みが何かしっかり把握した上で就職先を探しましょう。
どの学生にも言えることではありますが、理系の場合、専門的な知識を学べるため、文系の人にはない強みがたくさんあります。
その強みを把握した上で就職先を探せば、より自分に適した仕事を見つけやすくなるでしょう。
本記事でも理系の中でも学部ごとの強みを活かせる職業の例を挙げていますので、ぜひ参考にしてみてください。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。