就職活動の面接では「フェルミ推定」が出題されることがあります。特にコンサルや商社、ベンチャー系企業などの特定業界で頻出です。
しかし「フェルミ推定って何?どのように対策すればいいの?」と悩みますよね。
そこで本記事では、面接頻出の「フェルミ推定」について徹底解説します。解き方の4ステップや具体的な対策方法、おすすめの問題集まで紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
面接で頻出のフェルミ推定とは?特徴を知ろう

まずは、フェルミ推定の意味や特徴、面接で聞かれる目的をチェックしていきましょう。
- フェルミ推定とは
- フェルミ推定の目的
- みられている能力
①フェルミ推定とは
フェルミ推定は、「わからない数値」を概算する力を試すテストです。特定業界の面接で頻繁に問われるスキルであり、特にコンサル、商社、ベンチャー企業などで重要視されています。
具体的には、与えられた問題に対して正確な数値が不明な場合に、論理的な仮定や経験的な知識を活用してその数値を概算する能力が求められます。
問題解決や意思決定において、具体的な情報がない状況でも合理的な見積もりを行い、問題に対処するための重要な思考ツールです。
②フェルミ推定の目的
企業が採用面接でフェルミ推定を出題する目的は、学生の論理的思考力や問題解決能力を評価することです。
正確な情報が不足している状況で仮定や推測を通じて問題にアプローチする能力を測定します。実務においても複雑な状況に、柔軟かつ効果的に対処できるかを見極めるために利用されるのです。
現実のビジネス状況においても予測が必要な場面が多いため、社会人になる上でこのスキルは重要です。
③みられている能力
フェルミ推定を通してみられる能力は、抽象的な概念を具体的な要素に分解し、複雑な問題を細部に分けて理解する力です。
また、論理的思考力が問題解決に欠かせず、合理的な仮説を立てる能力が重要です。さらに、その結論や解答を的確かつ分かりやすく伝えるプレゼンテーション能力も求められます。
フェルミ推定は抽象から具体への思考を促し、複雑な課題に対して論理的なアプローチを取る力を評価する手段なのです。
フェルミ推定を解く基本の4ステップ

次に、フェルミ推定を解く基本の4ステップを紹介します。
- 問題の定義
- 情報の整理
- 合理的な仮定を立てる
- 計算と推定
①問題の定義
まず、問題の定義を行います。わかりやすく言えば、問題文から”数える対象”を明確に定めるということです。
たとえば「都内の本屋1店舗の一日の売り上げは?」の問題では、「都内の本屋」という定義があいまいであり、算出がブレる可能性があります。都内といっても、場所によって繁盛具合が違うからです。
具体的な場所を指定することで、平均や具体的な数値を算出できます。たとえば、新宿や渋谷、池袋など特定の主要な場所を明示的に指定することで、より具体的なデータや分析が可能です。
➁情報の整理
次に、情報を整理します。情報を整理するためには、フェルミ推定に最低限必須な情報を頭に入れておく必要があります。
下記の項目は多くの問題に役立つ知識であるため、事前に頭に入れておくとよいでしょう。
- 日本の人口
- 全国の世帯数
- 日本の国土面積
- 日本人の平均寿命
- 日本の労働人口
- 日本の一年間に生まれる子どもの数
- 日本の大学進学率
- 日本の企業の数
- 地球の面積
- 世界の人口
③合理的な仮定を立てる
次に、合理的な仮定を立てます。仮説を立てることで、論理が展開しやすくなるからです。とはいえ、欲しい情報の全てが手に入るわけではありません。
そのため、分かっている情報をもとに欲しい情報を求めるための仮定を立てる必要があるのです。
たとえば、ある国のキャンディーの消費量は分かっているが、求めたい数字は世界のキャンディーの消費量を知りたいとします。この場合は、ある国の情報をもとに世界の数字を推測し、仮定とします。
④計算と推定
最後に、これまでのステップで得た情報と仮定から計算し、推定を行います。この時、正確な数値でなくても問題ありません。なぜなら、正確な数値を求めるのが目的ではないからです。
フェルミ推定は、正確な数値を求めることよりも、与えられた情報や仮定から合理的な範囲内で答えを導き出す方法です。
この手法では、問題に対する適切な仮定を行い、計算の簡略化や問題の絞り込みを行います。
【実践】実際にフェルミ推定をやってみよう

ここでは、フェルミ推定の例題を紹介します。前項で紹介した流れをもとに、力試しとして解いてみてください。
問題:日本に信号機は何機あるか 【問題の定義】信号機は自動車用、電車や鉄道用、歩行者用などさまざまな種類があるが、ここではおそらく自動車用の信号機に限定しても支障ない。 【情報の整理】 ・日本の国土面積は40万平方km ・信号機は500mに1機ありそう ・つまり250,000平方メートルあたりあたり1機の信号がありそう 【合理的な仮定を立てる】 ・日本は山岳地帯が多いので平地は国土の15%程度と仮定。 【計算と推定】 500mに一機の信号機。 すなわち250,000平方メートルに1機の信号機。 つまり、1キロ平方メートル(1,000,000平方メートル)に4機ある。 日本の国土は約40万平方kmなので15%は 40万(平方km)×0.15=6万(平方km) 6万(平方km)×4(機)=24万(機) 従って、日本には約24万機の信号機があると推定できる。(実際は約20万機) |
フェルミ推定の問題集3つ

次に、フェルミ推定の対策におすすめな問題集を3冊紹介します。
- 現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート
- サイエンス悩のためのフェルミ推定ドリル
- 地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
①現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート
『現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』は、東京大学に在籍する学生が培った知識と経験を基に構築され、読者が論理的思考力を向上させることを目的とした問題集です。
各問題について丁寧に解説されており、解答の根拠や考え方が理解しやすくなっています。
これにより、読者はフェルミ推定の手法を身につけながら、問題解決において論理的かつ効果的なアプローチを身につけられるでしょう。
➁サイエンス悩のためのフェルミ推定ドリル
『サイエンス悩のためのフェルミ推定ドリル』は、科学に関する概念を理解し、複雑な問題に対して合理的な見積もりを行う力を養うことを目的とした問題集です。
具体的なシナリオや事象に関する簡潔な問題が多く含まれており、それぞれの問題に対して的確なアプローチを身につけることができます。
問題の構成は分かりやすく、解答には論理的な推論と数学的な計算が求められます。まさに、科学的思考力や問題解決能力を高める上で効果的な問題集と言えるでしょう。
③地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』は、日常生活やビジネスシーンにおける様々な課題に対して、フェルミ推定を駆使して解決する力を高められる問題集です。
具体的な状況設定と共に提示される問題は、複雑な情報から本質を見抜く能力を育むものばかり。また、解答に至る過程での論理的思考や計算スキルも向上します。
問題の幅広さと難易度のバリエーションは学習者のスキルに合わせた挑戦を提供し、実践的な状況判断力を磨く手助けとなるでしょう。
フェルミ推定への5つの対策

最後に、フェルミ推定の具体的な対策を5つ紹介します。
- 基本的な知識や情報の蓄積
- 実際にフェルミ推定の問題を解く練習
- 合理的な仮定を立てる練習
- 複数の情報を組み合わせる練習
- 解答時のプレゼンテーションの練習
①基本的な知識や情報の蓄積
基本的な知識や情報の蓄積は、フェルミ推定において的確な予測を可能にし、冷静な判断力を養います。適切な情報を持つことで、問題や状況に対して的確にアプローチができるからです。
具体的な方法としては、信頼性の高い情報源から情報を収集し、分野ごとに基礎的な理論や事実を習得することが挙げられます。
書籍、学術論文、信頼性のあるウェブサイトなどを活用して、幅広い分野にわたる基本的な知識を習得し、これを統合して問題にアプローチすることで、高度なフェルミ推定が可能となります。
➁実際にフェルミ推定の問題を解く練習
フェルミ推定の問題を解く練習は、現実的な課題に対する適切な見積もり能力を養う上で重要です。この練習を通じて、問題解決の基本的な手法やロジカルな思考力を向上させることが期待されます。
まず、問題に対する情報を整理し、必要なパラメーターを特定します。次に、それらのパラメーターに合理的な範囲を設定し、推定を行います。
たとえば、「都市のビルの数は何棟か?」という問題において、都市全体の面積や平均的なビルの密集度を考慮し、ビルの数を見積もります。
③合理的な仮定を立てる練習
合理的な仮定を立てる練習は、フェルミ推定において精度を高める重要なスキルです。仮定は推定の基盤であり、適切な仮定がなければ正確な結論が難しいからです。
合理的な仮定を立てるためには、まず問題や状況をよく理解し、関連する情報を収集しましょう。次に、情報の信頼性や妥当性を判断し、必要に応じて補足的なデータを求めます。
仮定は現実的で合理的な範囲内に収めるべきであり、過度な仮定は結果を歪める可能性があります。
④複数の情報を組み合わせる練習
フェルミ推定において、複数の情報を組み合わせる練習は、正確な見積もりを行うために不可欠です。
単一の情報源からのみでは不確かな結論になりがちなため、複数の情報を総合的に考慮することで、より客観的で信頼性の高い予測が可能です。
たとえば、物事の大きさや数量を推定する場合、異なる情報源や視点からのデータを組み合わせ、相互に補完することが効果的です。
⑤解答時のプレゼンテーションの練習
解答時のプレゼンテーションの練習は、導き出した答えを効果的に伝え、評価を向上させるために重要です。まず、明確かつ論理的な構造で解答をまとめ、要点を押さえることが大切です。
次に、表現力を高めるために口頭での練習が必要です。自分の言葉で流暢に説明し、緊張感を克服するためには模擬面接が有益です。
また、フィードバックを受けながら強調すべきポイントを洗練させ、時間配分も考慮しましょう。
フェルミ推定で考える力を強めよう
本記事では、面接頻出のフェルミについて解説しました。
フェルミ推定では「わからない数値」を概算する力が求められます。この力をつけるためには、基本的な情報(日本の人口や世帯数など)を頭に入れた上で、順序立てて考える必要があります。
まずは対策として問題集を活用しながら頻出問題を解いてみましょう!
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。