就職活動では、学校推薦を受けて企業の選考を受けることも選択肢のひとつです。「学校からの推薦があると選考が有利になるの?」と思った就活生の方も多いでしょう。
しかし「そもそも学校推薦ってどうすればもらえるの?」「どんな風に選考が有利になるんだろう?」「気を付けたほうがいいことはある?」と悩みますよね。
そこで本記事では、就職活動における学校推薦について徹底解説します。学校推薦を利用するにあたっての注意点も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
学校推薦とは就職活動における採用方法の1つ

学校推薦は、企業が大学に提出した推薦枠を活用し、推薦状を添えて応募する制度のことを言います。
通常、学校推薦は大学院で修士課程を修めた学生が対象となります。学校推薦のメリットは、一部の企業では選考が免除され、他の応募者よりも有利に評価されることです。
企業と大学の協力により、学生はより確実に内定を獲得でき、効果的な就職活動を展開できるのが特徴ですね。
学校推薦の代表的な2つの種類

まず、学校推薦の代表的な種類を2つ紹介します。
- 学科推薦
- 教授推薦
①学科推薦
学科推薦とは、学校が学生の将来の進路や適性を評価し、企業に推薦する制度のことを言います。
学科の教員が学生の成績や人柄などをを総合的に把握し、その学生が特定の企業や業界とのマッチ度が高いと評価されると、企業への推薦が行われる流れです。
推薦を受ける学生の中には、専門的な知識やスキルを持つ人も少なくないので、企業側も優れた人材を採用できる可能性が高まります。
学生だけでなく、企業側にとっても嬉しい制度だと言えますね。そのぶん、企業側が学生に向ける期待も大きくなる傾向にあります。
②教授推薦
教授推薦とは、教授が研究室の学生を企業に推薦する制度です。
教授とつながりのある企業から求人オファーが来ることもあり、企業が求めている専門性を持った人材をマッチングさせる仕組みとなっています。
教授推薦は自分で応募して選考を受けるよりも合格率が高くなりがちです。書類選考や一次面接などが免除され、短期間で就活が終わることも少なくありません。
一方、推薦先として選べる企業が限定的であったり、推薦を受けられる学生が少なくなりがちなことに要注意です。
学校推薦の一般的な流れ

学校推薦の流れは、学部3年あるいは修士1年の12月以降に学内説明会への参加、その後応募と学内選考が行われます。
学部4年あるいは修士2年の4月頃には、企業選考が開始され同時期に内定が出されることが一般的です。
このプロセスでは、学内説明会を通じて興味のある企業を選び、応募します。その後、学内での書類審査や面接を経て内定がもらえると、学部4年あるいは修士2年の4月から正式に採用が確定する流れです。
これにより、学生はスムーズに就職活動を進められ、内定後には安心して卒業に向けて進学や新たなステップに進めるのです。
学校推薦を利用できる人の3つの特徴

次に、学校推薦を利用できる人の特徴を3つ紹介します。
- 学校での成績が優秀
- 学校での態度が模範的
- 専門性を備えている
①学校での成績が優秀
1つ目は、学校での成績が優秀であることです。これは学生の能力の高さだけでなく、その学生が学業に真摯に取り組み、知識やスキルをしっかりと身につけていることを示します。
能力の有無に加えて、コツコツ努力ができるかどうかや諦めない力があるかなども、この評価に一緒に含まれているのです。
そのため、評価基準には定期試験やレポートで高い点数を維持することだけでなく、授業への積極的な参加も含まれます。また、課外活動やリーダーシップ経験があるとなおよいでしょう。
②学校での態度が模範的
2つ目は、学校での態度が模範的なことです。「学校推薦=学校の代表として企業に推薦されること」なので、代表としてふさわしいと認められた学生が選ばれやすい傾向にありますね。
生徒の模範的な態度とは、単なる成績だけでなく、協調性や責任感も含まれます。模範的な生徒は授業への積極的な参加や協力的な態度を示し、教師やクラスメートとの良好な関係を築いています。
このような生徒は、学業成績だけでなく社会的なスキルも備えており、学校推薦を通じて企業に貢献できる有望な学生と見なされやすいのです。
③専門性を備えている
3つ目は、専門性を備えた学生であることです。理由は、その学生が将来の職場で即戦力として期待されるからです。
専門性とは、特定の分野や科目において深い理解と高いスキルを持ち、プラスアルファで企業が求める知識や技術も兼ね備えていることを指します。
学校推薦では、専門分野での優れた成績やプロジェクトへの積極的な参加も評価ポイント。高評価の学生はより企業に貢献できると見なされ、企業の信頼を得やすくなります。
就職活動における学校推薦のメリットとデメリット

次に、就職活動における学校推薦のメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
- 就職活動における学校推薦のメリット2つ
- 就職活動における学校推薦のデメリット2つ
①就職活動における学校推薦のメリット2つ
まず、メリットを2つ紹介します。
比較的内定が出やすい
メリットとしては、比較的内定が出やすい点が挙げられます。これは、学校が学生の実績や適性を把握しており、推薦を行うことで企業に信頼性を示すからです。
学校推薦者は、学内での成績や専門的な活動が優れていることが前提とされます。企業は学校が推薦する学生に対して信頼を寄せ、内定の判断材料として重要視します。
この信頼感から、学校推薦を利用する学生は一般的な自由応募と比べて内定が出やすくなります。
選考プロセスが部分的に免除されることがある
選考プロセスが部分的に免除されることも、メリットのひとつだと言えるでしょう。
学校推薦は、優秀な成績を有する学生に与えられるため、専門分野において優れたスキルや理解を持っていることが期待されます。
就活において学校推薦を利用すると、企業は学生のポテンシャルを既に一定程度評価済みと見なす傾向があります。
これにより、一部の選考プロセス(書類選考や一次面接など)が簡略化または免除されるケースがあります。
②就職活動における学校推薦のデメリット2つ
次に、デメリットを2つ紹介します。
基本的に内定を辞退できない
まず、基本的に内定を辞退できないことが挙げられます。これは、学校推薦は企業と大学との信頼関係で成り立っており、推薦された学生が内定を承諾することを前提としているからです。
企業も学校との連携を大切にし、推薦を受けた学生に対して内定を提示する場合が多く、辞退が難しい状況が生じます。
このように、学生が企業を自由度高くなく選択できる一般的な就職活動に対し、学校推薦は選択肢が制限されることを頭に入れておきましょう。
早期に退職するのが難しい
入社してすぐに退職するのは難しいこともデメリットのひとつだと覚えておきましょう。なぜなら、学校推薦で入社した人がすぐ退職すると、企業側は学生への評価に疑念を抱いてしまうからです。
企業はどうしても長く働いてくれる社員を望む傾向があります。学校推薦で選ばれて入社した社員が早々に辞めてしまうと、企業は不安を感じ、大学への信頼度も低下します。
これが頻発すれば、学校推薦自体に対する企業の不信感が生じ、結果として学校推薦者全体の評価が下がり、学校推薦の信頼性に影響を及ぼしてしまうのです。
入社してすぐの退職はそもそも心情的に難しいでしょうが、学校推薦のときは上記のようなプレッシャーも加わるため、よく考えて利用してくださいね。
就職活動で学校推薦を利用するべき人の特徴3選

次に、就職活動で学校推薦を利用するべき人の特徴を紹介します。
- 専門的な知識を活かして働きたい人
- 就職したい企業が定まっている人
- 就職活動を短期間で終わらせたい人
①専門的な知識を活かして働きたい人
1つ目は、専門的な知識を活かして働きたい人です。学校推薦では専門的な分野での優れた成績や実績を残した学生がより評価されやすく、また企業側もそういう学生を求めているからです。
たとえば、専門的な講義やプロジェクトでの成果が評価されている人が推薦されれば、企業はその人が専門知識を活かして業務に貢献してくれるだろうと期待しますよね。
つまり専門的な知識を持っている人は、学校推薦を受けることでより企業からの評価が高くなり、内定への道が近づくのです。
②就職したい企業が定まっている人
2つ目は、就職したい企業が定まっている人です。
学校推薦は、その学校が持つ独自の教育プログラムや産業との連携に基づいています。
就職したい企業への学校推薦枠が用意されている場合、企業の求める能力を大学で先に学べるパターンも。つまり、より企業とのマッチ度が高まった状態で就活に臨めるわけですね。
志望企業から求められるスキルや知識を一足先に備えておけるため、より就職に有利なポジションに立つことができるでしょう。
③就職活動を短期間で終わらせたい人
3つ目は、就職活動を短期間で終わらせたい人です。学校推薦は内定獲得のプロセスを簡略化・迅速化しているため、より短期間で就活が終わる傾向にあるのです。
学校側がすでに学生の適性や実績を把握し、わかりやすく企業に伝えるため、企業側もさほど時間をかけずに学生とのマッチ度を測ることができるわけですね。
これにより、他の一般的な選考プロセスよりも早期に内定を獲得でき、就職活動の期間を短縮できます。
学校推薦を利用するときの3つの注意点

最後に、学校推薦を利用するときの注意点を3つ紹介します。
- 学校推薦では1社しか応募できない
- 自由応募での就活も合わせて行う必要がある
- 元から学校推薦の枠がない企業・学校もある
①学校推薦では1社しか応募できない
まず知っておくべきなのが、学校推薦では1社しか応募できないことです。学校が学生一人ひとりに的確なサポートを提供するため、複数社の推薦が困難だからです。
学校推薦を使う場合は、慎重に企業を選び、熟考した上で応募しましょう。
②自由応募での就活も合わせて行う必要がある
自分で応募して選考に参加するタイプの就活も同時に行わなければならないことにも注意が必要です。学校推薦を受けたからといって、内定が確約されているわけではありません。
学校推薦を受けるにはさまざまな基準をクリアする必要があるため、決して簡単な道ではないのです。他の学校や企業にも同時に応募しておくことは必須と言えるでしょう。
自由応募での就活は、学校推薦の結果が出るまでの期間を有効活用し、確実な進路を見据える手段となります。
③元から学校推薦の枠がない企業・学校もある
そもそも学校推薦をやっていない企業や学校があることにも注意が必要です。
一部の企業や学校は、学校推薦に頼らず独自の選考プロセスを採用しているため、応募者はこれを踏まえる必要があります。
特に文系の分野では、学校推薦を行わない企業が多い傾向にあります。従って、異なる採用手段にも注意を払い、多岐にわたる選考準備が求められます。
学校推薦を有効活用して就職活動を進めよう
本記事では、学校推薦について徹底解説しました。
紹介したとおり、学校推薦は企業が大学に提出した推薦枠を活用し、より迅速に学生と企業をつなげる就活制度のことを言います。できれば活用し、就職活動を有利に進めましょう。
ただし、学校推薦には気を付けたいポイントもたくさんあるため、使う際にはあらかじめそれらを理解しておくことが重要です。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。