グループワークとは、与えられたテーマに対して数人で取り組み、発表するワークです。
しかし、どんなテーマが出題されるのかイメージしづらく、どう対処するべきか悩んでしまう人もいるでしょう。
本記事では、企業が評価の際に見ている点・種類・テーマの具体例について解説します。
取り組む際に意識するとよいポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
グループワークとは何かについて解説

グループワークとは数人のグループに振り分けられた後、共同で与えられたテーマに取り組んで成果を発表するワークを指す言葉です。
就活においては業務や社会人としての姿勢に関連したテーマが取り上げられる機会も多く、企業や業界への理解度が問われます。
提示された問題の背景を分析して、それぞれの考えやアイディアを話し合いながら、時間以内に意見をまとめて発表する必要もあるのがポイントです。
ワーク中の行動を通して、業務に適性があることを強調するのも重要になります。
企業がグループワークで評価するポイント4つ

企業から評価されるポイントを確認すれば、どんな点が見られているのか理解して、ワーク中のアピール力を高めやすくなります。
企業が重視しているのは、以下の4つの姿勢です。
- 協調性
- 論理性
- 積極性
- 柔軟性
①協調性
ワークが進行している中では、チーム内で連携をとって行動できているかどうかが見られています。
協調性は、入社後にプロジェクトチームに参加した際や、1つの目標に向けて団結力が試される時などにも重要になる特性です。
異なる意見を持つ相手に対しても同意を示しながら、議論を発展させていく姿勢を心がけると、協調性があることを強調しやすくなります。
チーム内で求められる役割を自分で考えて行動することを心がけるのもおすすめです。
②論理性
ワークで説得力のある説明ができれば、論理性を備えていると高評価になるのが特徴です。
実際の業務においても、論理的な文章を組み立てる力や、理論立てて説明するスキルは大切になります。
また、発表者の役割に任命されるとプレッシャーもかかりやすいですが、論理性のアピールもしやすくなるのがポイントです。
隙のない回答を伝え、受け答えにも詰まらず自然に説明できれば、緊張する場面でも実力を示せる、と好印象になります。
③積極性

積極的に行動できているかどうかも、見られていることが多いです。
相手の動きを待つのではなく、自分から話して議論を動かしていける人材は、業務においてもプロジェクトの進行力がある、と評価されやすくなります。
また初対面の人とグループになっても、意見を交換しやすい空気を作り出すために、自分から声掛けを行うことも重要です。
自分の働きかけで議論が活発になれば、周りの積極性を高める行動もできる、と好印象につながります。
④柔軟性
さまざまなタイプの人と共に行動することが求められるグループでのワークでは、柔軟性も問われます。
場面に合わせて最適な行動を選択できる柔軟性があれば、新しいトレンドや技術への対応力が求められる場面にも対応可能です。
そのため、営業職やマーケティング業務などへの適性がある、と評価されやすくなります。
ディスカッションが進んでも熱くなりすぎず、冷静に状況を見極めて行動する姿勢を見せられるかどうかも重要です。
グループワークの主な種類を解説

グループワークの種類ごとの違いを把握していれば、それぞれの特徴を理解して対策しやすくなります。作業内容の種類は、以下の2つに分類が可能です。
- プレゼン型
- 作業型
①プレゼン型
プレゼン型の場合はテーマに沿って話し合いを行い、最終的に資料を作成してから意見を発表することが求められるのが特徴です。
テーマの傾向によって、以下の種類に細分化ができます。
- 答えが決まっていない問題を話し合う自由討論型
- テーマで提示された問題の対処法を話し合う課題解決型
- 意見が対立しやすい問題が提示されるディベート型
チームで行うディスカッションとは違い、発表前に必要な資料を作る工程が挟まるため、時間配分を最初に決めておくことが大切です。
②作業型
作業型の場合は、提示された問題に書かれている指示に従って作業を行い、何かを作り出すことが求められます。
状況に合わせた対応力や段取り力が試されやすいのもポイントです。
プレゼン型よりも一人あたりの作業量が多くなるので、目標のすり合わせを行った上で効率よく取り組む必要があります。
PR方法やキャラクターなどの作成が求められるプラン作成型のほか、トランプタワーなどを作る実物制作型のワークもあるのが特徴です。
【タイプ別】グループワークでよくあるテーマ一覧

グループワークで取り上げられるテーマの具体例を確認すれば、どんな問題を想定すればよいのかイメージしやすくなるのが利点です。
ここでは、5つのテーマ別の具体例を紹介します。
- 自由討論型
- 課題解決型
- ディベート型
- プラン作成型
- 実物作成型
①自由討論型
・営業職の業務において大切になる姿勢やスキルは何か、活躍できる人の条件は何だと考えるか ・スプーンとフォークを知らない人に対してスプーンとフォークを説明しなければいけない場合、どのように伝えるべきか ・日本において毎月10万円のベーシックインカムが支給された場合、社会にはどのような変化が生じるか |
上記の例では、明確な正解がないテーマが多く、説得力のある回答を生み出せるかどうかが評価のポイントになります。
仕事をする上で必要な心掛けを問うものや、説明力や考察力が問われる問題が出題されるのも特徴です。
②課題解決型
・社会で問題視されている過労死をなくすための対策として、どんなものが適しているのか ・若者の購買欲が減少しているが、より有効に刺激するためにはどのような方法をとるべきか ・日本は貧富の差が広がっている先進国として上位に入っているが、差を減らすために適した対処法はどんなものなのか |
上記の例では、テーマの中で話し合うべき課題が提示されていて、課題をクリアするための方法を考えさせる形式になっているのが特徴です。
労働問題や国際問題など、実際に耳にする機会が多い事柄が取り上げられる傾向もあります。
③ディベート型

・新製品のPRをする際に、テレビCMとYoutubeサイトの広告ではどちらが効果が高いか ・社会では少子高齢化が進んでいるが延命技術に力を入れるべきか、安楽死制度の整備に注力すべきか ・中学校や高校における制服制度はこれからも続けていくべきか、今後は廃止するべきか |
上記の例では、2つの選択肢を提示した上で、どちらが適しているか考えさせる問題が多くなっています。
それぞれの考え方によって対立しやすい問題を議論し、異なる意見の落としどころを見つけてまとめ上げられるかどうかが重視されやすいのがポイントです。
④プラン作成型
・新製品について発表して魅力を周知させるためのサイトを作成してください ・弊社の新規事業の内容を踏まえて、PRに最適なキャラクターをデザインしてください ・若者世代をターゲットとして、弊社が提供しているサービスを取り入れたアプリを作り出してください |
上記の例では、会社が展開している事業の内容をもとに、最適なPR方法を考えさせ、計画を実行させる問題が多くあります。
目標とする方向性をグループ全体で決定づけてから、それぞれ役割を分担して取り組む必要があるのが特徴です。
⑤実物作成型
・新聞紙1枚を材料として、グループ全員が通れるサイズの穴を作り出してください ・40枚のA4サイズの紙を用いて、できるだけ高さがあるタワーを生み出してください ・それぞれに配られたカードのキーワードをもとに、1つの地方の地図を作成してください |
上記の例では作業に使われる材料が実際に提供され、複数のグループの中でより早く、大きな成果を生み出すことが求められているのがポイントです。
作業中に想定と異なる事態が発生した場合に、どのように軌道を修正して目標の達成につなげられるかが重要になります。
グループワークに取り組む上で意識するべき点3つ

グループでワークに取り組む際には、上手に進めるためのコツを意識して実践することが大切です。ここでは、3つのコツを紹介します。
- 役割分担をする
- 基本情報は事前に調べておく
- 多数決は極力避ける
①役割分担をする
グループの中で役割分担を行うことで、時間を有効活用しやすくなり、プレゼンの完成度を高めやすくなります。
必要となる役割は、議論を回していく司会・時間配分を守るためのタイムキーパー・意見や情報をまとめて共有する書記・軌道のずれを修正する監視者などです。
自分からどの役割が得意か伝えることで、役割分担にかかる時間を節約できます。
また、どの役割に割り振られてもプラスアルファの働きができるように積極的に参加することが重要です。
②基本情報は事前に調べておく
取り組む時になってから後悔しないために、基本情報を事前に調べて頭に入れておくことも大切です。
企業が展開している事業内容や、新規プロジェクトの内容を調査しておけば、新しい事業を立案するテーマなどに知識を生かせます。
また、今後の業界の動向を確認して、どんな対策が必要とされているのかチェックするのもおすすめです。
社会問題にも日頃から目を向けておくと、説得力のある意見を伝えやすくなります。
③多数決は極力避ける

多数決で結論を決めるのは、できるだけ避けるようにしましょう。ワークでは最終的な結果だけでなく、話し合いの過程も重点的に見られています。
多数決で意見を決めてしまうと、少数派の意見をうまく生かせず、詰めが甘い印象になりがちです。
意見が対立してしまったとしても、お互いの意見の良いところを見つけあって、より最適な結論を生み出せるように努力することが大切になります。
グループワークのテーマを事前に知って対策しよう!
グループで行うワークのテーマを事前に知っておき、対策をしましょう。
ワークには、話し合って資料を作りプレゼンするパターンと、それぞれで作業をしてテーマに沿った成果物を作り出すパターンがあります。
企業分析とともにテーマの具体例も確認しておき、どんなアプローチが適しているか考えておきましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。