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通年採用をわかりやすく解説!メリット・デメリットや企業も紹介

就活と聞くと、就活シーズンと言われる決まった時期に行われるイメージがありますよね。でも最近は1年中継続的に採用を行う「通年採用」を導入している企業が増えていると知ってますか?

そこで本記事では、通年採用の定義と、通年採用が求職者側・企業側それぞれにもたらすメリット・デメリットを解説します。ぜひ参考にしてください。

通年採用を導入する企業が増えている!

日本は従来、新卒者の一括採用が主流とされてきましたが、最近は通年採用が増えている傾向があります。ここでは、通年採用とはどんなシステムなのか、なぜ増えているのかを解説します。

  1. 通年採用と一括採用の違い
  2. 通年採用が増加している背景

通年採用と一括採用の違い

従来の一括採用は、ある特定の集中した期間に採用活動を行うのに対し、通年採用は一年間を通して採用活動を行います。要するに、採用期間の自由度が異なるのです。

一括採用は、経団連の協定に基づき、特定の月に採用活動が解禁され、数ヶ月間で新卒者に向けた採用活動が行われます。企業側は一定期間に集中して採用活動を行うため、効率的な人材獲得が期待できます。

一方、通年採用では、年間を通じて採用を行う方式です。採用活動のピークを分散させることで、求職者と採用担当者、両方の負担を軽減できるメリットがあります。

通年採用が増加している背景

近年、通年採用にする企業が増加してきている背景には、いくつかの要因が考えられます。しかし、一番大きいのは、経団連が「採用選考に関する指針」を廃止したことです。

「採用選考に関する指針」は、新卒者の採用活動を特定の期間に制限するものでしたが、その廃止により、企業は1年間を通じて自由に新卒者の採用活動が可能となりました。

また、事業のグローバル化や組織の変化に伴い、通年での採用が求められるケースも増えてきたのも、要因の1つと考えられます。

通年採用によるメリット3つ

通年採用が増加することは、学生にどんなメリットがあるのでしょうか。学生側のメリットを3つ紹介します。

  1. スケジュールに余裕を持てる
  2. 応募可能な企業数が増加する
  3. 一社ごとに入念な準備ができる

スケジュールに余裕を持てる

1つ目のメリットは、就職活動のスケジュールを自分のペースで組めることです。

従来は短期間に集中して就職活動をしなければならなかったため、学業や部活動との両立が難しくなることも。

しかし、通年採用の会社が増えれば、学生は自分のペースで就職活動を進められるため、心理的なプレッシャーを軽減できます

特に、学業や部活動、留学などで忙しい学生や、一度就職活動を中断しなければならない学生も、余裕を持った就職活動を行えるでしょう。

応募可能な企業数が増加する

2つ目のメリットは、学生が応募できる企業の選択肢が増えることです。

通年採用が増加すれば、学生は年間を通して様々な企業に応募できるので、自分に合った企業を見つけやすくなります。説明会や面接の日程が重なって応募できないといったことがなくなるのです。

一社ごとに入念な準備ができる

3つ目のメリットは、学生が一社ごとにしっかりとした準備ができる点です。今までは多くの企業の選考が同時進行となり、企業研究や面接対策をする時間が限られていました。

しかし、通年採用が一般的にあれば、選考の時期が分散されるため、学生は一社ごとに集中して取り組むことが可能です。

これにより、自分の強みや適性をしっかりとアピールできるため、合格率も上がることが期待できます。

通年採用によるデメリット2つ

しかし、通年採用は学生にとって良いことばかりではありません。ここでは、通年採用が新卒の学生にもたらす2つのデメリットを紹介します。

  1. 一括採用よりも能力重視になる
  2. 積極的な就職活動が必要

一括採用よりも能力重視になる

1つ目は、従来の採用様式よりも能力重視になる傾向がある点です。

通年採用は、一括採用のように多くの学生を同時に採用するのではなく、企業のニーズに合わせて少数の学生を採用します傾向があります。

そのため、採用の基準が一括採用よりも厳しくなり、学生の能力や適性が重視される傾向があります。これは、即戦力として活躍できる学生を求めるためです。

その結果、学生は特定のスキルや資格を持っていないと、採用のチャンスが減少する可能性が高まります。

積極的な就職活動が必要

通年採用が持つもう1つのデメリットは、積極的な就職活動が求められることです。

今までは、たくさんの企業が同じ時期に採用活動を行っていたため、採用情報が簡単に手に入りました。しかし、通年採用が広まれば、採用のタイミングが企業によってバラバラになってしまいます。

そのため、学生は常に最新の情報をキャッチし、多くの企業の採用情報をチェックする必要があるのです。

また、面接や選考の機会も増えるため、学生はその都度、準備や対策を行う必要があります。継続的な就職活動は、学業やプライベートとの両立にも影響を与えるでしょう。

通年採用による企業側の3つのメリット

通年採用は新卒生だけでなく、企業にもメリットがある方式です。ここでは、通年採用が企業にもたらす3つのメリットを紹介します。

  1. 企業の理想の人材に出会える
  2. 承諾辞退に対処ができる
  3. 採用スケジュールに余裕が持てる

企業の理想の人材に出会える

1つ目のメリットは、企業の理想の人材を採用できる可能性が高くなることです。

年間を通じてさまざまな求職者と出会うチャンスが増えることで、企業のニーズに合った、より適切な人材を見つけやすくなるでしょう。

また、企業文化や価値観に合致する人材を探す際も、通年採用は大きな助けとなります。

承諾辞退に対処ができる

2つ目は、内定の承諾辞退にも簡単に対処できることです。

新卒採用の場合、内定を出した後に承諾辞退をされることは少なくありません。承諾辞退されると、企業は再度採用活動を行う必要が出てきます。

しかし、通年採用を導入していれば、承諾辞退が発生しても、次の採用活動にすぐに移行できるため、採用のタイミングを逃すことなく、新たな人材を確保できます。

採用スケジュールに余裕が持てる

3つ目は、採用スケジュールに余裕が持てることです。

一括採用は、ある一定期間に集中して活動が行われるため、企業の人事部門には大きな負担がかかります。

しかし、通年採用を取り入れることで、人事部門の業務負荷を軽減できるだけでなく、より計画的に採用活動を進められるのです。

また、急な人員不足や業務の増加にも迅速に対応できるので、企業の柔軟性も向上します。

通年採用による企業側の3つのデメリット

しかし、企業にとって通年採用は良いことばかりではありません。ここでは、通年採用が企業にもたらす3つのデメリットを紹介します。

  1. 採用が長期化する
  2. 応募学生の熱量が足りない場合も
  3. 教育・研修の均等性が求められる

採用が長期化する

まずいちばん大きな問題は、採用活動が継続的に行われることで負担やコストがかさむことです。

通年採用は1年間ずっと継続的に採用活動をするため、当然のことながら、通年採用と比べて採用担当者の負担は大きくなります

また、長期にわたる採用活動は、広告や求人情報の更新、面接の日程調整など、多くの作業が伴います。これにより、採用に関する費用も増加することも大きなデメリットです。

応募学生の熱量が足りない場合も

2つ目のデメリットは、採用時期によっては、応募学生の熱量が足りない場合もあることです。

通年採用の場合、学生の採用活動のピーク時期とは異なるタイミングでの応募が増えるため、熱意のある学生とそうでない学生の差が出やすくなります。

特に通年採用の中でも、初期段階や終盤に応募する学生は、他の企業からのオファーがない、あるいは希望企業からの内定が得られなかった時の「セカンドチョイス」としての応募かもしれません。

このような学生は、入社後のモチベーションが低く、早期退職のリスクが高いとも考えられます。

教育・研修の均等性が求められる

また、採用後の教育や研修が難しいことも大きなデメリットです。

通年採用を導入することで、新入社員の入社時期がバラバラになってしまうため、従来のような一斉研修が難しくなります。

新入社員が入ってくる度に研修をするのは、研修の質を保つためのリソースや時間が増加し、教育コストも高くなるでしょう。

また、新入社員同士のコミュニケーションの機会が減少し、チームの結束力が弱まる可能性も。これにより、新入社員の成長速度や業務適応速度に差が出ることが懸念されます。

通年採用を取り入れている4つの企業・事例

最後に、通年採用を実践している4つの大手企業の事例を紹介します。

  1. リクルート
  2. ソフトバンク
  3. LINEヤフー
  4. 楽天

リクルート

リクルートは、日本の大手総合情報サービス企業です。通年採用を導入している背景には、多様な人材を確保するための戦略があります。

リクルートは、新卒者だけでなく、中途採用や留学生、帰国子女など、さまざまな背景を持つ人材を求めています

通年採用により、リクルートは一年を通して採用活動を行い、必要に応じて最適な人材を採用しているのです。

これにより、企業の成長とともに、多様な人材が集まることで新しい価値を生み出すことが期待されています。

ソフトバンク

ソフトバンクは、国内外で幅広い事業を展開する大手通信企業です。通年採用を導入している理由の1つは、グローバル展開を進める中で、多様なバックグラウンドを持つ人材を確保する必要があるからです。

また、技術の進化や市場の変動に迅速に対応するためにも、通年での採用が有効と考えています。

ソフトバンクでは、新卒者だけでなく、経験者や留学生など、さまざまな人材を対象に採用活動を行っており、その柔軟な採用戦略が企業の競争力を高めています。

LINEヤフー

LINEヤフーは、日本を代表するインターネットサービス企業です。LINEとヤフーは合併し、正式に2023年の10月から「LINEヤフー株式会社」として業務を開始しました。

合併後も、複数の選考期間を設けています。IT業界は技術の進化が非常に速く、新しい技術やサービスが次々と生まれており、多様なスキルや経験を持つ人材が必要です。

通年採用により、LINEヤフーはIT業界のさまざまなニーズに柔軟に対応しています。

楽天

楽天は、ECサイトを中心に多岐にわたる事業を展開する大手企業です。楽天の場合、グローバル展開を進める中で、国内外のさまざまな人材を確保することが重要となっています。

また、楽天は「楽天イーグルス」や「楽天カード」など、多岐にわたる事業を手掛けており、それぞれの事業に合わせた専門的な人材が求められているのです。

通年採用を通じて、楽天は多くの事業の成長を支える人材を確保しています。

通年採用は学生・企業にとってもチャンス!

通年採用は、学生側からするとスケジュールに余裕を持って準備ができるメリットがあります。また、留学生や第二新卒にとっても大きなチャンスです。

志望業界で通年採用を導入している企業がないか調べてみてください。ただし、通年採用は一括採用と比べて能力重視になる傾向があります。十分な準備をして臨みましょう。

若林

このメディアの監修者

若林

青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。

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