就活をしている中で、「業種」と「職種」の違いについて迷うこともあるのではないでしょうか。
そのため本記事では、業種と職種の違いや就活の軸を考える際のポイントなどについて紹介します。
就活を進めるうえで業種と職種をしっかりと区別しておきたい人は、ぜひともご参考にしてくださいね。
業種と職種の違いとは

ここでは、業種と職種の違いについて理解を深めるために、以下の通りそれぞれの意味について解説します。
- 業種とは事業の種類
- 職種とは仕事の種類
違いを認識しておくことで、エントリーシートの作成や、面接での受け答えなどに役立てられるでしょう。
①業種とは事業の種類
業種とは、事業の種類を示す言葉です。個人・企業を問わず、その事業者が携わっている分野のことを示します。
たとえば、製造業や漁業、金融業などが挙げられるでしょう。総務省の「日本標準産業分類」では業種は20種類に分類されています。
就活生目線では、就活を進めるにあたって「どの業種を志望するのか」を検討していく必要があるでしょう。
自己分析によって自分がやりたいことや適性を確認して、志望する業種を整理する必要があります。
②職種とは仕事の種類
職種とは、仕事の種類を指す言葉です。企業の中で、個人が担う役割の内容を示します。
例えば、営業や事務、広報などが職種の例です。ただし同じ職種の名前でも、企業によって仕事内容は異なります。
ひとくちに営業と言っても法人営業や個人営業、新規開拓やルート営業などさまざまな種類があるのです。
そのため、事前に企業のホームページを確認したり企業説明会に参加したりして、具体的な仕事内容を確認しておく必要があるでしょう。
業種の例一覧

業種の例としては、以下が挙げられます。
・農業 ・林業 ・漁業 ・鉱業 ・採石業 ・建設業 ・工事業 ・製造業 ・電気、ガス、熱供給、水道業 ・卸売業 ・小売業 ・金融業、保険業 ・不動産業 ・生活関連サービス業 ・娯楽業 ・教育、学習支援業 ・医療、福祉業 ・複合サービス事業 ・サービス業 ・公務 |
ただし上記は、世の中にある業種の内の大まかなものを紹介しているに過ぎません。実際には、上記の中にもさらに細かい分類があるのです。
たとえばひとくちに農業と言っても、畜産農業や耕種農業などさらに細かい分類があります。
また、上記のカテゴリーに分類できない業種も存在するなど、非常に多くの業種が存在すると考えられるでしょう。
さらに詳しく調べてみたいなら、厚生労働省の職業分類を参考にするのがおすすめですよ。
職種の例一覧

職種の例としては、以下が挙げられます。
・営業 ・事務、管理 ・経理 ・企画、経営 ・エンジニア ・コンサルタント ・人事、総務 ・販売員 ・運転士 ・整備士 ・通訳 ・技術職 ・クリエイティブ職 ・医療系専門職 ・教員 ・公務員 |
上記の通り、企業の中で各従業員が担う役割を職種と呼びます。職種は多種多様に存在し、上記はその本の一部に過ぎません。
また、就活系のサイトによって職種の分類が若干異なることにも注意すべきでしょう。
同じ職種でも企業によって担う役割やすべき仕事は少しずつ異なるため、入社後にミスマッチを生み出さないために事前にしっかりと調べることが大切です。
また、日本では職種ではなく「総合職」「一般職」などの枠で採用を行うことが多いと言えます。総合職には営業や企画など幅広い役割を求められることが多く、事前にどんな仕事をする可能性があるのか調べておくべきでしょう。
業種と職種の具体例2つ

ここでは、業種と職種について具体例を紹介して理解を深めていきます。今回紹介する事例は、以下の2種類についてです。
- テレビに関わる仕事
- 旅行に関わる仕事
業界や職種の組み合わせによって、求められる仕事内容は大きく変わりますので、詳しく見ていきましょう。
①テレビに関わる仕事
テレビに関わる仕事の業種と職種としては、以下のようなものが挙げられます。
・テレビ番組制作業の営業 ・テレビ番組制作業のアナウンサー ・テレビ番組制作業のカメラマン ・テレビ番組制作業のディレクター ・テレビジョン放送業の経理 ・アニメーション制作業の広報 |
上記のように、同じテレビ関係の仕事でも求められる仕事内容はさまざまです。
たとえば、同じテレビ番組制作会社でも、営業と経理、企画では求められる能力や働き方は大きく異なるでしょう。
そのため「テレビ業界で働きたい」と考えるならば、どんな職種があるのかより深く調べる必要がありますね。
②旅行に関わる仕事
旅行に関わる仕事の業種と職種としては、以下のようなものが挙げられます。
・旅行会社の経理 ・旅行会社のツアーコンダクター ・旅行会社のカウンターセールス |
旅行に関わる仕事と言っても、業界だけでもさまざまな種類が挙げられるでしょう。
また、ほとんどの業種において営業職は存在すると考えられますが、実際の仕事内容は多種多様です。
「どの業界で働きたいのか」だけでなく、その業界のどんな職種であれば自分が活躍できるのかも考えるようにしましょう。
業種・職種を軸に企業を選ぶときのポイント

ここでは、業種・職種を軸に企業を選ぶ時のポイントとして、以下の2点を紹介します。
- 【業種】将来性を重視する人
- 【職種】やりたい仕事内容が明確な人
就活においては、業種と職種のどちらを軸にして選ぶか悩むものでしょう。
しかし、結論としてはどちらを軸にしても良いため、自分に合う方を選ぶことが大切です。
①【業種】将来性を重視する人
将来性を重視する人であれば、業種を軸にして応募先を探してみることがおすすめです。たとえば、以下のような場合がこのケースに該当します。
- 自分で変えられない要素(給与、待遇など)を軸にしている
- 特定の業界にこだわりはあるが仕事内容にこだわりはない
学生であれば、自分がやりたいことが明確に決まっていないとしても自然なことです。
そのため、仕事内容より職業の安定性や将来性、待遇などを軸にして業種から絞っていく方法も十分に考えられるでしょう。
②【職種】やりたい仕事内容が明確な人
やりたい仕事内容が明確な人であれば、職種で選ぶことをおすすめします。たとえば、以下のような方が該当すると言えるでしょう。
- 営業ができれば業界にはこだわらない
- 英語力を活かせる仕事に就きたい
- 経理のスペシャリストとしてキャリアアップしたい
上記のように、職種ややりたい仕事がある程度決まっていれば、幅広い業種で募集がないか確認してみることが大切です。
ただし、中には特定の業種にしか存在しない職種もあることから、職種を決定すると業種が絞られてしまうことも考えられます。
業種・職種を軸に企業選びをするときの注意点

ここでは、業種や職種を軸に企業選びをしていく際の注意点を、以下の通り2つに整理して紹介します。
- 【業種】視野が狭くなってしまう
- 【職種】自分の希望が通らない場合がある
①【業種】視野が狭くなってしまう
業種を軸にして企業選びをしていくと、視野が狭くなってしまう恐れがあります。
特定の業種のみを研究していると、選択肢がその業種で募集されている職種のみに限定されてしまうためです。しかし、視野に入れていなかった業種の中にも、自分に合っている企業がある可能性は十分に考えられます。
特に就活の最初の段階では、いきなり業種を絞ってしまうのではなく、最初はある程度幅広い業種について情報収集をすることが大切でしょう。
②【職種】自分の希望が通らない場合がある
職種を企業選びの軸にする際のリスクとしては、自分の希望が通らない可能性が挙げられます。
「企画をやりたい」「広報で働きたい」とアピールしても、企業側が望みの通りの配属をしてくれるとは限りません。
特に新卒の場合は、はじめから希望する職種に就けないことも多々あります。
希望が通らなかった場合、配属された場所で一定の成果を出して評価してもらいつつ、希望の職種・部署への異動をアピールしていくことが必要です。
業種と職種の違いを知って就職活動をしよう

業種とは、企業が行う事業の分野のことであり、職種とは企業の中で各従業員が担う役割のことです。
業種と職種の違いが分かれば、就職活動において混乱することも避けられます。
ぜひともこの記事を参考にしていただき、理想の業種・職種を見つけてくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。