学校事務の仕事に興味があるけど、具体的な仕事内容や事務員になる方法が分からない就活生も多いのではないでしょうか。
本記事では、学校事務の仕事内容と、学校事務員になる方法や必要なスキルについて解説します。ぜひ参考にしてください。
学校事務とは

学校事務は、学校法人や教育機関での事務や管理業務を担当する仕事です。
具体的には、職員の給与計算、証明書の発行、施設管理、備品調達、福利厚生、奨学金手続きなど、多岐にわたる業務を行います。
また、学校の各種イベント、例えば学校説明会や入学試験の準備、新入生の入学手続きなどでも、学校事務は不可欠な存在となります。
学校事務職は公務員と思われがちですが、教師と同じく、公立の学校事務は公務員で、私立学校の職員は公務員ではありません。
学校事務になるには基本的な働き方を確認しよう

学校事務は、学校の運営をサポートする非常に重要な役割を担っています。しかし、具体的な仕事内容や待遇、働き方について詳しく知らない方も多いでしょう。
ここでは、学校事務の基本的な働き方について解説します。
- 仕事内容
- 給与・年収
- 休日出勤する場合もある
仕事内容
学校事務員は、学校の運営をサポートする役職として、多岐にわたる業務を担当する職種です。
具体的には、学校の予算や経理、生徒の成績や出席状況の管理、学校行事のサポート、保護者との連絡調整など、学校の日常業務を円滑に進めるためのバックオフィス的な役割を果たします。
また、先生や生徒、保護者とのコミュニケーションも重要な業務の1つです。様々な業務を通じて、学校事務員は学校の教育活動を支える大切な存在となっています。
給与・年収
学校事務員の給与は、経験や勤務地、学校の規模などによって異なります。
東京都が発表している「都職員の給与の状況」によると、東京都の一般行政職の平均給与月額は、463,399円(平均年齢41.9歳)となっており、技能労務職の平均給与月額は、393,826円(平均年齢50.4歳)です。
また、大卒の一般行政職の初任給は183,700円となっています。これらの給与には、地域手当や扶養手当などの諸手当が加算される場合もあります。
休日出勤する場合もある
学校事務員の業務は、学校の行事や緊急時の対応など、休日出勤が必要となる場面も少なくありません。
特に学校行事や入試、卒業式などの大きなイベント時には、事前の準備や当日のサポート、後日のフォローなど、多岐にわたる業務が発生します。
そのため、休日出勤が発生することを理解し、柔軟な対応が求められる職種です。しかし、その分、学校の大切な場面に関われるやりがいも感じられます。
【学校別】学校事務になるには

一括りに学校事務員といっても、学校の種類や規模によっても求められる資格や採用の方法が異なります。ここでは国立、公立、私立の学校での事務員になる方法を詳しく解説します。
- 国立学校
- 公立学校
- 私立学校
①国立学校
国立学校の事務員として働くためには、基本的に国立大学法人等職員採用試験を受験する必要があります。
しかし、独立行政法人化した学校に関しては、独自の採用試験を行っている場合も。
国立大学職員等法人採用試験は、公務員試験の中でも難易度が高いとされており、採用枠が少ないため競争率も高く、しっかりした対策が必要です。
②公立学校
公立学校の事務員として働くためには、各自治体が実施する地方公務員採用試験を受験する必要があります。特に小・中学校の職員は「学校事務」の試験区分で採用されることが一般的です。一方、高校では「一般行政職」として採用されることもあります。
公立学校の事務員は公務員としての安定性があり、待遇も充実しているでしょう。
③私立学校
私立学校の事務員として働くためには、各学校が独自に実施する事務職員採用試験を受ける必要があります。
私立学校では、学校ごとに給与体系や採用基準が異なるため、具体的な条件は各学校の募集要項を確認することが必要です。
私立学校の事務員は、学校の経営状態や方針によって待遇に大きな差が出ることがありますが、教育の現場でのやりがいは十分に感じられる職種です。
学校事務に必要な2つのスキルを紹介

学校の円滑な運営をサポートし、教員や生徒、保護者との橋渡しを行う学校事務は、特定のスキルや能力が求められます。
ここでは、学校事務に必要な2つのスキルについて詳しく解説します。
- パソコンスキル
- コミュニケーション能力
①パソコンスキル
学校事務の業務では、日常的にパソコンを使用する場面が多くあります。
職員の給与計算、各種証明書の発行、施設管理、備品調達など、多岐にわたる業務を効率的に進めるためには、基本的なパソコンスキルが不可欠です。
特に、文書作成ソフトや表計算ソフトの操作は日常的に行われるため、WordやExcelなどの基本的なソフトウェアを使いこなす能力を磨くことは大切になりますよ。
また、学校事務の採用人数は限られているため、パソコンスキルがあると優遇されることもあります。
②コミュニケーション能力
学校事務は、教員や生徒、保護者とのコミュニケーションが頻繁に行われる職種です。そのため、円滑にコミュニケーションをとる能力が不可欠と言えます。
具体的には、学校の各種イベントや入学試験の準備、新入生の入学手続きなど、多くの業務で他のスタッフや関係者と連携を取る必要があります。
また、学校の規模や状況に応じて、柔軟に業務を進めるための調整や折衝も求められることが多いため、高いコミュニケーション能力が必要です。
学校事務に向いている人の特徴4つ

学校事務の仕事に興味はあるけど、自分が向いているかどうか不安な人も多いのではないでしょうか。ここでは学校事務員に向いている人の4つの特徴を紹介します。
- 人と話すのが好きな人
- 教育機関で働きたい人
- 事務スキルのある人
- 丁寧に仕事に取り組める人
①人と話すのが好きな人
前述の通り、学校事務員は人とコミュニケーションを取る機会が多いため、人と話すのが好きな人は向いています。
学校事務の仕事は、学生や教員、保護者など、さまざまな人とのコミュニケーションが日常的に求められます。
例えば、各種証明書の発行や学校説明会、入学試験の準備など、学校のイベントや業務に関わる際には、多くの人との連携が不可欠です。
そのため、人とのコミュニケーションを楽しむことができる人は、学校事務の仕事に向いていると言えるでしょう。
②教育機関で働きたい人
学校事務に向いているのは、教育現場を熱心に支えたいと考える人です。
教育の場に身を置き、子供たちの未来に間接的に貢献したい強い思いがある人は、学校事務員に非常に適しています。
学校の各種イベントや行事、そして日常の運営をサポートすることで、教育の現場に深く関われます。
教育に関する最新の情報やトレンドを常にキャッチアップすることで、より質の高いサポートが可能となるでしょう。
③事務スキルのある人
学校事務は、名前の通り事務的な業務が中心となります。給与計算、証明書の発行、施設管理など、多岐にわたる業務を効率よくこなすためには、基本的な事務スキルが必要です。
特に、パソコンスキルや簿記の知識があると、よりスムーズに業務を進められます。
また、時間管理やマルチタスクの能力も求められるため、計画的に業務を進めることができる人が向いています。
④丁寧に仕事に取り組める人
学校事務の業務は、学校の運営に直結するため、ミスが許されない場面も多くあります。そのため、細かい作業でも丁寧に取り組める人が向いています。
また、教員や生徒、保護者と丁寧にコミュニケーションをとれる人は、学校の運営をスムーズに進められるでしょう。
さらに、細部にまで目を配ることができる人や、一つ一つの業務を完璧にこなすことを目指す人が、この職種には最適です。
学校事務になるためによくある質問

最後に、学校事務になりたい人からよく聞かれる3つの質問と回答を紹介します。ぜひ参考にしてください。
- Q1|公務員試験は必要ですか
- Q2|学校事務の倍率は高いですか
- Q3|学校事務は生徒との関りがありますか
Q1|公務員試験は必要ですか
国立・公立学校の事務員になる場合は公務員試験を受験する必要がありますが、私立の学校の場合は公務員試験は不要です。
国立学校の場合、基本的には国立大学法人等職員採用試験を受験します。公立学校であれば、各自治体が実施する地方公務員採用試験を受験する必要があります。
一方、私立学校では公務員試験は必要ありませんが、その代わり各学校が独自に実施する事務職員採用試験を受けることになります。
Q2|学校事務の倍率は高いですか
学校事務の採用試験は、どの学校を受験するかによって難易度が変わります。
地方公務員試験の「学校事務」枠の試験問題自体は特に難しくはありませんが、学校事務の採用人数は限られているため、倍率は高くなりがちです。
特に、国立大学職員等法人採用試験は公務員試験の中でも難易度が高いとされ、採用枠が少ないのに対して受験者数が多いため、競争率が高くなります。
私立大学職員の試験も学校ごとに内容が異なるため一概には言えませんが、こちらも倍率が高い傾向にあると言えるでしょう。
Q3|学校事務は生徒との関りがありますか
学校事務員は、直接的な教育活動には関与しませんが、学校の各種イベントや学校説明会、入学試験の準備、新入生の入学手続きなど、生徒と関わる機会は多々あります。
また、各種証明書の発行や奨学金手続きなど、生徒からの様々な要望に応じる業務も担当します。
教員とも連携しながら、学校の運営をサポートする中で、生徒や学生とのコミュニケーションは欠かせません。
学校事務になるには働く環境を理解しよう

学校事務として働く場合、学校の種類や規模によって業務内容や環境が異なります。
また、学校事務の勤め先としては、公立、国立、私立の3種類があり、それぞれ採用試験や求められる資格、スキルが異なります。
学校事務を目指す際には、自分の希望や適性を考慮しつつ、各学校の特徴や採用情報をしっかりと調査することが大切です。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。