健康診断書は、就活で提出を求められることもある書類です。
しかし、どのように健康診断書を取得すればよいか迷ってしまう方もいるでしょう。
本記事では、健康診断書の有効期限・健康診断書の取得方法・必要な検査項目や費用・注意点について解説します。
就活で健康診断書を求められた際にスムーズに対応できるよう備えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
就活中に健康診断の提出を求めてくる企業はある!

就活中、企業が健康診断の提出を求めてくる場合もあります。
全ての企業がそうではありませんが、企業から健康診断書の提出を求められたケースは一定数あると思っておくとよいです。
また、健康診断書を提出するタイミングは企業によって異なるため、しっかりと通達内容を確認するようにしましょう。
健康診断書をどう取得すればよいか知っておけば、忙しい就活中にも対応しやすくなります。
ここからは診断書に関するさまざまなポイントを解説していくので、ぜひご覧ください。
診断書の有効期限は基本3か月

健康診断書には有効期限があり、診断から3か月のものを提出するのが基本的なマナーとなっています。
昔の健康診断書を提出してしまうと正しい情報ではない、マナーを守っていないと悪印象を与えてしまうため、避けなければいけません。
健康診断をしてから期間が空いてしまっている方は、就活前のタイミングで健康診断を受けておきましょう。
健康診断書を数枚用意しておくことも大切です。次に、健康診断書の取得方法について説明します。
就活で使う健康診断書の取得方法

就活で使う健康診断書をどう取得すればよいか知っていれば、企業からの要望に慌てることなく対応しやすくなります。具体的な取得方法は、以下の2つです。
- 大学で発行する
- 病院などで健康診断を受ける
①大学で発行する
大学で健康診断を受けている場合は、大学から健康診断書を発行してもらえます。
毎年実施されることが多いため、なるべく最新の健康診断書を発行して用意することが大切です。大学で証明発行機や保健センターがあるかどうかを確認して、証明書を発行しましょう。
定期的に大学で健康診断を受けないと利用できませんが、発行にかかるコストが抑えられるのがメリットです。
健康診断を実施している期間もあわせてチェックしておきましょう。
②病院などで健康診断を受ける
病院や保健所、検診施設などを利用して健康診断を受けて、診断書を取得する方法もあります。
就活用に健康診断書を発行してもらいたい、と伝えれば、情報に不足がない書類を発行してもらいやすいです。
しかし、予約が空いていない時は診断を受けるまで時間がかかり、大学で発行する場合と比べてコストが高くなるといったデメリットがあります。
コストを抑えるためには、大型病院ではなく地域の小さな病院や保健所を利用するのも手です。
就活で必要な診断書の検査項目は11個

就活で提出する診断書は、11個の検査項目について記載されているものを用意する必要があります。検査項目の内容は、以下の通りです。
- 既往歴および業務歴の調査
- 自覚症状および他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、腹囲、視力および聴力の検査
- 胸部エックス線検査および喀痰検査
- 血圧の測定
- 貧血検査
- 肝機能検査
- 血中脂質検査
- 血糖検査
- 尿検査
- 心電図検査
①既往歴および業務歴の調査
既往歴や業務歴の調査では、これまでどのような病気にかかったことがあるのか、今治療している病気はあるかどうか聞かれます。
お薬手帳などをもとに、大きな病気にかかった経験があるかどうかリストアップして、正しく伝えましょう。
業務歴には健康に影響がある職業を経験していたかが影響するので、これまでの経歴を伝えることが大切です。
②自覚症状および他覚症状の有無の検査
自覚症状や他覚症状の検査では、自身または医者が認識できる症状について確認されます。
生活していて感じる症状や、病気のリスクがあるのでは、と感じていることがあれば、隠さずに医者に伝えましょう。
また、医者から見た症状や検査項目の結果によって、他覚症状が記載される場合もあります。
③身長、体重、腹囲、視力および聴力の検査

身長や体重、腹囲といった身体情報だけでなく、視力や聴力などの業務に関わる情報についても検査結果が求められます。
仕事内容によっては身長や体重が制限を逸脱していないか問われる場合があるのがポイントです。
普段コンタクトや眼鏡を着用して仕事にあたる場合は、視力検査でコンタクトや眼鏡を着用した状態のデータも記録してもらいましょう。
④胸部エックス線検査および喀痰検査
胸部エックス線検査と喀痰検査は、肺や心臓といった臓器が健康かどうかチェックするために実施されます。
胸部エックス線検査ではレントゲン撮影を行うことで肺の中間にある臓器も含めて検査可能です。
喀痰検査では痰の状態を検査することで肺がんや肺炎、気管支炎、肺真菌症などのリスクがないか確認できます。
⑤血圧の測定
血圧を測定することで、高血圧か低血圧かどうか判断できます。収縮期で130を超えず、拡張期で85を超えていなければ問題がない数値と判断可能です。
手動で腕帯に空気を送り込んで測る血圧計のほか、自動血圧計を使って検査する場合もあります。
正確なデータになるように腕を適切な位置に置くことを心がけましょう。
⑥貧血検査

貧血検査では、血液に含まれる赤血球数やヘモグロビン量、ヘマトクリット量などを調べて貧血かどうかチェックします。
赤血球数が基準よりも低い場合は貧血と診断され、ヘモグロビンの量を測定した結果によって軽度・中度・重度と症状が細かくわかるのが特徴です。
基準は年齢や性別などの条件によって変動します。
⑦肝機能検査
肝機能検査は血液を採取して行い、肝細胞に含まれる酵素や胆汁の成分、血液中のたんぱく質などの量を測定する検査です。
測定結果によってどんな病気のリスクがあるのかどうか判断します。ASTやγ-GTP、ALPといった複数の検査項目があるのも特徴です。
数値が基準に沿っていないと胆管炎や肝炎、肝機能障害などのリスクがあると判断されます。
⑧血中脂質検査
血中脂質検査では、血液中にコレステロールや中性脂肪がどれほど含まれているかを確認できます。
コレステロールが高い場合は心筋梗塞や動脈硬化のリスクがある、と判断可能です。
また、中性脂肪の値が高い場合はメタボリックシンドロームと診断され、値が極端であれば急性膵炎のリスクがあると判断されます。
⑨血糖検査

血糖検査では血液中にどれほどブドウ糖が含まれているかどうかを確認することで、糖尿病のリスクがあるかどうかが判断可能です。
血糖値は時間帯によって変動しますが、1dlあたり60mgから130mgと測定されれば正常だと判断できます。
検査当日は朝食を食べてはいけない、などの注意事項があるため、しっかりとルールを守りましょう。
⑩尿検査
尿検査では尿に含まれるたんぱく質や糖の量などをチェックすることで、腎機能が低下していないか、糖尿病ではないかどうかを判断します。
尿に血液が混じっている場合、膀胱炎や尿路結石などのリスクがあるのが特徴です。
また、蒸留水に対して尿の比重が高いか低いかを見れば、脱水症や糖尿病、腎不全になっていないかをチェックできます。
⑪心電図検査
心電図検査では心臓が発生させている電気の状態を確認し、心臓が適切に動いているかどうかを判断します。
心臓の筋肉を伝っている電気の状態に問題がないかどうか診断するために、ベッドに寝た状態で検査用の電極を手足や胸に取り付ける必要があるのが特徴です。
また、心筋で気になる部分がないかどうかをチェックするためにも用いられる検査となっています。
健康診断・診断書の発行にかかる費用

健康診断や診断書にかかる費用を知っていれば、どれくらいコストがかかるか事前に把握できます。費用の相場やポイントは、以下の3つです。
- 診断費用の相場は7,000円~15,000円
- 診断書発行費の相場は200円
- 企業が費用を返金してくれる場合もある
①診断費用の相場は7,000円~15,000円
診断費用の相場は7,000円から15,000円となっています。
総合病院の場合はコストが高くなりやすいため、コストを抑えたい方は近隣に保健所があるか確認して、料金を比較した上で施設を選びましょう。
健康診断は健康保険の適用外なので、自費で支払う必要があります。しかし、自治体によっては助成金制度が用意されていることもあるため、チェックしてみるのもおすすめです。
助成金を利用できる条件もあわせて確認しましょう。
②診断書発行費の相場は200円
大学で診断書を発行する際の費用相場は200円です。病院で発行する際には相場は変動し、500円から2,000円かかる場合もあります。
また複数の会社に提出しなければいけなくなった場合に備えて、1枚ではなく多めに発行しておきましょう。
提出直前に慌てて健康診断を受けに行かずに済み、企業の要望にスムーズに対応できます。
複数枚必要な時は、大学で発行した方がコストを抑えやすいためおすすめです。
③企業が費用を返金してくれる場合もある

企業によっては健康診断書の発行にかかった費用を返金してくれる場合もあります。
健康診断にかかる費用は高額になりやすいため、病院などで領収書を忘れずに受け取りましょう。
医療機関の住所や名称・日付・担当印が記載された領収書が必要なため、領収書の形式はしっかりとチェックする必要があります。
領収書はコピーを提出せず、原本を渡しましょう。
就活で使う健康診断書の注意点

健康診断書の提出時の注意点をチェックすれば、企業にマイナスな印象を与えないよう気を付けられます。注意点は、以下の2つです。
- 余裕をもって準備する
- 原本を提出する
①余裕をもって準備する
健康診断書は発行まで時間がかかるため、余裕をもって準備しましょう。
大学で発行する際は1ヶ月程度期間が必要になるので、就活直前に申請すると提出時期に間に合わないリスクがあります。
また、病院も予約を入れなければ健康診断を受けられないため、季節によってはスケジュールの調整が必要です。
前もって健康診断を受けて診断書を用意しておきましょう。
②原本を提出する
健康診断書は原本を提出することを心がけましょう。コピーを提出してしまうと、データに信憑性がないと捉えられるリスクがあります。
原本を提出した方が好印象を与えられるので、1枚だけではなく複数枚発行しておきましょう。
健康診断を行った施設に問い合わせれば、再度発行してもらえる場合もあります。
企業によっては原本の写しでもよい、と言われることもありますが、基本的にコピーした診断書は自分が手元に持っておく控えとして利用するのがベターです。
就活で使う健康診断書は余裕をもって準備しよう
就活で使う健康診断書は就活前に余裕をもって準備しておきましょう。
取得する際には、大学で発行する方法と病院や検査施設で発行する方法から選べます。
健康診断書は11項目が記載されているかどうか確認した上で原本を提出しましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。