これからの人生設計をきちんとできている人もいれば、まったく考えていない人もたくさんいるでしょう。後者に当てはまる場合は、今からでもキャリアプランシートを書いてみるのがおすすめです。
本記事ではキャリアプランシートとはそもそも何か?そして書く時の手順やメリットなどを、詳しく紹介します。
就活でも必ず役に立つため、書いておいて損はありませんよ。
キャリアプランシートは将来の方向性を計画するためのツール

まずキャリアプランシートとは、文字通り将来的なキャリアプランを記載するツールです。
これから自分がどうなっていきたいのか?どんな未来を思い描いているのか?など、具体的な計画を立てながら書いていきます。
なおキャリアプランシートは厚生労働省が発行しており、学生から求職者、在職者などに向けて、さまざまな雛形が配布されているのがポイントです。
誰でも気軽にダウンロードして使用できるため、自分の状況に合ったものを選びましょう。
キャリアプランシートを作成するメリット2つ

実際にキャリアプランシートを作る大きなメリットは、以下の2つです。
- 面接でキャリアプランを聞かれた際に活かせる
- 志望業界・企業選びに役立つ
それぞれ詳しく解説していきます。
①面接でキャリアプランを聞かれた際に活かせる
企業によっては、面接の際に求職者の細かいキャリアプランを聞く場合もあります。あらかじめキャリアプランシートを作成していれば、スムーズに内容を伝えられるのがメリットになるでしょう。
実は自分が考えているキャリアプランが採用の決め手になることも、珍しくありません。
もし就活の成功率をできる限り上げたい場合は、積極的にキャリアプランシートを作るのがおすすめです。
②志望業界・企業選びに役立つ
キャリアプランシートを作ることで、自分がこれから進むべき方向性を定めやすくなります。なぜなら、改めて自分のやりたいことや思い描いている未来を再確認できるからです。
さらに今の自分に足りないことも如実に表れるため、自己実現のために何をすればいいのかも理解しやすくなるでしょう。
もし就職先に迷っていたり、これからどうすればいいのかわからずに頭を抱えていたりする場合は、すぐにでもキャリアプランシートを作ってみてくださいね。
キャリアプランシートを作成する5つのステップ

では実際にキャリアプランシートを作成してみましょう。
主に以下の5つのポイントを押さえることが大切です。
- 自分の過去を整理する
- 現状・自己分析を行う
- 今後の理想のビジョンを考える
- 理想と現状とのギャップを明確にする
- ギャップを埋める方法を模索する
①自分の過去を整理する
まずは自分の過去を、じっくり振り返ってみてください。例えばこれまで経験してきたバイトのことを思い出し、そこから自己分析するのもいいでしょう。
自分がなぜその仕事に興味を持ったのか?なぜ続けることができたのか?何に対してストレスを感じることがあったのか?など、細かく書き出すことが重要です。
すると自分がどんな人間なのか、少しずつ客観的に見えてきます。あとはその内容を踏まえて、キャリアプランシートを埋めていくだけです。
②現状・自己分析を行う
続いて、現状の自分に関する状況を分析していきましょう。
例えば就業中であれば、その職場で上司から何を求められているのか?どんな仕事が得意で何が苦手なのか?などを、改めて書き出してみてください。
また自分で考えるだけではなく、周りからさまざまなフィードバックをもらっても良いでしょう。
他者だからこそわかる自分の良いところや悪いところは意外とたくさんあるため、より精度の高い自己分析ができます。
③今後の理想のビジョンを考える
これからどんな将来を歩みたいのかを、できるだけ具体的に考えてみましょう。
例えば1年後はどうしたいのか?10年後はどうしたいのか?のように、時間軸を決めてから考えるのがポイントです。
すると将来に向けて、明確に何をしていけばいいのか計画を立てやすくなります。
また仕事のことだけではなく、プライベートに関する理想を書くのも重要です。これにより正しい目標設定ができたり、将来へのモチベーション向上にもつながります。
④理想と現状とのギャップを明確にする
人によってはただ理想を書いて終わってしまう場合がありますが、それではキャリアプランとして不十分になってしまいます。
なぜなら理想的な未来を達成するために重要なポイントが、わからないままになってしまうからです。
過去から現在を分析しつつ未来まで描いた上で、どれくらい理想と現実にギャップがあるのかを必ずハッキリさせましょう。
すると今の自分の立ち位置や足りないものが、徐々に明確になってくるはずです。
⑤ギャップを埋める方法を模索する
理想と現実にどんなギャップがあるのかが判明したら、あとはどのように埋めればいいのかを考えてみましょう。
ここでのポイントは、今すぐ始めて効果が出るものは何か?逆に時間をかけないと効果が出ないものは何か?を分けて考えることです。
何から行動すればいいのかわかりやすくなり、最終的に自分が思い描く理想を形にしやすくなるでしょう。
何事も計画的に実行しないと遠回りになってしまうおそれがあるため、先を見据えた上で正しい行動を模索しておかなければいけません。
【目標別】キャリアプランシートの例文3つ

ここからは下記の目標別に、キャリアプランシートの内容を面接で話す際の例文を3つ紹介します。
- 昇進する
- スキルを向上させる
- 私生活とのバランスを取る
これから初めて書く人は、今後の参考にしてみてください。
①昇進する
就職の際に、昇進することを目標にしている場合の例文です。
ただ目指していることを伝えるだけではなく、既に努力や勉強をしていることまで伝えると高く評価されやすくなるでしょう。
将来的には周りから尊敬してもらえるような、営業部長に昇進したいと強く考えています。 既に活躍している社員の方々を参考にした結果、年間売上において必ず成績上位を収めていることがわかりました。 そのため営業成績を上げることに注力し、誰よりも見込み客の開拓に力を入れていきたいと思っています。 |
②スキルを向上させる
こちらはスキルを向上させることを目標にしている場合の例文です。
向上心の高いことが伝われば、それだけでも採用価値のある人材だと思ってもらえる可能性があります。
立派なエンジニアとしてどんどん成長していきたいため、毎月必ずオンライン講習会に参加する必要があると考えています。 特に情報セキュリティ対策には強い興味と関心があるため、セキュリティエンジニアとしてスキルを上げられる講座を中心に参加し、3ヶ月~1年以内に実務レベルで活躍できるようにしたいです。 |
③私生活とのバランスを取る
私生活と仕事をバランスよくすることを目標にした例文です。
どこに勤める場合でも無理なく働ける環境であることが重要ですので、必要であれば書いておきましょう。
私の家には子どもが2人いるため、家事と仕事の両方をこなせるようにしていきたいと考えています。 今勤めているところでは夜間でも働く必要があるため、日中に働ける職種に移動してうまく両立できるのが理想的です。 その際には無理をしすぎずに働けるようになるため、長期での勤務を前提に頑張っていきたいと思っています。 |
キャリアプランシートのNGポイント3つ

キャリアプランシートを書く時には、以下の3つの注意点を押さえておかなければいけません。
- 志望企業の業務内容とプラン内容にギャップがある
- 実現可能性が低すぎる
- 内容が具体的でない
それぞれ詳しく解説します。
①志望企業の業務内容とプラン内容にギャップがある
まず自分が志望する企業について、事前にどんなところなのかを調べておく必要があります。
自分のキャリアプランと企業の目指す方向性が、大きくズレている可能性もあるからです。
どれだけしっかり考えてキャリアプランシートを書いても、志望企業との相性が悪ければまず採用されません。
だからこそ、企業がホームページで公開している事業計画やSNSなどを見ながら、本当に応募すべきなのかどうかを考えておいてください。
②実現可能性が低すぎる
キャリアプランシートに自分の理想を書くことは、モチベーションを上げたり向上心をアピールしたりする上でも大事なことです。
ただし、大前提として実現可能な範囲で書かなければいけません。
なぜなら無理のある内容を書いても、企業からすれば信憑性に欠けるうえ、計画性がない人物だと捉えられてしまいます。
高すぎる目標を立てても自分自身にとってメリットがないので、あくまでも現実的に考えた上でキャリアプランシートを書きましょう。
③内容が具体的でない
キャリアプランシートを書く時に意識しなければいけないのは、具体性のある内容にすることです。
例えば「ITエンジニアになるために、とにかくたくさん勉強します」だけでは、誰にも何も響かないアピールになってしまうでしょう。
実際に何をどれくらい勉強するのか?そのためにどんな計画を立ててあるのか?など、できる限り詳細に伝えることを忘れてはいけません。
明確な数字も記載できればそれが理想的です。例えば「1年以内」や「6か月以内に」のような数字も入れることで、より本気度が伝わりやすくなります。
キャリアプランシートを書いて就活で生かそう

今回はキャリアプランシートについて、基本的な書き方のコツやメリット、注意点などを詳しくまとめました。
必ずしもキャリアプランシートを書く必要はありませんが、事前に用意していれば就活を有利に進めることができるかもしれません。
また今の自分の状況や将来の夢などをすべて整理できるので、これからの人生設計に必ず役に立つでしょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。