ドラッグストア業界に興味があるけど、詳しい仕事内容が分からず迷っていませんか?
本記事では、ドラッグストア業界の特徴と仕事内容、主要企業の特徴や求められるスキルなどを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
ドラッグストア業界に就職したい学生必見!ビジネスの特徴を解説
ドラッグストア業界は、多様な商品を販売しています。ドラッグストア業界には、大きく分けて「ディスカウント型」「調剤薬局併設型」「インターネット通販型」の3つのビジネスモデルがあります。
ディスカウント型のドラッグストアは、その名の通り、商品を割引価格で提供していることが特徴です。価格競争力を保つために、自社ブランド商品の開発・販売にも力を入れています。
調剤薬局併設型のドラッグストアは、薬剤師が常駐し、処方箋に基づく医薬品の販売を行っています。消費者は医薬品の購入と健康相談を一度にすることも可能に。
インターネット通販型のドラッグストアは、文字通りネットで商品を購入でき、自宅まで発送します。消費者のライフスタイルに合わせたサービスを提供していますよ。
ドラッグストア業界の3つのトレンド

近年、私たちの生活に密着した存在であるドラッグストア業界が大きな変化を遂げています。その背後には、社会環境の変化や消費者のニーズの変動があります。その中でも特に注目すべきトレンドは以下の3つです。
- コロナ禍による需要拡大
- セルフメディケーションの推進
- 積極的なM&A
①コロナ禍による需要拡大
新型コロナウイルスの影響により、ドラッグストア業界は大きな変化を経験しました。2020年は多くの業界が苦境に立たされた一方で、ドラッグストア業界の業績は好調を維持しています。
その理由として、新型コロナウイルスの影響により、マスクや消毒用アルコールの需要が急増したことが挙げられるでしょう。
また、巣ごもり需要や買いだめ需要も増加し、日常生活に必要な商品を幅広く取り扱うドラッグストアは、生活インフラとしての役割を一層強めました。
②セルフメディケーションの推進
セルフメディケーションとは、一般用医薬品(OTC医薬品)を活用して自己の健康管理を行うことです。少子高齢化社会による医療費の増大を背景に、国もセルフメディケーションを推進しています。
2021年には医政局経済課に「セルフメディケーション推進室」が新設され、この流れがさらに加速することで、ドラッグストア利用者の増加が期待されています。
③積極的なM&A
ドラッグストア業界では、業績拡大とともに店舗数も増加しており、各社は生き残りをかけた様々な取り組みを行っています。その1つがM&A(企業の合併・買収)です。
2021年にはマツモトキヨシHDがココカラファインと経営統合し、「マツキヨココカラ&カンパニー」を設立。
また、ウエルシアHDは調剤併設店舗の拡大を掲げ、2022年には沖縄でドラッグストアを展開するふく薬品の株式を取得し、子会社化しました。
ドラッグストア業界の主な仕事内容3選

ドラッグストアは私たちの日常生活に深く根ざしています。その一方で、その業務内容の全てを理解している人は少ないかもしれません。
ここでは、ドラッグストア業界で行われている主な仕事内容を3つ紹介します。
- 販売業務
- 在庫管理
- 医薬品の調剤
①販売業務
ドラッグストアの最前線で行われているのが販売業務です。具体的には、レジ打ちや商品の販売、そしてお客様の質問や相談への対応などの業務があります。
販売業務は幅広い知識を必要とします。また、お客様と最も接する機会の多い仕事なので、そのドラッグストアの顔とも言えるでしょう。
デリケートな問題についても相談を受けることがあり、慎重な接客が求められます。そのため、販売業務は単なる商品の提供だけでなく、お客様の生活をサポートする役割も果たしているのです。
②在庫管理
2つ目は在庫管理です。ドラッグストアは商品数が多いため、全ての商品を把握し、欠品がないように在庫管理を徹底しなければいけません。
また、過剰在庫を抱えることがないように、適切なタイミングで発注を行う必要があります。在庫管理は細かい作業が苦にならない人に向いているでしょう。
在庫管理は見えない部分の業務かもしれませんが、これがしっかりと行われていることで、私たちは必要な商品をいつでも購入できるのです。
③医薬品の調剤
3つ目は調剤業務です。調剤薬局併設型のドラッグストアでは、薬剤師が常駐し、処方箋をもとに医薬品を販売しています。
調剤業務があることで、消費者はわざわざ調剤薬局に行かずとも、近くのドラッグストアで医薬品を受け取れます。また、待ち時間に買い物を済ませられるためとても便利です。
調剤業務はドラッグストアが提供するサービスの1つであり、私たちの健康を支える重要な役割を果たしています。
ドラッグストア業界の主要企業3選

ドラッグストア業界に興味はあるけど、具体的にどんな企業があるかわからない人も多いと思います。そこで、ドラッグストア業界の中でも特に注目すべき3つの企業を紹介します。
- クリエイトSDホールディングス
- マツキヨココカラ&カンパニー
- ウエルシアホールディングス
①クリエイトSDホールディングス
クリエイトSDホールディングスは、全国的にドラッグストアチェーンを運営する企業です。その特徴は、地域密着型の経営にあります。
地域のニーズに応じた商品展開と、顧客一人ひとりに対する丁寧な対応が評価され、多くの顧客から信頼を得ています。
主力事業は、もちろんドラッグストア事業です。医薬品だけでなく、化粧品や日用品など幅広い商品を取り扱っており、生活必需品を一手に提供しています。
近年では、健康志向の高まりを受けて、健康食品やサプリメントの取り扱いを強化しています。また、オンラインショップにも力を入れており、店舗とネットの両方から購入可能です。
②マツキヨココカラ&カンパニー
マツキヨココカラ&カンパニーは、マツモトキヨシとココカラファインが統合して誕生した新しい企業です。ドラッグストア業界のリーディングカンパニーとしての経験とノウハウを活かし、新たな価値の提供に挑戦しています。
主力事業は、ドラッグストア事業とヘルスケア事業です。ドラッグストア事業では、幅広い商品を取り扱い、ヘルスケア事業では、健康情報の提供や健康支援サービスを展開しています。
最近では、健康と美容に関する情報提供に力を入れているほか、オンラインとオフラインの融合による新しいショッピング体験の提供にも取り組んでいます。
③ウエルシアホールディングス
ウエルシアホールディングスは、全国的にドラッグストアチェーンを運営しています。その特徴は、「かかりつけ薬局」のコンセプトに基づき、地域医療と連携したサービスを提供している点です。
主力事業は、ドラッグストア事業と介護事業です。ドラッグストア事業では、調剤薬局を併設し、地域の医療ニーズに対応し、介護事業では、訪問入浴介護や福祉用具の販売・レンタルなど、在宅介護サービスを提供しています。
最近では、海外展開にも力を入れており、シンガポールでドラッグストアを展開しています。また、調剤過誤防止システムを全店に導入するなど、サービスの質向上にも取り組んでいるのが特徴です。
ドラッグストア業界の就職で求められるスキル3つ

ドラッグストア業界は、薬剤師の資格を持っていると就職を有利に進められます。しかし、資格なしの未経験でも就職は可能です。
ここでは、ドラッグストア業界に就職する場合に求められるスキルを3つ紹介します。
- マネジメント能力
- コミュニケーション能力
- マルチタスク能力
①マネジメント能力
ドラッグストア業界で働く上で、マネジメント能力は必須と言えます。なぜなら、店舗運営には商品の在庫管理から人員配置、販売戦略まで、多岐にわたる要素を一元的に管理し、最適な運営を行う必要があるからです。
例えば、販売業務の場合、地域の客層に合わせた商品の選定や新商品の早期導入など、その店舗の売上を左右する重要な決定を行います。
また、在庫管理では、適切な発注タイミングを見極め、商品の過剰在庫や欠品を防がなければいけません。
ドラッグストア業界でのマネジメント能力は、店舗運営の効率化と売上向上に直結します。
②コミュニケーション能力
次に重要なのがコミュニケーション能力です。ドラッグストアは、顧客と直接対面する機会が多い業界であり、その対応が顧客満足度に大きく影響します。
例えば、レジや販売の現場では、お客様の質問や相談に対応しなければいけません。これには、商品知識だけでなく、顧客のニーズを理解し、適切な提案を行う能力が求められます。
また、プライベートな内容を含む相談を受けることもあるため、顧客の気持ちに寄り添い、慎重な対応をする必要があります。したがって、コミュニケーション能力は必須です。
③マルチタスク能力
最後に、マルチタスク能力もドラッグストア業界で求められる重要なスキルです。
ドラッグストアでは、商品の陳列からレジ対応、在庫管理まで、多岐にわたる業務を同時にこなす必要があります。
業務を効率よく進めるためには、複数のタスクを同時に管理し、優先順位をつけて作業を進めるマルチタスク能力が必要です。
例えば、品出しの際には、商品が欠品しないように全体を見渡しながら作業を進める必要があります。
また、季節ごとに売り出したい商品を店頭に配置したり、POPを作り商品を目立たせたりするなど、細かな気配りも求められるでしょう。
ドラッグストア業界の志望動機作成の3つのポイント

ドラッグストア業界を志望する際は、ただ商品を売るだけではない、その業界特有の魅力や課題を理解し、自分がどのようにその業界で活躍できるのかを明確にする必要があります。
ここでは、ドラッグストア業界の志望動機を作成する際の3つのポイントを解説します。
- なぜドラッグストア業界を志望するのかを明確にする
- なぜその企業を志望するのかを明確にする
- 入社後にどのように活躍できるか明確にする
①なぜドラッグストア業界を志望するのかを明確にする
まず、なぜドラッグストア業界を志望するのかを明確にしましょう。
ドラッグストア業界を志望する理由は、人それぞれ異なります。ある人は、幅広い商品を扱うことから「人々の日々の生活を支える仕事がしたい」と考えるかもしれません。
また、ドラッグストア業界は、新型コロナウイルスの影響を受けても業績が好調であるなど、安定性があると感じる人もいるでしょう。
自分が何を重視し、ドラッグストア業界にどのような価値を見出しているのかを明確にしましょう。
②なぜその企業を志望するのかを明確にする
次に、志望する企業がなぜその企業であるのかを明確にします。
例えば、マツモトキヨシは化粧品に力を入れているという特徴があります。そのため、「美容の悩みは人それぞれなので、お客様に寄り添った接客をしたい」など具体的な理由を述べられます。
企業ごとの特徴や強みを把握し、自分の価値観や目指すキャリアとどのように合致しているのかを考え、明確に表現しましょう。
③入社後にどのように活躍できるか明確にする
最後に、自分がその企業に入社した後、どのように活躍できるのかを明確にします。これは、自己PRの一部でもあります。
例えば、「私は向上心が高く、新しいことを学ぶことが得意です。そのため、ドラッグストア業界の最新のトレンドを常にキャッチアップし、店舗運営に活かせます」など具体的な活躍のイメージを描くことが重要です。
また、過去の経験から学んだスキルや知識をどのように活かせるのか、具体的なエピソードとともに述べるとより説得力が増します。
ドラッグストア業界への理解を深めて就職活動を進めよう
ドラッグストア業界はコロナ禍でも業績を伸ばした数少ない業界であり、その安定性から魅力を感じている就活生も多いと思います。
ドラッグストア業界に就職するには、薬剤師の資格があるとかなり有利ですが、資格なしの未経験でも就職は可能です。
業界研究・企業研究を重ねたうえで、必要なスキルを習得して自信を持って就活に臨みましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。