刑務官は国家公務員の一種で、比較的安定した職業のため目指す人も少なくありません。ですが、いざ刑務官の採用試験を受けても「志望動機に何を書けばいいの?」と悩んでしまう人もいるでしょう。
そこで、本記事では刑務官の志望動機の書き方、仕事内容や求められる素質までくわしく解説します。ぜひ、これからの採用試験の参考にしてみてくださいね。
刑務官とは?仕事内容を理解して志望動機の参考にしよう
刑務官の志望動機を作成する前に、まずは仕事について知っておきましょう。
刑務官は国家公務員で、給料は国税から賄われます。また、刑務官は「刑務官採用試験」に合格した上で、国家公務員採用試験に合格しなければなりません。
主な仕事は、刑務所や拘置所、鑑別所などの運営、警備や巡回、受刑者の更生のための各種業務があげられます。業務内容は多岐にわたるので、どの業務担当になっても柔軟に対応できる能力が必要です。
刑務官に求められる3つの素質
刑務官になりたいと思っても、誰しもが刑務官になれるわけではありません。ここでは、刑務官に求められる3つの素質を紹介します。
中には、努力次第で身につけられる素質もあるので、素質がないと諦めず刑務官を目指してみてくださいね。
- 体力
- 精神的なタフさ
- チームワーク
①体力
刑務官として働き続けるためには、何よりも体力が必要です。
刑務官の業務時間は基本的にシフト制なので、時間にばらつきがあります。普通の店舗や会社と違って、勤務先の刑務所などには休みがなく、夜間も働き続けなければなりません。不規則なシフトでも対応できる体力を身につけておきましょう。
さらに、刑務官は通常業務と並行して、万が一の場面に備えて各種訓練を受ける必要があります。一般的な仕事と比べてはるかに体力が必要な仕事と言えるでしょう。
②精神的なタフさ
刑務官の勤務先は、いずれも閉鎖的な環境のため、精神的なタフさが求められます。
刑務官が普段接するのは受刑者で、さまざまな事情を持って服役している人ばかりです。こういった人たちと接する際は緊張感が伴い、精神的に疲弊しやすい環境と言えます。
また、ただ単純に接するだけではなく、業務を通じて受刑者の更生も行わなければなりません。かなり気を遣うので、常に心を強く保ち続けられる人でなければ務まらないでしょう。
③チームワーク
刑務官は周りと協力して、受刑者の更生を目指していきます。業務中は上司や同僚と組んで職務に当たることが多いので、他人と協力して業務を遂行できるチームワークが求められるのです。
また、管轄内で何か問題が起こったときは、一人で問題を解決をするのではなく、刑務官が一丸となり問題解決にあたります。
刑務官は、自分以外の刑務官と協力し合って、円滑な業務遂行が求められる仕事なのです。
刑務官の志望動機の作り方3ステップ
刑務官の業務内容はわかったけれど、どうやって志望動機を作ればいいかわからず悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。
ここでは、3つのステップに分けて志望動機の作り方を紹介しています。悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
- 志望理由を結論ファーストで伝える
- 志望理由の根拠となるエピソードを伝える
- 刑務官になった後の活躍の展望を伝える
①志望理由を結論ファーストで伝える
志望動機の書き始めは、結論ファーストを意識しましょう。
結論から書き始めれば、相手に素早く伝えたいことをアピールできます。自分が何を伝えたいのかを最初に考えて、志望動機の冒頭に持ってきましょう。
また、結論ファーストの文章は論理的な印象になります。刑務官は常に冷静さが求められる仕事なので、論理的な志望動機は相手に好印象を与えられるのです。
②志望理由の根拠となるエピソードを伝える
説得力のある志望動機にするには、志望動機につながるような具体的なエピソードが必要です。
刑務官を目指すにあたり、どんな背景があったのかを盛り込み、魅力的な志望動機を作ってください。
また、エピソードトークを盛り込めば自然とオリジナリティのある内容になるので、文章が苦手でも他と差をつけた志望動機が作れますよ。
③刑務官になった後の活躍の展望を伝える
志望動機は、ただ刑務官になりたいという気持ちを伝えるだけでは足りません。刑務官になった後、仕事を通じてどんな人物になりたいのか、活躍の展望を盛り込みましょう。
展望は、より具体的な内容で伝えるのがポイントです。相手が想像しやすい内容を意識しましょう。
将来の展望を前向きに伝えることで、「この人と一緒に働きたい」と好印象を与えるだけでなく、「この人を採用すれば長く働いてくれる」と、相手に印象付けられますよ。
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刑務官の志望動機作成時の2つのポイント
刑務官の志望動機を作成する際、以下の2つのポイントを意識してください。
志望動機作りに悩んでしまった場合は、このポイントを思い出しながら書くことで、スムーズに志望動機が作れます。
- なぜ刑務官になりたいかを明確にする
- 刑務官として活かせる自身の強みをアピールする
①なぜ刑務官になりたいかを明確にする
志望動機では、なぜ刑務官になりたいかを明確に書きましょう。
「その夢を叶えるなら他の仕事でもいいのでは?」と思わせてしまうと、その後の採用試験に悪影響を及ぼしかねません。刑務官になりたいと思ったきっかけやエピソードなど、自分の背景を志望動機で明確に書きましょう。
きっかけやエピソードが上手く作れない場合、刑務官ならではの特徴や、業務内容を絡めて作成すれば、説得力のある志望動機が書けます。
②刑務官として活かせる自身の強みをアピールする
刑務官として活かせる自分の長所を盛り込んで、ぜひ一緒に働きたいと思われるようなアピールをしましょう。
刑務官の仕事は体力と精神力、チームワークが求められる仕事です。部活や習い事、これまでの経験を絡めて、刑務官という職務を全うできる人材だとアピールしましょう。
ただし、長所を志望動機に盛り込む際は、自分本位な内容にならないよう注意が必要です。ただ自慢するような内容ではなく、きちんと刑務官の仕事に絡めた内容にしましょう。
【エピソード別】刑務官の志望動機の例文3選
ここでは、エピソード別で3つの志望動機を紹介しています。
刑務官の志望動機の作成に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 例文①刑務官のドキュメンタリーに衝撃を受けたため
- 例文②体力と気力を活かしたいため
- 例文③警察官である叔父に憧れたため
例文①刑務官のドキュメンタリーに衝撃を受けたため
私は刑務官という仕事を通じて、受刑者の更生と再犯率の低下を促し、社会全体の平和に貢献したいという強い思いがあります。職務はハードですが、社会に貢献する姿勢に魅了され、この道を進むことを決意しました。 私が刑務官を志したきっかけは、高校時代に視聴した刑務官のドキュメンタリーです。刑務官が受刑者と向き合う過酷な現場の一端を垣間見て、その中で受刑者の更生を支えている姿に強い感銘を受けました。 私は刑務官として受刑者の更生をサポートし、社会全体での再犯率の低下に貢献したいです。そのためには、コミュニケーションスキルや個別サポートの能力を磨き、受刑者が社会に復帰できるように導きます。また、刑務官としての職務を通じ、一般市民との信頼関係を築き、より安全で平和な社会を実現したいと考えています。 |
刑務官の仕事内容を理解し、大変な仕事であることをわかった上での志望しているとアピールしていますね。
業務内容を正しく把握しておけば、採用後のミスマッチや早期退職を防げますよ。
例文②体力と気力を活かしたいため
私は刑務官として受刑者と真摯に向き合い、再犯率の低下を目指すことで、より平和で安心できる社会づくりに貢献したいと考えています。刑務官を志したのは、所属していた野球チームの保護者が刑務官であり、その方のお話を通じて刑務官の仕事に興味を抱いたためです。 私は小学校の頃から野球を続け、体力や気力、チームワークの重要性を学びました。野球の厳しい環境で培ったスキルは、刑務官のハードな仕事において活かせる場面が多いと考えています。 私は刑務官として受刑者と公平に接し、野球で培った体力と精神力を活かして、受刑者の更生を支えることに努めます。粘り強い指導と個々の事情に理解を示すことで、受刑者の社会復帰をサポートしたいと考えております。 |
自分の経験が刑務官の職務へ活かせると具体的にアピールしており、説得力がありますね。
採用担当者に「魅力的な人材である」というアピールしているのがポイントです。
例文③警察官である叔父に憧れたため
私は刑務官としての職務に強い関心を抱いており、その理由は叔父が警察官であったことです。叔父は仕事を通じて法律を犯した多くの人たちと接し、その経験を通して社会的な問題に目を向けていました。 私は叔父はいつも「社会的に追い込まれて犯罪行為に手を染めた人は多い。だけど、そのことはニュースで報道されない。」と言っていました。この言葉を聞いて、犯罪の背景の把握や社会的支援が必要だと感じました。祖父の影響を受け、刑務官として犯罪者の更生に尽力したいという想いが強くなりました。 私は法に沿った裁きだけではなく、犯罪を犯した人たちに寄り添い、社会復帰への一翼を担えるような仕事に携わりたいと考え、刑務官を志望しております。受刑者の社会復帰を促し、社会平和を築くお手伝いをしたいです。 |
相手を納得させるようなエピソードを盛り込むと、魅力的な志望動機になります。エピソードトークは、相手が想像しやすいような具体的な内容にするのがポイントです。
プラスして将来の展望も盛り込めば、長く働いてくれる人材であるとアピールできるでしょう。
刑務官の志望動機を作成する際に注意すべき2つのこと
刑務官の志望動機を作成する際は、以下の2つの内容に注意しましょう。
魅力的な志望動機が作れても、この2つの内容に該当すると相手に悪い印象を与えてしまいます。この注意点は常に念頭に置いてくださいね。
- 国家公務員であることを志望理由にしない
- 継続力がない人間だと思われないようにする
①国家公務員であることを志望理由にしない
単に「国家公務員だから」という志望理由だと、「他の国家公務員でもいいのでは?」と思われてしまいます。
こうした印象は、採用後のミスマッチが起こりやすいと思われたり、採用しても長く続かないと判断されやすいです。
特に刑務官はハードな仕事なので、目先の目的だけの志望動機は不採用につながりかねません。国家公務員であるという点は志望動機に盛り込まないよう、注意しましょう。
②継続力がない人間だと思われないようにする
刑務官は体力も精神力も必要な仕事で、他の一般的な仕事と比べるとかなりハードです。
このため、採用担当者は「大変な業務内容でも長く働き続けてくれる人材かどうか」を重点的にチェックします。したがって、志望動機には、継続力があると感じられる具体的なエピソードを盛り込むと効果的です。
色々なことにたくさん取り組んでいるというエピソードでは、飽き性で長続きしないという印象になりかねません。場合によってはネガティブな印象になってしまうでしょう。
採用担当者が同感できるようなエピソードトークで、継続力のある人材だとアピールしてください。
刑務官の業務について理解を深めて志望動機を作ろう
刑務官になるにはさまざまなハードルを越えなければなりません。特に志望動機は、今後の採用試験を左右する重要な要素なので、作成は念入りにおこなう必要があります。
まずは刑務官という仕事についてしっかり理解して、ポイントを押さえた志望動機作りをしましょう。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。